このページの目次
資本金の額を減少するには
株式会社の謄本や決算書の貸借対照表には資本金の額が記載されています。この資本金の額は、一定の手続きを踏むことにより減少させることができます(「減資」といいます。)
税務上の観点などから資本金を減らしたいときなど、減資の手続きを利用されることがあります。
資本金の額を減少できるといっても、マイナスにすることはできませんので、0円にすることは可能です)減少する資本金の額は効力発生日時点の資本金の額を上回ることはできない、という事になります。
ここでは、減資の手続き方法や流れについてご説明していきます。
一般的な減資の手続き・スケジュール
①株主総会の招集通知の発送
②株主総会の決議(原則特別決議が必要です)
③官報公告の申込
④知れたる債権者へ催告書発送
⑤減資の公告が官報に掲載
⑥債権者保護手続きの期間満了(官報掲載より1ヶ月以上経過後)
⑦資本金の額の減少の効力発生
⑧登記申請
※③の官報公告掲載申込は、株主総会の決議前に行っても問題ありません。
スケジュール的にお急ぎの場合には、官報公告掲載の申し込みを先に行っておく場合もあります。
株主総会の決議
原則として、減資をするには株主総会の特別決議が必要です。
<例外>
- 株主総会の特別決議 ( 原則)
- 株主総会の普通決議 (定時株主総会で欠損の範囲内で減資する場合)
- 取締役会の決議( 減資後の資本金の額が、減資前の資本金の額を下回らない場合)
決議する内容
- 減少する資本金の額
- 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額
- 資本金の額の減少がその効力を生ずる日
債権者保護手続き
減資をするときは、債権者保護手続きをしなければなりません
これは、定時株主総会で欠損の範囲内で減資する場合も、減資後の資本金の額が、減資前の資本金の額を下回らない場合も例外ではありません。
債権者保護手続きは、次の事項を官報に公告して、知れている債権者へは個別に催告をします。
- 資本金の額の減少の内容
- 最新の貸借対照表又はその要旨が掲載されている場所
- 債権者が一定の期間内(1ヶ月以上)に異議を述べることができる旨
減資の効力発生
減資の効力は、株主総会等で定めた効力発生日にその効力が生じます。
効力発生日までに債権者保護手続きが終わっていないと、減資の効力は生じません。
なお、株主総会の決議の前に債権者保護手続きを行っておくことは可能であり、既に債権者保護手続きが終わっているのであれば、株主総会決議日=効力発生日とすることもできます。