このページの目次
遺言執行者の必要性
遺言執行者が定められていない遺言ももちろん有効であり、その場合には、相続人全員で協力して遺言の内容を実現していくことになります。
とはいえ、相続人が複数いる場合、作成する書類の収集や署名押印手続きなど全員の関与が必要となり何かと頻雑になりがちです。
遺言執行者の指定があれば執行者が相続人の代表者として一人で手続きを進められるので手間が省けますし、時間の短縮にもなります。
よって、相続人が相続手続きを円滑に行うことが難しい場合には、遺言執行者を指定しておいた方が良いでしょう。
その他にも、遺言執行者の重要性としては、不動産の登記を遺贈するケースです。
遺言執行者が指定されていれば、その人だけが登記義務者となって、受遺者と共同で登記を申請することが可能です。しかし、もし遺言執行者が指定されていなければ、相続人全員が登記義務者となり、全員の印鑑証明書や署名捺印が必要となるため、相続人の中に1人でも登記への協力を拒否する人がいれば、手続きは滞ってしまうことになります。
遺言執行者が選任されるパターン
遺言執行者(遺言執行人)はいつでも誰でも選任できるわけではなく、3つの決まった指定方法で選任しなければなりません。
①遺言書で指定する
②第三者に遺言執行者を指定してもらうような遺言書を作成する
③遺言者死亡後に家庭裁判所にて遺言執行者を選任してもらう
一般的には、遺言執行者は公正証書で作成された遺言の中で指定されることが多いので、自筆証書遺言の場合に選任申立てを利用することが多いと思います。
遺言執行者を選任した方が、金融機関や証券会社、法務局といった手続きがスムーズにいくことが多いので、遺言執行者不在の自筆証書遺言の場合には、家庭裁判所の選任申立てを検討される方が多いでしょう。
遺言執行者の選任申立手続きの流れ
申立人
- 利害関係人(相続人、受遺者、遺言者の債権者など)
申立先
- 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
費用
- 収入印紙800円
- 郵券(家庭裁判所によるがだいたい2000円程度)
申立に必要な書類
- 遺言執行者選任申立書
- 遺言執行者の死亡の記載のある除籍謄本
- 遺言書のコピー
- 利害関係を証明する資料
遺言執行者と司法書士
司法書士は家庭裁判所に提出する書類の作成ができるので、遺言執行者選任申立書類の作成をご依頼頂くことも可能です。
また、遺言書で遺言執行者が指定されていない場合、司法書士を遺言執行者の候補者として、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることもできます。
遺言執行者の選任手続き方法や候補者などでお困りのことがあれば、当事務所にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料で承っております。