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不動産登記とは
不動産を購入したり、売却したりすると法務局に対象となる不動産の所有権移転登記の申請するのが一般です。そして、実際に申請した登記が完了されると申請した内容に沿って不動産の登記簿謄本に記載され、誰もが費用を支払えば閲覧することができます。不動産登記を申請する場合には登記内容に従って定められている登録免許税を支払うときもあり、購入の際などには対象物件の固定資産税評価額が高ければ、かなりの負担となることもあります。
では、なぜ不動産登記を行う必要性があるのでしょうか?
「その不動産の所有者が誰のものなのか」というのを、公に示し第三者に権利を主張するために登記は必要となってきます。もし登記制度がなければ、皆さんが各々不動産の所有権を主張し、真の所有者が誰か分からないままに不動産取引を行ってしまう恐れも出てきます。
よって、売買や贈与、相続などによって生じた所有権の移転や借入の際に抵当権を設定したときなどには、新しい所有者や金融機関が自身の権利を主張するためにも不動産登記制度を利用します。
不動産登記の効力
不動産登記には以下の3つの効果があり、その効力によって権利が守られています。
- 対抗力
不動産に関する物権の得喪・変更は、登記をしなければ第三者に対抗できないという効力。
たとえば、所有権や抵当権などの権利を第三者に主張するようなケースに当てはまります。よって、Aが対象不動産をB、Cの2名に譲渡してしまったようなケースでは、例えBが先にAに代金を支払っていても登記をしていなければ、先に登記をしたCが所有権を主張することが可能となります。
- 権利推定力
登記記録に記録された事項については、その記録された事項の法律関係が、一応実際に存在するものと推定されるという効力。
例えば、AからBへ所有権移転の登記がされている以上は、その記録どおりの法律関係が存在するのだろう、と推定されるものです。ただし、あくまで推定されている効力なので、もしその登記が事実とは異なる旨を反証すれば登記が覆ることになります。
- 形式的確定力
登記が存在する以上、その有効・無効に関係なく、以後登記手続上はこれを無視して行動することは許されないという効力。
例えば、地上権設定は対象不動産に既に登記されているときには、重ねて設定登記をすることはできません。よって、実体上既に登記されている地上権が無効の状態であったとしても、これを無視して別の地上権設定登記をすることはできない、ということです。
まとめ
不動産登記は司法書士に依頼したり登録免許税を支払ったりすることで相応の費用がかかることとなりますが、確実な登記を行うことにより不動産の権利を第三者に主張することができ、それは結果として自身の権利を守ることにもなります。特に不動産の売買のときには、売主・買主と複数の当事者が存在し、また高額なお金が動くことからも、確実に登記手続きをしておく必要があります。
複雑で面倒な手続きを、迅速・確実に行うためにも不動産登記は当事務所にご依頼ください。