遺言の種類と特徴

そもそも遺言書とは?

遺言書とは、遺言者の最終の意思を明らかにした書類のことです。

相続が起こったとき、法定相続人たちが自分たちで話しあって遺産相続の方法を決めなければならないのが原則です。

多くのケースでは、この遺産分割協議の場面で相続人同士の意見が合わず、相続トラブルが起こってしまいます。

ここで、遺言書を作成しておくと、遺言書通りに遺産相続が行われるので、相続人が遺産分割協議をする必要がなくなって、相続トラブルを避けることができます。

(⇒遺言書作成のメリット

 

遺言書の種類は?その特徴とは?

遺言書と一言でいっても、その作成方法の違いによって複数の遺言書があります。

以下、特別な事情がある場合を除いた、皆さんが知っておくべき遺言書の種類について紹介させていただきます。

 

◎自筆証書遺言

作成が最も簡単で多く利用されているものです。

『遺言者』が、①その全文

       ②日付

       ③氏名

を『自書』(※)し、『押印』して作成する方式の遺言です。

※財産目録を除く:法改正により、財産目録については自書以外(例:PC作成・通帳写しの添付)も可能となりました

相続法改正のポイント~自筆証書遺言の方式について

紙と筆記用具さえあれば作成可能ですから、費用もかからず直ぐに作成できます。また、証人も不要ですので、遺言の内容を他人に知られることなく作成することができます。

しかし、反面、専門家の関与なしに作成されるため(※1)要式を欠いているかのチェックができず、残念ながら無効な遺言書となっている場合があります。

また、自身で保管するため(※2)、紛失や、相続人に発見されず遺言が生かされないケースも多くありません。

また、開封時には家庭裁判所での検認手続きが必要になりますので注意が必要です(遺言書の検認)。

1.当事務所では、無効な遺言書を防ぐため、要式チェックのサポートをしております。秘密厳守は厳守いたします。遺産配分についての法的アドバイスも含めての相談ができますので、ぜひご活用ください。

料金表:遺言書チェック・作成相談

2.法務局での自筆証書遺言保管制度が創設されました(改正法律2020年7月10日施行)

相続法改正のポイント~遺言の保管について

 

◎公正証書遺言

遺言内容を公証人に口述し、公証人に作成してもらう方式の遺言です。

公証人との事前打ち合わせによって作成するために、内容の整った不備のない遺言を作成することができ、かつ公証役場で保管してもらうので遺言書の紛失や未発見という恐れがない等のメリットがあります。

後日の紛争防止には、一番適した遺言方式だといえます。

反面、公証役場が関与しますので、その分費用が多くかかってしまう点や、証人が必要となるため、遺言の内容を人に知られてしまうというデメリットがあります。

 

◎秘密証書遺言

遺言書がご自身で適当な用紙で遺言書を作成し(PC作成、代筆可)、自署・押印したうえで封印し、公証役場にて証人の立会いの下で公証役場での保管を依頼する方式の遺言です。

全文を直筆する必要はなく、パソコンや代筆での作成も可能ですので自筆証書遺言と比べて字が書けない方でも利用が可能です。

また、封印してから持ち込みますので、遺言の内容を誰にも知らせずに済む、保管も公証役場でされますので紛失、未発見の恐れがない等のメリットがあります。

反面、自筆証書遺言と同様、遺言書作成自体に専門家の関与がないため無効な遺言となってしまう危険性があります。また、費用がかかってしまうというデメリットもあります。

また、開封時には、家庭裁判所での検認手続きも必要になってきます。(遺言書の検認)。

 

遺言の種類と特徴(メリット・デメリット)

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

作成方法

自分で遺言の全文・氏名・日付を自書し押印する

公証役場へ行き、証人2人の立会いの下、本人が遺言内容を口述し、それを公証人が記述する

本人が作成し署名・押印した後に封筒へ封印し、公証役場にて証人の立会いの下保管を依頼する

証人

不要

証人2人以上必要

公証人1名・証人2人以上必要

家庭裁判所の検認(*)

必要

不要

必要

メリット

・作成が簡単

・費用がかからない

・遺言内容を誰にも知られずに済む

・紛失、未発見の心配がない

・要式不備がなく無効の心配がない

・紛失、未発見の心配がない

・遺言内容を誰にも知られずに済む

デメリット

・要式不備により無効となる恐れがある

・紛失、未発見の恐れがある

・開封には家庭裁判所の検認手続きが必要となる

・遺言内容が証人に知られてしまう

・費用がかかる

・要式不備により無効となる恐れがある

・開封には家庭裁判所の検認手続きが必要となる

(*)家庭裁判所の検認

遺言書の発見者・保管者は、遺言者の死亡を知った後遅滞なく遺言書を家庭裁判所へ提出して、その検認を請求しなければならないとの法律の取り決め。相続人に対して遺言の内容及び存在を知らせるとともに、遺言書の形状、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続き。遺言の有効、無効を判断する手続きではない点に注意。

 

どの遺言方式が私にはあっているの?

このように遺言書を作成する方法にはいくつかの種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

どの方式の遺言がご自身にあっているのかご不安な方、是非お気軽にご相談くださいませ。当事務所にて事案に応じた最適な遺言書の作成方法をご提案し、お客様のご意思に沿った遺言書作成のお手伝いをさせていただきます。

 

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