こんな時は家族信託―直系の子供に代々財産を引き継がすことができるか不安

相談の概要

  • 曾祖父の代から自宅の一部で商売を営んでいるAさん(65歳)にはまだ子供がいない長男Bさん(30歳)と既に子供がいる次男Cさん(28歳)がいます。
  • Aさんは代々受け継いできた自宅不動産を商売道具などは自分の直系の子供たちに引き継がせたいと考えています。
  • 長男であるBさんも父の意思を引き継いで、自宅で商売を続けたいと考えていますが、もしBさん夫婦に子供ができなかった場合、将来的にBさんの妻の親族にまで家業に関わる財産が渡るのではないかとAさんは懸念しています。

 

家族信託を使わない対策だと

Aさんが遺言書で「財産を長男Bさんに相続させる」旨の指定はできます。

ただし、遺言で指定できるのは自分の次の代までで、それ以降の指定はできません。長男Bさんが新たに遺言書を作成して、長男Bさん死亡後の財産の指定をすることもできますが、遺留分減殺請求の対象となります。

 

家族信託を利用した提案

  1. Aさんと長男Bさんとの間で自宅及び商売関係の財産に関する信託財産について、委託者兼受益者をAさん、受託者を長男Bさんとする家族信託契約を締結。
  2. 受益権について、Aさんの死亡後は長男Bさんに、Bさん死亡後は「もし子供がいれば子供、いなければ次男であるCさんの子供」に引き継ぐように条件を決めておく。

 

家族信託を利用するメリット

  1. このままの状態で何も対策を講じないと、Aさんの死亡によって、全財産が遺産分割の対象となり、長男Bさんに子供がいないまま死亡した場合、長男Bさんの妻と次男Cさんが相続人となります。
    長男Bさんの妻に渡った財産は、妻の相続時には妻の親族に相続されてしまいます。
  2. 上記内容の家族信託契約を締結しておくことにより、Aさんが代々引き継いできた大切な財産を、長男Bさんを経由して、状況によってBさんの子供または次男であるCさんの子供という直系血族に引き継がれ、配偶者側に流れる心配はなくなります。

直系の子供に代々財産を引き継がすことができるか不安

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