相続人に認知症や行方不明の方がいると

相続人と相続分の割合

相続が開始すれば、相続財産は相続人に引き継がれることになりますが、「誰が」「どの割合」で相続するかは法律で定められています。

例えば、相続人が配偶者と子2名の場合には、法定相続分は配偶者:2分の1、子2名:各々4分の1づつ、といった具合となります。

もちろん法定相続分通りで相続財産を分けることもできますが、相続人全員が参加した「遺産分割協議」によって自由に相続財産の割合を変えることも可能です。

では、相続人の中に認知症や行方不明の方がいるケースでも、遺産分割協議は可能でしょうか。

相続人の中に認知症や行方不明の方がいあるようなケースでは、相続人全員の意思表示を確認することができない為、そのままでは相続手続きを進めることはできません。

例えば、家庭裁判所に認知症の方に代わり財産管理を行う「成年後見人」を選任するよう申立てたり、行方不明の方に代わり財産管理を行う「不在者財産管理人」を選任するよう申し立てる必要があります。この手続きには、相応の費用も時間もかかってしまいます。

また、選任された「成年後見人」や「不在者財産管理人」はその相続人の財産を守る必要があるために、本人の相続分が減るような遺産分割協議書には応じないでしょう。

このようなケースで、相続手続きを進めていくにあたって、法定相続分で分けるのであれば手続き上問題点も少ないですが、自宅などの不動産を相続するようなケースでは大変になってきます。

例えば、以下の事例で検討してみます。

  • 相続財産:不動産(自宅)時価3,000万円
  • 相続人:妻及び子2名(内1名が行方不明)

法定相続分は妻1,500万円、子2名が各々750万円となります。相続人全員の同意があれば、遺産分割協議により、今後も自宅に住み続ける妻単独の名義とすることは可能です。

また、その他の財産についても合意があれば、子が相続分を受取らなくても構いません。

ただし、子1名が行方不明により、遺産分割協議に参加できないようなケースでは、どうすればよいでしょうか。

このケースでは遺産分割協議をする際に先ほど述べました通り「不在者財産管理人」が行方不明の子に代わり、当事者として参加することとなります。

「不在者財産管理人」が遺産分割協議に参加する場合には、自身の相続分を減らしたり、他の相続人に分けるような協議は認められません。

よってあくまで法定相続分通りの分け方になるでしょう。これは、「成年後見人」が選任された場合も結果は同様です。

以上のように、相続人の中に認知症や行方不明の方がいるようなケースでは、相続手続きは非常に時間や費用もかかってきますし、相続人全員の意思に合致した配分方法を行うこともできないかもしれません。

遺言書作成の必要性について

相続手続きトラブルの予防措置として、遺言書作成は有効な手段です。

相続が発生すると、遺産の全てについて相続手続きが必要となりますが、一つ一つの遺産を誰にどのように分けるかは、非常に大変です。

生前にどの財産を誰に相続させるかを、遺留分にも留意しながら被相続人様ご自身が遺言書に明確に決めておくことで、残されたご家族・ご親族同士で争いになるという事態を防ぐことができます。

ご自身にとっても亡くなった後に相続人間で手続きが難航することは本意でないでしょう。

 

当事務所では、遺言者の方のお気持ちが最大限に尊重されるように原則ご本人様のみの面談にて作成させて頂きますので、ご安心ください。

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