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HACCPとは?
- H Hazard ※危害要因
- A Analysis 分析
- C Critical 重要
- C Control 管理
- P Point 点 の頭文字をとったものであり、簡単にいうと、危害要因などの要注意な所を、要チェックし、記録するものです。
※危害要因について
3種類の危害要因…①微生物(ウイルス、細菌などの付着)②化学物質(洗剤や殺虫剤などの混入)③異物(ガラスや金属片など混入)
危険温度帯…一般的に細菌が繁殖する温度帯は約10℃~60℃と言われており、調理後にその料理が冷めて危険温度帯になると、食虫毒菌が増殖します。
HACCPは、安全で衛生的な食品を製造するための管理方法のひとつで問題のある製品の出荷を未然に防ぐためのシステムをいいます。令和2年6月1日より施行(1年間の経過措置あり)されており、令和3年6月1日より完全施行予定とされています。施行されると聞いたのでHACCPの導入をしたいと思っても、いざ「どのように準備をしたらよいのか分からない」「何から始めればよいのか分からない」など多くの疑問が出てくるでしょう。注意してほしいのは、これまでと全く異なる対応をするものではないということです。計画や記録により、衛生管理を「見える化」するものです。
衛生管理の「見える化」
①衛星管理計画…衛生管理計画を作成する。
↓
②実施…①を実行する
↓
③記録・確認…②を記録・確認する
今まで飲食店などを営業されている方は、既にこのような工程はきちんと対応されていることだと思いますが、HACCPではこの工程についてきちんと記録することが求められます。よって特段HACCP導入により、認証及び設備の購入は不要で、あくまでソフト面での対応が必要となります。
HACCP方式と従来方式の違い
HACCPは、原材料の受注から最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの危害を予測した上で、危害の防止に繋がる特に重要な工程(加熱・冷却・包装など)を連続的・継続的に監視し、記録することにより、製品の安全性を確保する衛生管理手法です。従来では最終製品の抜取検査により、安全性を確保していましたが、これに比べてより効果的に安全性に問題のある製品の出荷を防止することが可能とされています。
HACCP導入のメリット
- 衛生管理のポイントを明確にし、記録することで、従業員全員の意識付け及び経験や勘に頼らない、安定した製品の作成が可能
- 工程ごとに確認すべきことの明確化
- 現場の状況が把握しやすい
- クレームやロス率の低下
飲食店用のHACCPとは
HACCPには大きく2種類あり、①HACCPに基づく衛生管理(基準A)②HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(基準B)に分けられます。
- 基準A
厳格な基準が求められ、食品メーカーの工場、食肉加工場など
- 基準B
柔軟な対応が求められ、病院、ホテル旅館、幼稚園、介護施設、老人ホーム、飲食店などが該当し、多くの事業者がこちらに当てはまります。
この中でも特に多い業種形態が飲食店だと思いますので、飲食店ではHACCPについてどう対応していけば良いのか説明していきます。
食中毒の約50%は飲食店で発生しています。一度食虫毒が発生してしまうと、信用不安だけでなく、民事・刑事罰を受けてしまう可能性もあり、事業継続は難しくなってしまうことも充分あり得ます。HACCPによる衛生管理とは食虫毒予防の三原則を基本に、今取り組んでいる衛生管理とメニューに応じた注意点を予め衛生管理計画として明確にし、実施し、記録することです。これまでの衛生管理と全く異なる対応をするのではなく、計画や記録により、衛生管理を「見える化」しておくことです。
これは、現在のコロナ禍により、皆さんが既に対応されているものと共通することも多くあるでしょう。HACCPを導入することで、今後の事業継続にも役立つこととなりますので、導入を検討されている方は一度ご相談ください。
HACCO導入の手引きについては、下記厚生労働所省のページにも詳しく記載されていますので、ご参考にしてください。
※HACCP制度の概要について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html
※食品製造におけるHACCP入門のための手引書
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098735.html