個人間(親族間)売買の注意点

個人間(親族間)売買で注意すること

(1)売買金額の決定方法

不動産の売買価格については、原則当事者の合意さえあれば取引は成立します。売主側から見るとなるべく高く、買主側から見るとなるばく安く買おうという気持ちが働くでしょうが、やはりある程度は相場価格を把握した上で売買金額を決めることが望ましいです。

お互いに良く知っている関係で長年お世話になっているからと安価で売買してしまうと、贈与(みなし贈与)と見做され後で課税される可能性も出てきます。

一般的には、以下のような指標を参考にしながら、価格を決めることが多いです。

  • 公示地価・・・全国に設定された標準地について、毎年1月1日時点の価格を評価し、同年3月下旬に公表されているもの。
  • 基準地価・・・公示地価とほぼ同じ内容だが、都道府県が主体となって毎年7月1日時点の価格を評価し、同年9月下旬に公表されているもの。
  • 路線価・・・毎年1月1日時点の公示地価や売買価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額等をもとに、同年7月1日に公表されているもの。
  • 固定資産税評価額・・・固定資産税を決める際の基準となる評価額で各自治体が個別に決定しているもの。土地であれば、時価の約70%が固定資産税評価額の目安とされている。
  • 近隣の販売事例・・・マンション等であれば、同マンション内で過去の販売事例が存在することもありますので、その価格を参考にすることでマンションの価格を計算することもできます。
  • 不動産会社・不動産鑑定士の査定等・・・不動産会社や不動産鑑定士に依頼すれば、査定書を貰うこともできます。但し、費用が別途かかってくることもあります。

(2)売買代金の支払い時期

不動産売買の場合には、通常売買契約書の中の特約にて売買代金の支払いと物件の引渡し、登記手続きは同時に行います。

お金を支払ったのに登記がされない、物件の引渡しをしたのにお金が振り込まれない、等後日のリスクを避ける為にも同時に手続きを行えるように段取りを踏んでおく方が良いでしょう。

(3)売買した後に面積が違っていた場合

土地の売買の場合には、登記簿上の面積をもとに売買価格を決めることになります。しかし、後日土地の測量をし直したところ、実際の面積が大きく異なっていた場合には、売買価格にも影響を及ぼすことがあります。

そのような事態を避ける為にも、測量をし直すのか、測量して面積が異なっていたら再清算するのか、等決めておくことも大切です。

(4)隣地との境界問題

以前から存在している不動産(土地)では、隣地との境界が曖昧なこともあり、境界点もない物件もあります。売主以前から隣地との関係性が良好であったので問題にならなかったが、所有者が変わった途端に隣地と境界問題で揉めることもあります。

後日のリスク回避の為にも、境界の明示について売主がどの程度の義務を負うのかは決めておくことは大切です。

(5)売買物件に抵当権等が設定されている場合

対象物件に抵当権や差押等の登記がされている場合には、所有権移転(売買)と同時に又はそれ以前に抹消することができるかどうか確認しておく必要があります。

その他にも、個人間(親族間)売買に起こりうるリスク・問題点は存在します。

仲介手数料がかからないだけという安易な理由で取引をしてしまうと後日の紛争に発展してしまう可能性もあります。

個人間(親族間)売買をご検討されている方は当事務所にお気軽にご相談ください。

当事者双方の意向に沿った売買契約書作成・売買に関するリスクの回避・登記申請まで一貫してサポートいたします。

 

 

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