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自己破産とは
「自己破産」とは、裁判所への申立てにより、税金や養育費などを除くすべての借金を免除してもらう手続きです。すべての人が自己破産できるわけではなく、収入・資産状況から認められないケースもあります。あくまで現在持っている資産や、今後の収入などから総合的に判断して、借金のすべてを完済することが難しい状況にある方だということを裁判所が判断することにより、借金の返済義務がなくなります。
自己破産の申立をしただけでは、決して借金は免除されませんので、ご注意ください。
また、借金をすべて免除してもらう代わりに住宅や車などの資産は手放す必要があります。
自己破産のメリット
- 金融機関などからの督促・取立がとまります
債権者に当事務所が受任通知を発送することで、金融機関への返済及び督促や取立がとまります。
- 全ての借金が免除されます
裁判所に自己破産の申立てをし、免責決定がされるとすべての借金を返済する義務がなくなります。任意整理や個人再生などの手続きでは、利息や元金の一部が減額されるだけですので、大きな違いがあります。
- 自己破産の手続き終了後に得た財産や収入は自身で管理できます
自己破産の手続きをすることにより、原則家や車などといった資産は手放すこととなります。しかしながら、破産手続き終了後に自身で得た財産や収入までは管理されることはありませんので、自身で管理することが可能です。
- 生活に必要な財産は残すことができる
家や車といった大きな資産は手放すこととなりますが、自己破産したからといって、財産をすべて失うわけではありません。※最低限の現金や生活必需品は残すことができます。
※例)20万円未満の預貯金
99万円以下の現金
生活に必要な家具や家電など
自己破産のデメリット
- 自宅や車などの財産は処分されてしまう
20万円以上の価値がある自宅や車、生命保険金の解約返戻金など一定の財産は処分しなければなりません。
- 個人信用情報機関に登録されます
自己破産の手続きすることにより、返済義務が免れる代わりに、個人信用情報に登録されてしまいます。
いわゆる「ブラックリスト」に載るというものです。一旦、個人信用情報機関に登録されると少なくとも5年程度はクレジットカードが使えなくなったらい、新たにローンを組むことなどは難しくなってしまいます。
- 職業の制限がある
警備業・建設業・保険募集人など自己破産手続き開始から終了まで一定期間就けない職業の制限があります
- 自己破産を認められないケースもある
ギャンブルや浪費が原因で借金をしたり、特定の債権者に対して偏った弁済を行った場合などには、自己破産が認められないことがあります。
これは「免責不許可事由」と呼ばれ、他にも財産があるのに財産を隠したことも当てはまります。自己破産は借金を免除してもらうという厳格な手続きによる為に、財産隠しは許されません。
- 官報に住所・氏名が記載される
自己破産をすると官報に住所・氏名が記載されます。ただし、一般の方が官報を閲覧する機会はほとんどありませんので、友人・知人に自己破産をした事実を知られる可能性は低いと思います。
自己破産の手続き方法
自己破産の手続きには2種類あり、「同時廃止」と「管財事件」と呼ばれております。
①「同時廃止」
債権者に配当するべき財産や価値のある財産がないような場合には、同時廃止事件となり破産手続開始決定と同時に破産手続を廃止する決定のことです。
破産手続廃止とは、債権者に対して配当するだけの財産が破産者にない場合に行われ、個人の方の自己破産手続きのケースでは殆どがこちらに該当します。
②「管財事件」
自己破産を申立てした方に債権者に配当するべき財産がある場合には、破産管財人が選任されます。破産管財人が選任されると、破産管財人によるい他に財産がないかの調査や債権者集会も開かれ、手続きは非常に時間もかかり、また裁判所に納める予納金も多額(20万円以上)となります。
自己破産の手続きの流れ
1.ご相談
ネットや電話でも随時受け付けております。手続きや費用面についてご納得頂けましたら、当事務所と正式に契約し、手続きに着手します。
2.受任通知の発送・債権調査
債権者に当事務所より受任通知を発送することで、返済は一時的にストップされ、債権者からの督促・取立もとまります。また同時に債権者に債権調査のお願いをすることで、取引内容を開示請求します。
また、返済が一時的にストップされている間に当事務所への報酬の支払いなども分割で行っていただきます。
3.必要書類の準備・作成
自己破産申立に必要な書類を準備して頂き、打合せなどにより自己破産申立書類の作成に必要な情報を集めていきます。
4.自己破産申立
準備して頂いた書類やヒアリングにより、当事務所が自己破産申立書を作成し、管轄の地方裁判所に提出します。
5.免責決定
免責決定が確定すると、税金や養育費などを除くすべての借金の返済が免除されます。
自己破産をご検討の方へ
自己破産の手続きは消極的なイメージが強く、二の足を踏まれている方も多いでしょう。
自己破産をすれば、借金の返済義務もなくなり、今後の生活設計を考えると有効的な手段です。しかし、自己破産の手続きにより借金の返済がなくなると一時的には生活に余裕が出てくるかもしれませんが、毎月の収支の見直しを疎かにすると、また借金をしてしまうというケースもよく耳にします。
債務整理には自己破産以外にも、任意整理や個人再生などの方法もあります。
ご自身の毎月の収支状況をよく検討することで、借金をこのまま支払っていけない時に選択する手段として、自己破産しかないのか、それとも減額すれば支払っていける任意整理や個人再生の手続きなのか考える機会にもなるでしょう。
借金の返済でのお困りごとがあれば、当事務所にご相談ください。一緒に解決できるようサポートしていきます。