株式会社における不動産取引の際の利益相反について

株式会社での取締役の利益相反とは
取締役が自分のために株式会社と取引をするときは、その株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示した上でその承認を受けなければならないとされています。取締役が自分のためにする取引とは、その取引が利益相反取引に該当するかは外形的に判断されるため、取締役が実際に経済的な利益を受けない取引も利益相反取引に該当します。
例を挙げると、取締役が3,000万円で購入した不動産を、自分が取締役を務める株式会社に4,000万円で売却した場合も、2,000万円で売却した場合も、実際に利益を挙げたかどうかに関わらず、利益相反取引に該当することになります。
ただし、次のような明らかに会社の利益を害さない取引は利益相反取引に該当しません。

●取締役から会社への無利子の貸付
●取締役から会社への贈与

利益相反取引と不動産登記
不動産登記手続きにおいて、このような取締役と会社が不動産の売買をしたときは、この利益相反取引を会社は「承認したことを証する書面」も一緒に提出しなければなりません。「承認したことを証する書面」とは株式会社の機関設置内容によって異なりますが、以下の通りとなります。
●取締役会の決議(取締役会設置会社の場合)
●株主総会の決議(取締役会非設置会社の場合)

議事録を作成する際の注意点

Ⅰ.取締役会設置会社の場合

利益相反取引を承諾を証する書面として法務局へ提出する取締役会議事録、株主総会議事録にはそれぞれその印鑑証明書の添付が必要とされています。取締役会議事録を添付する場合には、取締役会に出席した取締役と監査役は、書面で作成された取締役会議事録に実印を押印し、その印鑑証明書を添付しなければなりません。実印については、代表取締役は会社実印(法務局に届出している会社代表印)と押印し、その他の取締役・監査役は個人の実印を押印します。
印鑑押印制度と共に注意しなければならない点は、特別利害関係人です。特別利害関係人とは、当該不動産を会社に売ったり、会社から購入する当該取締役を指します。特別利害関係人が取締役会に参加しては公平な決議が行われない可能性がある為に、決議に参加することはできません。

Ⅱ.取締役会非設置会社の場合

取締役会非設置会社の場合は、株主総会の決議が必要となりますが、議事録については取締役等の署名義務がありません。
不動産登記における利益相反取引を承諾する書面として株主総会議事録を提出するときは、少なくとも議事録作成者1名が記名押印をして、実印の押印及び印鑑証明書の添付をする必要があります。なお、ここでいう実印とは、代表取締役は会社実印(法務局に届出している会社代表印)であり、それ以外の取締役、監査役であれば個人実印がそれに当たります。

提出書類の原本還付について
取締役会議事録、株主総会議事録に添付した印鑑証明書の原本還付をすることはできませんが、取締役会議事録あるいは株主総会議事録自体は原本還付をすることができます。また、議事録に添付する印鑑証明書の有効期限は特段決まりがありませんので、3ヶ月より前に取得していたものでも問題ありません。

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