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任意後見契約書の作成ガイド|必要書類・費用・文例と注意点

2026-03-06

任意後見契約書の作成は「5つのステップ」で進めよう

「そろそろ親の将来のために、あるいは自分の老後に備えて任意後見契約を考えたいけれど、何から手をつけていいのかさっぱり…」
そんな風に、漠然とした不安を感じていらっしゃいませんか?ご安心ください。任意後見契約書の作成は、決して複雑怪奇な手続きではありません。全体像を把握し、一つひとつの手順を丁寧に進めていけば、ご自身の希望を形にしやすくなります。

この記事では、任意後見契約書の作成を具体的で分かりやすい「5つのステップ」に分解して、司法書士が丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、手続きの全体像がクリアになり、「これなら自分でも進められそうだ」という安心感を持っていただけるはずです。

任意後見制度の全体像については、任意後見契約とは?メリット・デメリットと後見制度の違いで体系的に解説しています。

ステップ1:誰に、何を任せるか決める(契約内容の検討)

契約書作成の第一歩は、最も大切な「契約の核」を決めることです。具体的には、以下の2点をじっくりと考えましょう。

  • 誰を後見人にするか(任意後見受任者の選定)
    あなたの将来を託すパートナーです。配偶者やお子さんなど、ご家族に依頼するケースが多いですが、信頼できる友人や、私達のような司法書士などの専門家を選ぶこともできます。選ぶ際には、信頼できることはもちろん、年齢や健康状態、お金の管理能力なども考慮して、長期的にあなたのサポートを任せられる相手かどうかを慎重に判断しましょう。家族が後見人になる場合にも、特有の注意点があります。
  • どのような権限を任せるか(代理権の範囲)
    任意後見人にお願いできることは、大きく「財産管理」と「身上監護」の2つに分けられます。例えば、以下のような事柄です。
    • 財産管理の例:預貯金の管理・払い戻し、不動産の管理・処分、年金の受領、公共料金の支払いなど
    • 身上監護の例:介護サービスの利用契約、入院手続き、要介護認定の申請、住居の確保など
    ご自身の生活や希望に合わせて、具体的に何を任せたいのかをリストアップしてみましょう。

ステップ2:契約書の内容を文章にする(契約書原案の作成)

ステップ1で決めた内容を、実際の契約書の形に落とし込んでいきます。この段階では、法的に完璧な文章を目指す必要はありません。まずは「下書き」を作るくらいの気持ちで、ご自身の希望を書き出してみることが大切です。

「どんなことを書けばいいの?」と迷われるかもしれませんが、心配はいりません。後の章で具体的な文例をご紹介しますので、そちらを参考にしながら、まずはご自身の言葉で希望をまとめてみましょう。この原案が、後の手続きの土台となります。

ステップ3:必要な書類を集める

契約書の原案ができたら、次は公証役場での手続きに必要な書類を準備します。具体的には、以下のような書類が必要です。

  • ご本人(お願いする側):印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票など
  • 後見人になる方(お願いされる側):印鑑登録証明書、住民票など

注意したいのは、これらの書類の多くに「発行から3ヶ月以内」といった有効期限が定められている点です。手続きの直前になって慌てないよう、早めに準備を始めることをおすすめします。詳しい必要書類の一覧は、後の章で詳しく解説します。

ステップ4:公証役場で公正証書にする

ここが非常に重要なポイントです。任意後見契約は、法律によって「公正証書」という公的な文書で作成することが義務付けられています。自分で作成した契約書に署名・押印しただけでは、法的な効力は認められません。

事前に公証役場へ予約を取り、作成した契約書の原案と集めた書類を持参して、公証人と打ち合わせを行います。公証人は法律の専門家として、契約内容が法的に問題ないか、ご本人の意思が正しく反映されているかを確認してくれます。最終的に、公証人の面前で本人と後見人になる人が署名・押印をすることで、効力のある公正証書が完成します。

ステップ5:契約内容が法務局に登記される

公正証書が作成されると、手続きはそれで終わりではありません。公証人が法務局へ契約内容を登録する手続き(嘱託登記)を行います。この登記によって、任意後見契約が公的に登録されます。なお、任意後見契約は、家庭裁判所で任意後見監督人が選任された時から効力が生じ、以後、任意後見人は契約で定めた範囲で代理権を行使できるようになります。

この登記手続きは公証人が行ってくれるため、ご自身で何かをする必要はありません。このステップで、任意後見契約(公正証書作成と契約内容の登記)までは完了します。実際に任意後見を開始するには、将来、ご本人の判断能力が不十分になった段階で家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てを行い、監督人が選任される必要があります。

任意後見契約書作成の5つのステップを示したフローチャート。契約内容の検討から法務局への登記までの流れが図解されている。

【一覧】任意後見契約書の作成に必要な書類

それでは、具体的にどのような書類を集めればよいのか、チェックリスト形式で見ていきましょう。誰がどの書類を用意するのかを明確にすることで、スムーズに準備を進めることができます。

本人(お願いする側)が用意する書類

  • 印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のものが必要です。
  • 実印:印鑑登録証明書と同じ印鑑です。公正証書作成時に使用します。
  • 戸籍謄本:発行から3ヶ月以内のものが必要です。本籍地の市区町村役場で取得します。
  • 住民票:発行から3ヶ月以内のものが必要です。住所地の市区町村役場で取得します。
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きの公的な身分証明書です。

任意後見人になる人(お願いされる側)が用意する書類

  • 印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のものが必要です。
  • 実印:印鑑登録証明書と同じ印鑑です。
  • 住民票:発行から3ヶ月以内のものが必要です。
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど。

もし任意後見人になるのが法人(社会福祉法人など)の場合は、個人の場合と必要書類が異なります。「法人の登記事項証明書(代表者事項証明書)」や「法人の代表者の印鑑証明書」などが必要になりますので、事前に公証役場へ確認しておくと安心です。

より詳しい手続きの流れや費用については、以下の厚生労働省のページも参考になります。
参照:任意後見制度とは(手続の流れ、費用)

任意後見契約書の作成費用は2種類|相場を徹底解説

任意後見契約を結ぶにあたって、やはり気になるのが費用面ですよね。かかる費用は大きく分けて、「公証役場でかかる実費」と「専門家に依頼する場合の報酬」の2種類があります。それぞれどのくらいかかるのか、相場を見ていきましょう。

①公証役場でかかる実費

これは、ご自身で手続きをする場合でも、専門家に依頼する場合でも、必ず必要になる費用です。最低限以下の費用がかかってきます。

  • 公正証書作成の基本手数料:13,000円
  • 登記嘱託手数料:1,600円
  • 法務局に納める印紙代:2,600円
  • その他費用:公正証書の謄本代(1枚300円)、本人や後見人に書類を送るための郵送費など

なお、基本手数料・登記関係費用は定額ですが、その他費用はケースにより変動します。

②専門家(司法書士など)に依頼する場合の報酬

契約内容の相談から、契約書原案の作成、公証役場との打ち合わせ、必要書類の収集代行まで、一連の手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合にかかる費用です。

当事務所の料金表にも記載しておりますが、一般的な報酬の相場は10万円~15万円程度です。この費用には、以下のようなサポートが含まれていることが一般的です。

  • ご本人の希望や状況のヒアリング、法的なアドバイス
  • 契約書原案の作成・修正
  • 公証役場との事前打ち合わせや日程調整
  • 必要書類の収集代行(戸籍謄本など)
  • 公正証書作成当日の同行

報酬額は、契約内容の複雑さや財産の状況、依頼する事務所によって変動します。後々のトラブルを防ぎ、ご自身の希望をより適切に反映するための「安心料」と考えることもできるでしょう。相談の際には、必ず事前に見積もりを取り、サービス内容と費用の内訳をしっかりと確認することが大切です。

【文例付】任意後見契約書の書き方と失敗しないための注意点

ここからは、いよいよ契約書作成の核心部分である「書き方」と「注意点」について、具体的な文例を交えながら解説していきます。ご自身の希望にぴったり合った、法的に有効な契約書を作成するためのポイントを一緒に確認していきましょう。

基本構成:契約書に盛り込むべき必須6項目

任意後見契約書には、最低限以下の6つの項目を盛り込む必要があります。これらの項目が契約の骨格となります。

  1. 契約の目的:なぜこの契約を結ぶのか、という意思を明確にします。
  2. 任意後見事務の範囲(代理権目録):後見人に何を任せるのかを具体的に定めます。最も重要な部分です。
  3. 任意後見人の報酬:後見人への報酬を支払うか、支払う場合は金額や支払い方法を定めます。
  4. 契約の発効時期:いつから契約の効力を発生させるかを定めます。
  5. 費用の負担:後見人が事務を行う上でかかった費用(交通費や通信費など)を誰が負担するかを定めます。
  6. 報告義務:後見人が定期的に財産の状況などを報告する義務について定めます。

これらの基本項目を押さえることで、契約書の全体像を構造的に理解することができます。

契約の3類型と文例|あなたに合うのはどのタイプ?

任意後見契約は、契約を結んでから効力が発生するまでのタイミングによって、主に3つのタイプに分けられます。ご自身の状況に合わせて、最適なタイプを選びましょう。

①将来型

特徴:

今は心身ともに健康で判断能力に問題はないが、将来、判断能力が低下したときに備えて契約しておくタイプです。最も一般的な契約形態です。

こんな方におすすめ:

「将来の認知症が心配」「今は元気だけど、万が一に備えておきたい」という方。

文例(契約の目的):

「第1条 委任者(甲)は、受任者(乙)に対し、甲の判断能力が不十分になった場合における、甲の財産管理および身上監護に関する事務を委任し、乙はこれを受任する。」

②移行型

特徴:

契約締結後すぐに、まず財産管理委任を開始し、将来判断能力が低下した際には任意後見契約へスムーズに移行するタイプです。

こんな方におすすめ:

「最近、銀行に行くのが億劫になってきた」「体の自由がきかなくなり、お金の管理に不安を感じ始めた」という方。

文例(契約の目的):

「第1条 本契約は、第1に甲の判断能力が正常な場合における財産管理等を乙に委任する財産管理委任契約とし、第2に甲の判断能力が不十分になった場合における任意後見契約とする。」

③即効型

特徴:

すでに判断能力が低下し始めている状況で契約を結び、すぐに家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てを行うタイプです。契約後、速やかに後見を開始します。

こんな方におすすめ:

すでに軽度の認知症の診断を受けているなど、早急に支援が必要な方。

文例(契約の目的):

「第1条 委任者(甲)は、受任者(乙)に対し、本契約締結後、甲の財産管理および身上監護に関する事務を委任し、乙はこれを受任する。乙は、本契約締結後、速やかに家庭裁判所に対し任意後見監督人選任の申立てをするものとする。」

【最重要】代理権目録で失敗しないための3つのポイント

契約書の中でも、最もトラブルになりやすく、専門家の腕の見せ所となるのが「代理権目録」です。これは、後見人に具体的にどのような権限を与えるかをリスト化したもので、ここの書き方を誤ると、いざという時に後見人が何もできなくなってしまう危険性があります。失敗しないためのポイントは以下の3つです。

  1. 具体的かつ明確に記載する
    「預貯金の管理」と書くだけでは不十分です。「甲名義の全ての預貯金(普通・定期・当座等)に関する契約の締結、管理、解約、払戻しの請求及び受領に関する一切の件」のように、金融機関が手続きに応じられるレベルまで具体的に記載する必要があります。
  2. 「その他一切の権限」は避ける
    包括的な権限を与える「白紙委任状」のような書き方は、後見人が本当にその権限を持っているのか第三者が判断できず、無効とされてしまう可能性があります。面倒でも、任せたい権限は一つひとつ丁寧にリストアップしましょう。
  3. 将来必要になりそうな手続きを予測して盛り込む
    今は必要なくても、将来的に老人ホームへの入所や不動産の売却が必要になるかもしれません。将来のライフプランを予測し、必要となりうる権限(例:「不動産の売却及びその登記申請に関する一切の件」など)をあらかじめ盛り込んでおくことが、契約を長く機能させるコツです。

代理権目録の設計は、まさに任意後見契約の心臓部。ご自身の希望を叶え、将来の安心を確実なものにするためにも、専門家と相談しながら慎重に作成することをおすすめします。

契約書作成後の保管方法と見直しの重要性

公正証書が完成すると、原本は公証役場に保管され、本人と任意後見人には「正本」または「謄本」が交付されます。これらは非常に重要な書類ですので、紛失しないよう大切に保管してください。

また、一度契約を結んでも、それで終わりではありません。後見人をお願いした方の健康状態が変わったり、ご自身の気持ちに変化があったりすることもあるでしょう。任意後見契約は、ご本人の判断能力がある限り、いつでも内容を見直したり、契約を解除したりすることが可能です。定期的に契約内容を見直し、常に現状に合ったものにしておくことが大切です。

任意後見契約の3つの類型(将来型、移行型、即効型)の特徴と、それぞれがどのような人におすすめかを図解した比較表。

契約書作成、自分でやる?専門家に頼む?メリット・デメリットを比較

ここまで読んで、「手続きの流れは分かったけれど、果たして自分でやるべきか、専門家に頼むべきか…」と迷われている方もいらっしゃるかもしれません。最後に、それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身にとって最適な選択ができるよう、判断材料を提供します。

自分で作成する場合のメリット・デメリット

メリット

・費用を安く抑えられる:

最大のメリットは、専門家への報酬がかからない点です。公証役場に支払う実費(約2万円)のみで手続きを完了できます。

デメリット

・法的に不備のある契約書になるリスク:

特に「代理権目録」の記載が不十分だと、いざという時に金融機関などで手続きを断られ、契約が機能しない危険性があります。

・時間と手間がかかる:

契約書の原案作成から、必要書類の収集、公証役場との打ち合わせまで、すべて自分で行う必要があります。平日に役所や公証役場へ足を運ぶ時間も確保しなければなりません。

専門家に依頼する場合のメリット・デメリット

メリット

・法的に万全な契約書を作成できる安心感:

専門家がご本人の希望を丁寧にヒアリングし、将来起こりうる事態も想定した上で、法的に有効で実用的な契約書を作成してくれます。

・面倒な手続きを任せられる:

書類の収集や公証役場との煩雑なやり取りをすべて代行してもらえるため、時間と手間を大幅に削減できます。

デメリット

・報酬がかかる:

当然ながら、専門家への報酬が必要になります。しかし、これは将来のトラブルを未然に防ぎ、大切な財産と生活を守るための「保険」と考えることもできます。

任意後見契約書の作成は司法書士への相談がおすすめ

任意後見契約は、あなたの「もしも」の時に、あなたの意思を尊重し、財産と尊厳を守ってくれる、とても大切な「お守り」です。だからこそ、その作成には専門的な知識と細心の注意が求められます。

私たち司法書士は、単に書類を作成するだけの専門家ではありません。お客様一人ひとりの人生に寄り添い、どのような将来を望んでいらっしゃるのかを丁寧にお伺いした上で、最適な契約内容をご提案します。

また、任意後見契約は、不動産の手続きや相続まで見据えた、長期的で包括的な視点からのアドバイスができるのが強みです。当事務所には、女性司法書士も在籍しており、女性ならではの視点で親身にご相談をお受けすることも可能です。

「まずは話だけでも聞いてみたい」「自分の場合はどうすればいい?」など、少しでもご不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。あなたの大切な未来を守るためのお手伝いができることを、心より願っております。

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成年後見制度の改正点を解説|2026年以降の影響と備え

2026-02-19

なぜ今?成年後見制度が約25年ぶりに大改正される背景

ご自身の親御さんのこと、あるいはご自身の将来を考えたとき、「成年後見制度」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、多くの方が「手続きが複雑そう」「一度利用するとやめられないらしい」「費用がかかり続けるのでは?」といった、漠然とした不安や使いにくさを感じているのではないでしょうか。

実は、その感覚は決して間違いではありません。2000年にスタートした現行の成年後見制度は、高齢化社会を支える重要な仕組みでありながら、利用者の視点からはいくつかの大きな課題を抱えていました。そして今、その課題を乗り越えるため、約25年ぶりとなる大規模な法改正が目前に迫っています。

この改正は、単なる制度のマイナーチェンジではありません。これまで多くの方が感じていた「使いにくさ」の根本原因にメスを入れ、本人の意思を最大限尊重する「オーダーメイド型」の支援へと生まれ変わろうとする、大きな思想転換なのです。

まずは、なぜ制度が大きく変わらなければならなかったのか、その背景にある3つの課題から見ていきましょう。

課題①:一度始まったら終わらない「終身利用」の原則

現行制度の最も大きな課題の一つが、原則として「一度開始すると、ご本人が亡くなるまで終わらない」という終身利用の仕組みです。

例えば、「認知症の親が持つ不動産を売却して、介護施設の入居費用に充てたい」という目的で後見制度を利用したとします。無事に不動産を売却し、目的を達成した後も後見人の役割は終わりません。ご本人が亡くなるまで、財産管理は続き、専門家が後見人であればその報酬も継続的に発生します。

「遺産分割のためだけだったのに…」と思っていても、後見は続いてしまう。この硬直的な仕組みが、利用者やご家族にとって精神的にも経済的にも大きな負担となり、制度利用をためらわせる一因となっていました。

課題②:家族が後見人になりたいのに、なれない現実

「親のことは、一番よく分かっている自分たち家族が見てあげたい」そう考えるのは自然なことです。しかし、実際には家族が後見人に選ばれるケースは年々減少しています。

最高裁判所の統計によれば、成年後見人に選任されるのは弁護士や司法書士などの専門職が約8割を占め、親族が選ばれる割合は2割にも満たないのが現状です。

なぜ、家庭裁判所は親族の選任に慎重なのでしょうか。その背景には、管理する財産が多額で複雑化していることや、他の親族との間で意見が対立するリスク、そして残念ながら後見人による財産の使い込みといった不正を防ぐ目的があります。

家族の想いと、ご本人の財産を確実に守ろうとする司法実務との間に大きなギャップが生まれてしまっているのです。その結果、家族が後見人になるには、いくつかのハードルが存在するのが実情です。

(参照:最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」

課題③:広すぎる権限と、本人の意思が尊重されにくい仕組み

現行の制度には、判断能力の低下レベルに応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があります。このうち、最も利用者の多い「後見」では、後見人に非常に広範な代理権(財産を管理・処分する権限)が与えられる一方で、ご本人の法律行為(契約など)は日常生活に関するものを除き、取り消しの対象となってしまいます。

これは、ご本人を不利益な契約などから守るための仕組みではありますが、裏を返せば「本人の財産なのに自由に使えない」「自己決定権が大きく損なわれる」という批判にもつながっていました。

実際、この点は国連障害者権利委員会の総括所見において、日本に対し、成年後見制度を含む代行意思決定の枠組みを見直し、本人の意思と選好を尊重する「支援付き意思決定」へ移行することなどが求められており、今回の見直し議論が国際的な人権基準(障害者権利条約)の要請を踏まえる側面もあります。

【2026年改正】成年後見制度はどう変わる?5つの重要ポイント

それでは、これらの課題を踏まえ、新しい成年後見制度は具体的にどのように変わるのでしょうか。2026年1月に法制審議会が取りまとめた要綱案を基に、特に重要な5つのポイントを分かりやすく解説します。この変更は、私たちの未来の選択肢を大きく広げる可能性を秘めています。

(参照:法務省「法制審議会-民法(成年後見等関係)部会」

①「終身制」を廃止。必要な期間だけの利用が可能に

改正の最大の目玉は、これまで課題だった「終身制」の見直しです。新しい制度では、家庭裁判所の判断によって、必要性がなくなった場合には制度利用を途中で終了できる仕組みが検討されています。

例えば、先ほど挙げた「不動産の売却が終わったら」「遺産分割協議が完了したら」といったように、特定の目的が達成された時点で支援を終えることができるようになるのです。

これにより、制度利用の心理的・経済的なハードルが大きく下がり、「必要な時に、必要な期間だけ」という、より柔軟な利用が期待されます。

②「後見・保佐・補助」の3類型を「補助」に一本化

これまで判断能力のレベルで分けられていた「後見」「保佐」「補助」の3つの類型が廃止され、最も柔軟な「補助」に一本化されます。

これは単なる名称の変更ではありません。これまでは「後見だから、ここまでできる/できない」と画一的に決められていた支援の範囲が、これからはご本人の状態や希望に応じて、必要な支援内容を個別に設計する「オーダーメイド方式」へと大きく転換することを意味します。

この変更の根底には、「本人の残された能力を最大限に活かし、自己決定権を尊重する」という、改正の最も大切な理念があります。

成年後見制度の改正による3類型から補助への一本化を比較する図解

③代理権や取消権の範囲を個別に設定できるように

類型が一本化されることに伴い、支援者(新制度では「補助人」)が持つ権限も、一人ひとりの事情に合わせて柔軟に設定できるようになります。

例えば、「預貯金の管理と介護サービス契約に関する代理権は必要だけど、それ以外のことは自分で決めたい」といったご本人の希望に合わせて、必要な権限だけをピンポイントで付与することが可能になります。

これにより、以前の「後見」類型のように、包括的な代理権によって本人の行為能力が過度に制限される事態を避けることができるようになります。

④後見人(補助人)の交代がしやすくなる

現行制度では、一度選任された後見人を交代させることは簡単ではありませんでした。新しい制度では、本人の利益やニーズの変化に応じて、補助人の交代がより柔軟に行えるようになります。

「補助人と本人の相性がどうしても合わない」「本人の心身の状態が変化し、より専門的な知識を持つ支援が必要になった」といったケースで、交代が検討しやすくなります。これにより、常に本人にとって最適な支援体制を維持することが期待されます。

より具体的な後見人の交代手続きについては、こちらの記事もご参照ください。

⑤いつから始まる?今後のスケジュール

皆さんが最も気になるのは、この新しい制度がいつから始まるのか、という点でしょう。

現時点での見込みでは、2026年の通常国会に改正法案が提出される予定です。法案が成立した後、国民への周知期間などを経て施行されることになりますが、具体的な施行時期はまだ決まっていません。

今後も最新の情報を注視していく必要がありますが、大きな方向性は固まりつつあります。大切なのは、この変化を見据えて、今から準備を始めることです。

【テーマ別】法改正で私たちの生活はどう変わる?

制度の概要は分かったけれど、「じゃあ、具体的に私たちの生活はどう変わるの?」という疑問が湧いてきますよね。ここでは、特にご相談の多い3つのテーマについて、Q&A形式で解説していきます。

Q1. 家族が後見人になりやすくなりますか?

A. はい、これまでよりもハードルは下がると考えられます。

新しい制度では、「不動産売却の手続きだけ」といったように、支援する期間や権限の範囲を限定できるようになります。これにより、これまで「生涯にわたって責任を負うのは重すぎる」と感じていたご家族も、特定の目的のためであれば補助人を引き受けやすくなる可能性があります。

ただし、もちろん財産を管理する責任がなくなるわけではありません。家庭裁判所の監督下で適切に事務を行う必要があり、他の親族との意見調整も依然として重要です。とはいえ、家族が後見人(補助人)になるという選択肢は、これまでより現実的なものになると言えるでしょう。

Q2. ネット銀行やSNSなどのデジタル財産はどうなりますか?

A. より積極的な事前の対策が重要になります。

ネット銀行の口座、株式のオンライン取引、SNSアカウント、サブスクリプションサービスなど、私たちの財産や生活は急速にデジタル化しています。しかし、これらのデジタル財産は、IDやパスワードが分からなければ家族であってもアクセスが困難です。

今回の改正要綱案でデジタル財産について直接的な規定が盛り込まれるかはまだ不透明ですが、新制度の「オーダーメイド方式」はこの問題に対応する上で非常に重要です。補助人の権限を決める際に、「〇〇銀行のインターネットバンキング取引に関する代理権」「〇〇サービスの解約に関する代理権」といった具体的な権限を盛り込むことで、スムーズな管理が期待できます。

そのためにも、ご本人が元気なうちに、任意後見契約や遺言、エンディングノートなどでデジタル財産の一覧と管理方法についての意思を明確に残しておくことが、これまで以上に重要になります。

Q3. 専門家への報酬・費用は安くなりますか?

A. トータルコストを抑えられるケースが増えると考えられます。

司法書士などの専門家が後見人(補助人)に就任した場合、家庭裁判所が定める報酬を支払う必要があります。現行の終身制では、この費用が生涯にわたって続くことが大きな負担でした。

新しい制度では「必要な期間だけの利用」が可能になるため、例えば「不動産売却のための3ヶ月間だけ」といった短期利用であれば、生涯にわたって報酬が発生し続ける状況は避けられる可能性があり、結果として総費用を抑えられる場合があります。

ただし、報酬の算定基準自体が大きく見直されるかはまだ未定です。個別の状況によって費用は異なりますので、過度な期待は禁物ですが、これまで費用面で利用をためらっていた方にとっては、朗報と言えるでしょう。

司法書士に成年後見制度について相談し、安心した表情を浮かべる夫婦

法改正を見据え、いま私たちが準備できること

法改正はまだ少し先ですが、ただ待っているだけではいけません。ご自身の、そしてご家族の未来を守るために、今から主体的に準備できることがあります。ここでは、専門家としてぜひ検討していただきたい2つの方法と、最も大切な心構えについてお伝えします。

判断能力が十分なうちに「任意後見契約」を検討する

今回の法改正で法定後見制度は使いやすくなりますが、それでもなお、ご自身の意思を最も確実に未来へ反映できる方法は「任意後見契約です。

任意後見契約とは、ご自身が元気なうちに、将来判断能力が低下した際に備えて、支援してもらう人(任意後見人)と支援内容をあらかじめ契約で決めておく制度です。家庭裁判所が後見人を選ぶ法定後見とは異なり、信頼できる家族や専門家を自分で指名し、「どんな支援をしてほしいか」を具体的に契約書に盛り込むことができます。

特に、先ほど触れたデジタル財産の管理や、希望する介護・医療の方針など、細やかな希望を反映させるには最適です。将来の法制度がどう変わっても対応できる、最も確実な備えと言えるでしょう。

柔軟な財産管理なら「家族信託」も有効な選択肢

主に財産の管理や承継に重点を置きたい場合、「家族信託」も非常に有効な選択肢です。信頼できる家族に財産を託し、あらかじめ決めた目的に沿って管理・運用してもらう仕組みです。

成年後見制度のように家庭裁判所の監督を受けず、契約内容次第では専門家への継続的な報酬負担を抑えられる場合もあるため、より柔軟で自由度の高い財産管理が可能になることがあります。例えば、不動産の建て替えや積極的な資産活用なども、信託契約の内容次第で実現できます。

ただし、家族信託はあくまで財産管理の仕組みであり、介護施設の契約といった「身上監護」はできません。そのため、任意後見契約と家族信託を組み合わせることで、財産管理と身上監護の両面から、ご自身の希望を盤石に守る体制を築くことができます。

まずは専門家へ相談を。あなたの状況に合わせた最適な備えを

ここまで様々な情報をお伝えしてきましたが、最も大切なのは「一人で悩まないこと」です。

法改正の最新動向、ご本人の意思、ご家族の状況、財産の内容…考慮すべき点は多岐にわたり、最適な対策は百人百様です。ご自身で判断するのは非常に難しく、後見制度利用の手続きも複雑です。

私たち司法書士法人れみらい事務所では、お一人おひとりの状況を丁寧にお伺いし、新しい成年後見制度、任意後見、家族信託、遺言といった様々な選択肢の中から、あなたにとって本当に必要な、最適なプランをご提案します。漠然とした不安を、具体的な安心に変えるお手伝いをさせてください。

どうぞ、お気軽にご相談ください。

成年後見・家族信託の相談予約

不動産を売却するには後見人の許可が必要?~成年後見制度と不動産取引の注意点~

2025-10-08

高齢の親が認知症などで判断能力が低下した場合、本人の名義のままでは不動産を売却できません。このようなときに活用されるのが「成年後見制度」です。

しかし、後見人が就いても自由に不動産を売却できるわけではなく、居住用不動産の場合には、家庭裁判所の許可が必要になります。


✅ 後見人が不動産を売却できるのはどんなとき?

成年後見制度のもとで、後見人は本人(被後見人)の財産を管理します。

ただし、不動産の売却のように本人の生活や財産に大きな影響を与える行為には、居住用不動産の場合には家庭裁判所の許可が必要です。

主な売却目的の例:

  • 施設入所費用や介護費用を確保するため

  • 空き家となった自宅を処分して維持費を削減するため

  • 相続対策・遺産整理のため


✅ 家庭裁判所の許可が必要な理由

後見人は本人の利益を守る立場にあるため、

売却行為が「本人の利益になるか」を裁判所が審査します。

たとえ親族同士の取引でも、本人に不利益なおそれがある場合は認められません。


✅ 許可申立ての流れ

  1. 家庭裁判所に許可申立書を提出

  2. 売却理由や必要性、売却予定価格などを説明

  3. 裁判所が後見人や関係者に事情を確認

  4. 許可が下りた後に売買契約・登記を実施

申立ての際には、

  • 売却予定の不動産の登記事項証明書

  • 査定書や見積書

  • 資金計画書

    などの書類が必要になります。


✅ 後見人による不動産売却の注意点

  • 無断売却は無効(家庭裁判所の許可がないと登記できません)

  • 居住用不動産以外は、原則家庭裁判所の許可は不要ですが、後々トラブルにならない為にも事前相談はしておいた方がよい
  • 親族間売買は慎重に(利益相反に注意)

  • 売却後の資金管理も後見人の責任


✅ 専門家に相談するメリット

後見制度を利用して不動産を売却する場合、

法律・登記・裁判所申立ての手続きが複雑に絡みます。

司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、

書類の準備や申立てのサポートをスムーズに進めることができます。


✅ まとめ

成年後見人が本人名義の居住用不動産を売却するには、家庭裁判所の許可が必須 です。

後見制度の利用は「本人の財産を守るための仕組み」であり、適切に手続きを進めることが本人・家族の安心につながります。

👉 施設入所や介護費用のために不動産を売却したい

👉 後見制度を利用するか迷っている

👉 裁判所への申立て方法がわからない

このような場合は、当事務所までお早めにご相談ください。

任意後見契約とは?メリット・デメリットと後見制度の違い

2025-09-02

将来の認知症や判断能力の低下に備えて利用できる制度のひとつに 任意後見契約 があります。

「任意後見契約とはどのような制度なのか?」「成年後見制度との違いは?」「どんなメリット・デメリットがあるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、専門家の視点から 任意後見契約の基礎知識・メリット・デメリット・利用に向いている人 を詳しく解説します。


任意後見契約とは?

任意後見契約とは、将来判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ信頼できる人に財産管理や生活支援を任せておく契約です。

契約は公証役場で「公正証書」として作成し、法的に有効な形で残します。

成年後見制度との違い

  • 任意後見契約 … 判断能力があるうちに、自分の意思で後見人を選べる。

  • 法定後見制度 … すでに判断能力が低下してから、裁判所が後見人を選任する。


任意後見契約のメリット

  • 自分の意思で後見人を選べる(信頼できる家族・知人・専門家を指定できる)

  • 将来の生活設計を反映できる(財産管理や介護契約の方針を事前に決められる)

  • 家族の負担を軽減できる(手続きがスムーズになり、トラブル防止になる)

  • 安心して老後を迎えられる(認知症対策として有効)


任意後見契約のデメリット・注意点

  • すぐには効力が発生しない(家庭裁判所が後見監督人を選任してからスタート)

  • 医療行為の同意や遺言は代理できない

  • 費用がかかる(公正証書作成費用や後見監督人への報酬など)


任意後見契約が向いている方

  • 将来の認知症に備えて早めに準備しておきたい方

  • 信頼できる家族や知人に財産管理を任せたい方

  • 一人暮らしで老後に不安がある方

  • 成年後見制度よりも「自分の意思を反映させたい」と考えている方


まとめ

任意後見契約は、「自分の意思で将来の備えをしておける制度」 です。

メリット・デメリットを理解し、自分や家族の状況に合っているかどうかを検討することが大切です。

「任意後見契約をした方がいいか迷っている」「成年後見制度との違いを詳しく知りたい」という方は、ぜひ専門家へご相談ください。

将来に備える第一歩を一緒に考えてみませんか?

家族が後見人になるには?注意すべき点は?

2025-08-25

常日頃から一番近くで見ている家族が後見人になろうとするのは最も適しているケースであることは確かです。しかしながら、後見人になるという事は、信頼関係を前提にしながらも、法律上は**「家庭裁判所の監督下にある公的な立場」**になります。そのため、次のような注意点を知っておくことが大切です。また、家族が後見人になりたいと思っても最終的には家庭裁判所の判断となりますので、その点もご注意ください。


 家族が後見人になる際の注意点

1. 財産は本人のもの、後見人のものではない

  • 被後見人の預金・年金・不動産などはすべて「本人の財産」。

  • 後見人が勝手に使うことは横領にあたり、刑事責任を問われる場合もあります。

  • 家計とは完全に分けて管理し、本人名義の口座で入出金を管理することが重要です。


2. 家庭裁判所への報告義務

  • 1年に1回は「財産目録」「収支報告書」を家庭裁判所へ提出する必要があります。(報告を怠ると場合によっては、解任されることもあります)

  • 記録を残すために、領収書や通帳のコピーを日頃から保管することが必須です。


3. 大きな財産処分には裁判所の許可が必要

  • 自宅を売却する

  • 高額な保険解約や投資商品の解約

    などは、家庭裁判所の許可がないとできません。

    ➡「本人の利益にかなうか」が厳しく審査されます。


4. 親族間トラブルに巻き込まれることもある

  • 他の相続人・兄弟姉妹から「財産を勝手に使っているのでは?」と疑念を持たれる場合があります。

    ➡ 家族が後見人になるときは、透明性を重視することが特に大切です。


5. 身上監護の限界を理解する

  • 介護や身の回りの世話そのものを行うのではなく、契約や手続き面の支援が中心です。

  • 実際の介護はケアマネジャーや施設職員、介護サービスが担うため、役割を混同しないことが重要です。


6. 本人の意思を尊重する

  • 財産の使い方、生活の仕方などはできる限り被後見人の希望を尊重する必要があります。

  • 「安全のため」だけで制限しすぎると、家庭裁判所から指摘されることもあります。


家族が後見人に向いているケース

  • 家族関係が良好で信頼関係がある

  • 財産がシンプルで管理しやすい(預金中心、借金がないなど)

  • 他の親族からも合意が得られている


❌ 専門職後見人に任せた方がよいケース

  • 財産が多額で不動産や株式など複雑

  • 親族間に争いや不信感がある

  • 相続をめぐりトラブルになりそう

相続人に認知症の方がいる場合はどうする?~遺産分割の注意点~

2025-07-16

【相続コラム】相続人に認知症の方がいる場合はどうする?~遺産分割の注意点~

相続手続きは、一生のうちに何度も経験するものではありません。

だからこそ、いざというときに戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか?

「何から始めたらいいの?」

「認知症の相続人がいる場合はどうなるの?」

今回は、そんな不安にお応えすべく、司法書士の視点からわかりやすく解説します。


📌 相続手続きには全員の同意が必要です

🗂️ 遺言書がない場合、相続人全員で話し合って遺産を分ける「遺産分割協議」が必要になります。

⚠️ ここでポイントとなるのが、

相続人“全員”の同意がないと手続きが進まないという点です。

もし相続人の中に認知症などで意思表示ができない方がいると、

協議ができない=相続手続きが止まってしまうことになります。


🧓 認知症の方に代わって誰が手続きをするの?

このような場合には、本人の代わりに意思を示せる「成年後見人」を選任してもらう必要があります。

🔍 成年後見人って?

👨‍⚖️ 成年後見人とは、判断能力が不十分な方に代わって法律行為を行う人のことです。

📑 家庭裁判所への申し立てが必要で、選任までに3~5ヶ月かかることもあります


👥 成年後見人が選任されるとどうなるの?

成年後見人が選ばれると、

その方が認知症の相続人に代わって遺産分割協議に参加できます

📌 ただし、注意点もあります:

  • 後見人はあくまで「本人の利益を守る」立場

  • 一方的に不利な内容には同意できない

  • 内容によっては家庭裁判所の許可が必要になることも


⚠️ 特に注意が必要なケース

以下のような場合には、さらに慎重な対応が求められます:

🧾 認知症の方に多く相続させたい

🏠 不動産の名義変更を急ぎたい

💬 他の相続人との関係が複雑

このような場合は、トラブルや手続きの長期化の原因になりやすいため、早めに専門家にご相談ください。


🛠️ 相続手続きは司法書士にお任せください

司法書士は、相続・登記の専門家です。

当事務所では以下のようなサポートを行っています:

📁 成年後見制度の申立てサポート

📜 戸籍収集・相続関係説明図の作成

🖊️ 遺産分割協議書の作成

🏡 不動産の相続登記(名義変更)

「何から始めればいいのか分からない…」

そんなときも、親切・丁寧にサポートいたします。


✅ まとめ:認知症の相続人がいる場合は早めの対応を!

認知症の方が相続人にいると、通常よりも手続きが複雑になりがちです。

📌 放っておくと、

  • 不動産の名義変更ができない

  • 売却・処分ができなくなる

  • 相続登記の義務違反で**過料(罰金)**のリスクも

🕊️ だからこそ、早めの準備・相談がカギとなります。


【相続手続きで迷ったら

🏢 司法書士法人れみらい事務所へ 】

💭「どのようにして遺産を分けたらいいかわからない」

💭「認知症の身内が心配…」

そんなときは、ぜひ当事務所へご相談ください。

📘 あなたの状況に合った最適な相続手続きをサポートいたします。


📍所在地

尼崎市南塚口町2丁目19番2号201

📞電話番号

06-6423-9083

📧メール

info@remirai-houmu.com

🆓 初回相談無料/📅 完全予約制

財産管理契約とは?目的や必要性について

2025-03-28
財産管理契約とは?

財産管理契約は、本人が信頼できる人(受任者)に対し、財産の管理を委任する契約です。本人の判断能力があるうちに締結し、財産に関する各種手続きをスムーズに進めるために利用されます。

成年後見制度と異なり、本人の意思で契約を自由に設計できるのが特徴ですが、本人の判断能力が失われると契約は終了するため、任意後見契約と組み合わせることが一般的です。


1. 財産管理契約の目的と必要性

① 財産管理契約の主な目的

  • 高齢化や病気に備え、財産の管理や各種手続きを円滑に行う

  • 遠方に住んでいる場合や、財産の管理が煩雑で負担が大きい場合に委任

  • 判断能力が低下する前に、信頼できる人に管理を任せて安心を確保

② 財産管理契約が必要なケース

高齢者で財産管理が大変になってきた

仕事や病気で管理が難しく、信頼できる人に任せたい

認知症などで判断能力が低下する前に準備しておきたい

親族がいない、または関係が薄く、管理を任せられる人がいない


2. 財産管理契約の主な委任内容

契約の内容は自由に設定できますが、以下のような項目が一般的です。

① 金融機関の手続き

  • 預金口座の管理、振込手続き

  • 銀行の定期預金の管理

  • クレジットカードの引き落としや支払い

② 生活費・医療費の支払い

  • 生活費の支出管理

  • 医療費・介護費の支払い

  • 公共料金(電気・ガス・水道・通信費)の支払い

  • 各種税金(固定資産税・所得税など)の納付

③ 不動産管理

  • 自宅や賃貸物件の管理(修繕・賃貸契約の締結・解約)

  • 固定資産税の支払い

  • 不動産の売却手続き(ただし、契約内容により制限を設ける場合あり)

④ 行政手続き・役所関係

  • 年金の受給手続き

  • 健康保険・介護保険の各種手続き

  • 住民票や戸籍謄本の取得

⑤ 介護施設・老人ホーム関連

  • 介護施設や老人ホームの契約・支払い

  • 介護サービスの手続き

⚠️注意点:

財産管理契約では、医療行為に関する「同意」や「身上監護(生活面でのサポート)」は含まれません。これらを委任したい場合は「身上監護契約」や「任意後見契約」と組み合わせる必要があります。


3. 財産管理契約の締結方法

① 受任者(財産管理を任せる相手)を決める

  • 家族や親族(配偶者・子供・兄弟など)

  • 弁護士や司法書士などの専門家

  • 信頼できる友人・知人

② 委任内容を明確にする

契約で定める内容を具体的に決めます。

  • どの銀行口座を管理するのか?

  • どの不動産を管理し、どのような手続きを委任するのか?

  • 定期的な報告義務を課すか?

③ 契約書の作成(公正証書が推奨)

契約は口頭や私文書でも可能ですが、公正証書で作成すると証明力が高く、トラブルを防ぎやすいため、公証役場で公正証書を作成するのが一般的です。

④ 重要書類の保管

  • 契約書の原本を本人・受任者・公証役場で保管

  • **財産目録(通帳、証券、不動産登記簿謄本など)**を整理し、管理を明確にする


4. 財産管理契約と成年後見制度の違い

項目 財産管理契約 成年後見制度
契約開始のタイミング 判断能力があるうちに締結 判断能力が低下した後に開始
内容の自由度 委任内容を自由に決定可能 法律で定められた範囲内
監督機関 なし(本人と受任者の信頼関係) 家庭裁判所の監督あり
終了のタイミング 本人の意思で解除可能 本人が亡くなるまで継続
判断能力喪失後 契約終了(継続できない) 判断能力喪失後も継続

📌 ポイント:

財産管理契約は本人の判断能力が低下すると終了してしまうため、任意後見契約とセットで締結するのが一般的です。


5. 財産管理契約を検討されるケース

高齢者で財産管理をスムーズに行いたい人

遠方に住んでいて、身近に管理してくれる人がいない人

認知症になる前に、信頼できる人に管理を任せたい人

親族間のトラブルを避けるため、専門家に管理を依頼したい人


6. まとめ

  • 財産管理契約は、判断能力があるうちに財産管理を委任できる契約

  • 成年後見制度より自由度が高いが、判断能力を失うと契約終了

  • 公正証書で作成するのが望ましく、任意後見契約と併用することが一般的

  • 司法書士や弁護士に相談しながら作成するのが安心

具体的に検討されている方やお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

後見人を交代するには?

2025-03-16

後見人の交代(変更)は、家庭裁判所の許可が必要で、正当な理由がなければ認められません。交代の理由や状況によって手続きが異なりますので、以下に詳しく説明します。


1. 後見人の交代が認められる理由

後見人の変更は、以下のような理由がある場合に家庭裁判所に申立てができます。

(1) 後見人が辞任を希望する場合

  • 高齢や病気で後見業務を継続できない
  • 引っ越しや事情の変化で後見が困難になった
  • その他のやむを得ない理由

(2) 後見人を解任する必要がある場合(家庭裁判所が決定)

  • 後見人が財産を不適切に管理している(横領・使い込みなど)
  • 被後見人の利益を損なう行為をしている(虐待・放置など)
  • 後見人の判断力が低下し、適切な業務ができない
  • 後見人が家庭裁判所で定められた報告をしない(就任報告や年1回の定期報告など)

(3) 後見人が死亡した場合

  • 速やかに新しい後見人の選任手続きが必要

2. 後見人交代の手続き

(1) 辞任する場合の手続き

  1. 家庭裁判所に「後見人辞任許可申立書」を提出
  2. 家庭裁判所の審査・判断
  3. 認められれば、新しい後見人を選任

(2) 解任を求める場合の手続き

  1. 家庭裁判所に「後見人解任申立書」を提出(親族・関係者が申立て可能)
  2. 家庭裁判所が調査・審理
  3. 解任が認められた場合、新しい後見人を選任

(3) 後見人が死亡した場合の手続き

  1. 家庭裁判所に報告し、新しい後見人の選任を依頼
  2. 裁判所が適任者を選び、決定

3. 必要な書類と費用

(1) 必要書類

  • 後見人辞任許可申立書 / 後見人解任申立書(家庭裁判所の書式を使用)
  • 被後見人の戸籍謄本・登記事項証明書
  • 後見人の戸籍謄本・住民票
  • 辞任・解任の理由を説明する書類(診断書、証拠資料など)

(2) 費用

  • 申立手数料:800円(収入印紙)
  • 郵便切手代:約1,000円~2,000円(裁判所ごとに異なる)
  • 弁護士・司法書士に依頼する場合には、その報酬

4. 新しい後見人の選び方

家庭裁判所が選任しますが、候補者を推薦することも可能です。

  • 親族が希望する場合:適任と判断されれば選ばれる可能性がある
  • 第三者(司法書士・弁護士・社会福祉士など)を選任:家庭裁判所が職業後見人を指定する場合もある

後見人の交代を検討されている場合、具体的な状況に応じたアドバイスができますので、詳細をお知らせください。

後見制度を利用したいが、手続きが分からない

2025-02-12

後見制度の利用を検討しているが、申立書類の作成や手続きについては複雑で二の足を踏まれるケースもよく耳にします。

申立書類作成についてご自身で作成が難しい場合には、司法書士弁護士に相談するのが一般的です。特に、尼崎周辺で後見申立のサポートを行っている専門家をお探しなら、地域の司法書士事務所や弁護士事務所に相談されるのがよいでしょう。

1. 成年後見制度とは

認知症や障害などにより判断能力が不十分な方の財産管理や契約手続きなどを、家庭裁判所が選任した後見人が代わりに行う制度です。

後見制度には、以下の3種類があります。

  • 法定後見(本人の判断能力が不十分になってから利用)
    • 後見(判断能力がほぼない場合)
    • 保佐(判断能力が著しく不十分な場合)
    • 補助(判断能力が不十分な場合)
  • 任意後見(本人が元気なうちに契約で後見人を決めておく制度)

2. 申立てができる人

  • 本人
  • 配偶者
  • 4親等以内の親族(子、孫、兄弟姉妹、いとこ など)
  • 市区町村長(親族がいない場合など)

3. 申立先

本人の住所地を管轄する 家庭裁判所 に申立てをします。

4. 必要書類

主な書類は以下のとおりです。

申立書(家庭裁判所の書式)

診断書(後見用の特別な診断書、医師に記入してもらう)

本人の戸籍謄本・住民票

申立人の戸籍謄本

財産目録・収支予定表(本人の財産状況を示す書類)

親族関係説明図

本人の通帳コピーや不動産登記簿謄本(ある場合)

※ 裁判所により追加資料が求められることがあります。

5. 申立ての流れ

① 書類の準備(診断書取得や財産調査など)

② 家庭裁判所へ申立て

③ 審問(必要に応じて本人や申立人の面談)

④ 後見人の選任決定(通常1〜3か月程度)

⑤ 後見の開始(後見人が職務を開始)

6. 費用

  • 申立手数料(収入印紙):800円
  • 郵便切手代(裁判所によるが8千円~1万円弱程度)
  • 鑑定費用(必要な場合のみ、5〜10万円程度)
  • その他(司法書士・弁護士に依頼する場合の費用)

7. 司法書士・弁護士に依頼できること

申立書類の作成(後見・保佐・補助の別に応じた書類準備)

財産目録の作成サポート(不動産・預貯金・年金など)

必要書類の収集代行(戸籍謄本・住民票など)

裁判所への提出・手続きの代行

後見人就任後のサポート

 

後見人をつけるかどうかの判断

2024-06-13

後見人をつけるかどうかの判断は慎重に行う必要があります。

後見人制度は、判断能力が不十分な方が適切な生活を送るための支援を受けることを目的としていますが、その必要性や適用範囲は個々の状況によります。

また、現状の制度では一旦後見制度を利用すると原則途中で取りやめることはできませんので、以下のような点を参考にしながらご検討ください。。

  1. 本人の判断能力:

    • 本人が自分で意思決定を行うことが難しくなっているかどうかを確認します。医師の診断や専門家の意見を参考にすることが重要です。
  2. 日常生活の支援の必要性:

    • 本人が日常生活を送る上での支援がどの程度必要かを評価します。財産管理や医療・介護の手続きなどでの支援が必要な場合、後見人の役割が大きくなります。
  3. 本人の意思と希望:

    • 本人の意思を尊重することが大切です。可能であれば、本人と話し合い、後見人の設置についての考えを聞くようにしましょう。
  4. 家族や周囲の支援体制:

    • 家族や親しい人がどの程度支援できるかを考慮します。家庭内での支援が難しい場合、後見人の制度を利用することで適切なサポートが得られるかもしれません。
  5. 法律的手続き:

    • 後見人をつける場合、家庭裁判所への申し立てが必要です。この手続きには時間と費用がかかるため、事前に専門家に相談するのも一つでしょう。
  6. 専門家の相談:

    • 司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、後見人制度の詳細や手続きについて具体的なアドバイスを受けることができます。

後見制度についての具体的なケースについて詳しく相談したい場合は、当事務所にご相談ください。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

 

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