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極度額の変更
現在金融機関と根抵当権を設定して借入をしているが、事業拡大に伴い借入金の枠を増やすために、極度額の増額変更を行うときがあります。また、逆に借入金も減ってきたので、極度額を減少するというケースもありえるでしょう。いずれにしても、担保設定した根抵当権の極度額については、増額、減額変更ともに元本確定の前後を問わず行うことができます。なお、共同根抵当権についての極度額の変更は、すべての不動産について登記をしなければ、効力を生じません。
極度額変更登記における利害関係人について
極度額の変更登記をする場合に、利害関係を有する者があるときは、その者の承諾が必要で、当該利害関係人の承諾がなければ変更の効力は生じません。よって、登記申請をする際に利害関係人がいあるときは、利害関係人の承諾を証する情報が必要となります。
では、具体的に利害関係人とはどういう者を指すのでしょうか。
- 増額変更の場合
①同順位または後順位の抵当権者、根抵当権者その他担保権者
②①の者が有する権利を目的として権利を有する者
例)抵当権を目的とした転抵当権者など
③後順位の差押債権者
④後順位の処分禁止の仮処分債権者
⑤後順位の所有権の移転または移転請求権等の仮登記名義人 など
- 減額変更の場合
①被担保債権の移転による当該根抵当権の移転の仮登記を受けた者
②当該根抵当権の全部又は一部の譲渡による当該根抵当権の移転又は移転請求権の仮登記を受けた者
③民法376条の規定による処分の受益者 など
例)当該根抵当権の順位の譲渡・放棄を受けた受益者など
登記申請の当事者について
- 増額変更の場合
極度額増額は一般的に根抵当権者に有利になるため、登記義務者が設定者(所有者)、登記権利者が根抵当権者とします。
よって、登記申請の際には設定者の印鑑証明書、登記識別情報(登記済証)が必要となります。
- 減額変更の場合
増額登記とは逆に、登記義務者が根抵当権者、登記権利者が設定者(所有者)となります。よって、登記申請の際には根抵当権者の登記識別情報(登記済証)が必要となります。
登録免許税について
- 増額変更の場合
「極度額の増加分」を課税価格として、それに「1000分の4」を乗じた額となります。
例)極度額が1,000万円増加した際には、登録免許税は4万円となります。
- 減額変更の場合
不動産1筆につき、1,000円となります。