こんな時は家族信託―親などが認知症になりそう

相談事例

  • Bさんの父のAさん(75歳)は、体はとても元気だが、最近徐々に物忘れがひどくなってきており、近い将来に認知症になるのではないかと、Bさんは心配している。
    Aさんの妻は既に他界しており、子供はBさんと遠方にいる次男のCさんの2人。
  • Aさんは収益不動産を所有しており、今はAさん自身が管理しているが、今後Aさんが認知症になってしまうことをBさんは懸念している。

 

家族信託を使わない対策だと

任意後見制度を利用し、AさんがBさんを将来の後見人に指名しておくことはできますが、財産が高額の場合には家庭裁判所の管理が厳しくなる可能性があります。

 

家族信託を利用した提案

  1. 長男Bさんを受託者、父であるAさんを委託者兼受益者として、当該不動産を信託財産とする信託契約を締結することで、Bさんに管理・運用・処分ができる権限を与える。
  2. Aさんが亡くなったら受益権をBさん(長男)とCさん(次男)に受益権を2分の1づつ相続させる。

 

家族信託を利用したメリット

  1. 家族信託契約発動後は、Aさんの信託財産は、Aさんの心身の状態に関係なく受託者であるBさんが行うこととなる。
  2. Aさんが認知症になり、法定後見人がつけられたとしても、後見人の権限は既に家族信託された財産には及ばない。
  3. Aさんが死亡しても、収益不動産の管理はBさんが行い、収益だけを兄弟間で平等に分配する。

 

 

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