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相談の概要
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家族信託を使わない対策だと
- 遺言により次男Bさんに甲社株式の承継者と指定することはできます。
ただし、将来のXさんの死亡する時点で甲社の業績が良ければ、株価評価がプラスとなり、多額の相続税を課せられるリスクはあります。 - 次男Bさんが甲社株式を相続により取得した際、長男Aさん、長女Cさんの遺留分を侵害している場合には、遺留分減殺請求を受ける可能性があります。
家族信託を利用した提案
- Xさんは、公正証書による書面で甲会社株式すべてを信託財産とし、委託者=受託者をXさん自身、受益者を次男Bさんとする自己信託を設定する。
- Xさんは、受託者として引き続き甲社株の議決権を行使できるので、実質的な経営権はそのまま残り、株式を後継者であるBさんに贈与しておく。
- Xさんの死亡により信託は終了するように定めておくことで、Xさん死亡の際に確定的にBさんが甲社株式を取得し、Bさんが経営権を掌握できるようになります。
家族信託を利用するメリット
- 自己信託の設定により、甲社株式は次男Bさんの資産となりますが、従来通りXさんの管理下に置くことができます。
- 税務上、Xさんから受益者であるBさんに株式が贈与されたものとみなされ、贈与税の課税対象となりますが、業績不振による株価の低いタイミングで生前贈与することで相続税対策を図りつつ、円滑な事業承継を行うことができます。