株式会社を作りたい!
株式会社という法人を設立するには、法律の規定にそって手続きを進め、「設立登記」という登記をすることが必要です。
この「設立登記の提出日」=「会社の誕生の日」なのです。
では、実際に会社の誕生までにどのような手続きが必要なのか、株式会社の設立について説明していきます。
このページの目次
■会社設立手続きの流れ
株式会社の設立は、通常、下記の流れでなされます。
Step1:発起人による定款の作成
Step2:公証役場での定款の認証
Step3:出資金の払い込み
Step4:法務局への設立登記申請
登記の完了・納品
Step1:定款の作成
どのような会社にするのかを決定するために、会社の名前、事業内容、本店所在地、目的、役員などの基本事項を記載したものが定款となります。
定款は発起人(会社設立の手続きをする者)が作成するもので、決めておかなければならない事項として
以下のものがあります。
- 商号
- 目的
- 本店所在地
- 発起人(出資者)
- 資本金の額
- 株式譲渡制限の有無
- 事業年度
- 発行株式数
- 役員 など
Step2:定款の認証
定款の作成が終わったら、公証役場に行き、定款が正式な手続きで作成されたものであることを認証してもらいます。
Step3:出資金の払い込み
定款の認証が完了後、出資者全員が基本的に出資者の中の一人の預金口座に出資金を払い込みします。
払い込みした金額の全部または一部が資本金となります。
Step4:法務局への設立登記申請
出資金の払い込みも終わり、その他登記に必要な書類が揃いましたら法務局へ登記書類を提出します。
登記申請の完了自体が、申請日から起算して1週間程度はかかりますので、専門家への依頼の場合、初回お打合せから登記完了後お客様へ各種書類がお手元に届くまでに、3~4週間程はかかります。(特段お急ぎの場合は、ご相談ください)
会社の運営上、ゆとりをもって設立準備をされる事をお勧めいたします。
なお、実際の会社の運営には、設立登記後、下記の4つの届出が必要となりますのでご参考下さい。
- 税務に関して税務署に届出をする
- 地方税に関して都道府県/市区町村に届出をする
- 労働保険に関して労働基準監督署とハローワークに届出をする
- 社会保険に関して年金事務所に届出をする
また、会社の銀行口座の開設手続きも、設立登記の完了後に会社謄本を持参してすることになりますので、登記完了後の手続きにも注意しましょう。
株式会社設立登記の必要書類について
司法書士へ依頼される場合は、赤字の書類のみ準備すれば足ります。
Step2:定款認証での必要書類
⬜︎1.発起人全員の印鑑証明書(取得後3ヶ月以内) 各1通
⬜︎2.定款
⬜︎3.定款認証委任状(司法書士に認証代理を依頼する場合)
Step4:登記申請必要書類
⬜︎1.設立登記申請書
⬜︎2.印鑑証明書(取得後3ヶ月以内) 各1通
【取締役会設置会社・委員会設置会社の場合】⇒ 代表取締役のみ
【上記以外の場合(例:取締役1人の会社)】⇒ 取締役全員
⬜︎3.本人確認証明書⇒ 原則役員全員 各1通
例外、上記印鑑証明書を提出した役員については省略可。
「本人確認証明書」の例
- 住民票記載事項証明書(住民票の写し)個人番号が記載されていないもの
- 住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
- 運転免許証等のコピー※
(※ 裏面もコピーし,本人が「原本と相違がない。」と記載して,記名押印) - マイナンバーカードの表面のコピー※※
(※※ 表面(氏名,住所,生年月日及び性別が記載されている面)のみをコピーし,原本と相違がない。」旨記載して,記名押印)
⬜︎4.定款
⬜︎5.発起人会議事録
⬜︎6.役員全員の就任承諾書
⬜︎7.出資金の払い込みを証する書面
⇒出資金振込通帳のコピー等
⬜︎8.登記申請委任状(司法書士に登記申請を依頼する場合)
⬜︎9.印鑑届出書
⬜︎10.印鑑カード交付申請書
⬜︎11.会社実印
⬜︎12.個人実印
【取締役会設置会社・委員会設置会社の場合】⇒ 代表取締役のみ
【上記以外の場合(例:取締役1人の会社)】⇒ 取締役全員
株式会社の設立登記は司法書士へご依頼ください
会社の設立登記をご自身ですることも、もちろんできます。
昨今、インターネットのサイトより定款(案)を入手することも容易でしょう。
ただ、定款はこれからご自身が運営されていく大切な会社の「根幹」となるものです。どの会社にも当てはまる「凡庸」な定款など存在しないのです。
定款には、会社法に定められた規律に基づき、自身の会社にあった機関設計の選択をし、重要な株式についての種類・取得制限事項の規定を定めるなど、専門的判断が必要となる条項が多数盛り込まれます。
とりあえず最初は費用を抑えたいからと、凡庸の定款案でご自身で会社を設立させてしまい、後から会社の機関設計を変更するとなると、その変更登記費用だけで(例えば、取締役会設置会社・監査役設置会社として設立したが、のちに取締役会非設置会社・監査役非設置会社に変更す場合)最低でも7万円の税金がかかってきてしまいます。また、費用の面だけでなく、実際に何らかの変更をするには、都度、役員ないし株主の総会決議が必要となり、ご自身以外に役員がいた場合には、合意が整わなければいけません。設立時にきちんと考えて機関設計や、株式制限をかけておかないとご自身の会社が乗っ取られる恐れもあるのです。
せっかく会社を立ち上げるのですから、将来的にも創立者のご自身にとって安心して経営ができるように、専門家のアドバイスをうけて設立登記されることをお勧めします。
また、専門家に依頼すると、その費用が気になるところですが、当事務所では定款認証を電子認証で行います。
すなわち、認証手続きにおける印紙代4万円が不要になるのです(ご自身で定款認証される場合には、紙認証となりますので、印紙代4万円が必要となります)。
よって、司法書士報酬が仮に8万円前後だったとしても、ご自身でする場合との差額は4万円程度になります。
4万円で、的確なアドバイスも受けれて、面倒な設立手続きを、すべて司法書士に任せることで、依頼者の方の手間を省くことができるのです。
会社設立の手続きは、税理士が代行していることも多いですが、税理士には定款認証ができないので印紙代4万円はかかってきてしまいます。また、税理士には登記申請の代理権はありませんので、法務局への登記申請手続き自体は、ご自身でする必要があります。
一方司法書士でしたら、電子定款による定款認証から登記申請まで、全て司法書士にて代理して行えますので、ご本人の関与は全く必要ありません。
設立をお考えでしたら、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。