特例有限会社から株式会社へ移行するには

 特例有限会社とは

平成18年5月1日以降の会社法施行以前に有限会社であった会社で、会社法施行後も現存している有限会社は株式会社として存続するものの、商号の中には株式会社ではなく有限会社の文字を継続して使用するものとされています。こうした有限会社のことを「特例有限会社」と言います。

言い換えると、現在存続している有限会社は全て特例有限会社となります。

特例有限会社から通常の株式会社への移行

特例有限会社は以下のような手続きを経て、いつでも通常の株式会社に移行することができます。なお、一旦株式会社に移行した後は、特例有限会社に戻すことはできません。

①商号の中に「株式会社」という文字を用いるための定款の変更決議をする。

②当該特例有限会社についての解散の登記と、移行後の株式会社についての設立の登記を①の定款変更決議の日から本店所在地において2週間以内に行う。

この解散の登記と設立の登記は同時に申請することが必要です。商号変更の効力は、移行の登記によって生じます。

商号変更による登記手続

特例有限会社についての解散の登記と、移行後の株式会社についての設立の登記を同時に申請します。

なお、定款の変更決議をする際に、商号の変更の他に株主総会決議により「目的」「発行可能株式総数」「資本金の増加」「役員の改選」等も行うことができます。これらの手続きを行う場合には、変更に係る事項の効力発生日を商号変更による設立の効力発生日と同日にすることによって、商号変更による移行の登記と併せてこれらの事項も登記することが可能です。

※商号変更時に在任中の役員の任期について

特例会社が通常の株式会社に商号変更した際の役員の任期については、特段の規定がありません。よって商号変更前に選任された役員の任期についても会社法の任期に関する規定が適用されます。具体的には以下のようなケースが考えられるでしょう。

①選任後15年を経過している者

⇒商号変更の効力発生のときに、任期満了により退任する。

②選任後5年を経過している者

⇒任期に関して定款に別段の定めがない場合は、商号変更の効力発生のときに、任期満了により退任する。商号変更の定款変更決議と併せて取締役の任期を10年に伸長する決議を行ったときは、商号変更の効力発生後さらに5年間任期が継続する。

③選任後1年を経過している者

⇒商号変更の定款変更決議時に特段取締役の任期の伸長を定めていない場合には、商号変更の効力発生後さらに1年間任期が継続する。

在任中取締役の任期が満了する際には、特例有限会社の取締役だった者が株式会社の取締役に再度なるときであっても、改めて株主総会の決議により取締役を選任しなければなりません。

登記手続の必要書類

1、定款(商号変更後の株式会社の定款)

2、株主総会議事録

3、印鑑証明書(代表者個人) など

従前の印鑑カードは返却し、新たに交付を受けます。

商号変更をするかお悩みの方へ

特例有限会社には、通常の株式会社にはないメリット・デメリットがあります。

主なメリット

1、役員の任期に関する制限がない

⇒株式会社では、役員の任期は最長でも10年間ですが、特例有限会社では取締役の任期を定める必要がありません。

2、決算の公告義務がない

⇒株式会社と違い、定時株主総会終結後の決算公告の義務がありません。

3、みなし解散の適用を受けない

⇒株式会社では、12年間登記簿に変更がない場合には、経営実態がないとみなされ解散されてしまう「みなし解散」の適用がありますが、特例有限会社ではこのような制度はありません。

主なデメリット

1、発行する株式が譲渡制限株式でなくてはならず、公開会社にはなれない。

2、取締役会・監査役会・会計監査人などを設置することができない。

3、監査役の監査の及び範囲は会計に関するものに限定され、監査役設置会社にはなれない。

4、株式会社と違い、株式交換や株式移転の方法による当事者にはなれない。

5、特例有限会社を存続会社や承継会社とする吸収合併や吸収分割ができない。

6、株式会社では代表取締役のみ住所が登記されるが、特例有限会社では全取締役及び監査役の住所が登記事項とされているため、個人の住所が対外的に分かってしまう。

特例有限会社から株式会社への移行の手続き自体はさほど複雑ではありませんが、特例有限会社独自のメリットは失ってしまいます。また、株式会社に移行した後は、特例有限会社に戻すことはできません。上記のような各々メリット・デメリットを踏まえた上で、株式会社への移行をするか判断した方が良いでしょう。

 

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