常日頃から一番近くで見ている家族が後見人になろうとするのは最も適しているケースであることは確かです。しかしながら、後見人になるという事は、信頼関係を前提にしながらも、法律上は**「家庭裁判所の監督下にある公的な立場」**になります。そのため、次のような注意点を知っておくことが大切です。また、家族が後見人になりたいと思っても最終的には家庭裁判所の判断となりますので、その点もご注意ください。
このページの目次
家族が後見人になる際の注意点
1. 財産は本人のもの、後見人のものではない
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被後見人の預金・年金・不動産などはすべて「本人の財産」。
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後見人が勝手に使うことは横領にあたり、刑事責任を問われる場合もあります。
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家計とは完全に分けて管理し、本人名義の口座で入出金を管理することが重要です。
2. 家庭裁判所への報告義務
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1年に1回は「財産目録」「収支報告書」を家庭裁判所へ提出する必要があります。(報告を怠ると場合によっては、解任されることもあります)
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記録を残すために、領収書や通帳のコピーを日頃から保管することが必須です。
3. 大きな財産処分には裁判所の許可が必要
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自宅を売却する
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高額な保険解約や投資商品の解約
などは、家庭裁判所の許可がないとできません。
➡「本人の利益にかなうか」が厳しく審査されます。
4. 親族間トラブルに巻き込まれることもある
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他の相続人・兄弟姉妹から「財産を勝手に使っているのでは?」と疑念を持たれる場合があります。
➡ 家族が後見人になるときは、透明性を重視することが特に大切です。
5. 身上監護の限界を理解する
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介護や身の回りの世話そのものを行うのではなく、契約や手続き面の支援が中心です。
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実際の介護はケアマネジャーや施設職員、介護サービスが担うため、役割を混同しないことが重要です。
6. 本人の意思を尊重する
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財産の使い方、生活の仕方などはできる限り被後見人の希望を尊重する必要があります。
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「安全のため」だけで制限しすぎると、家庭裁判所から指摘されることもあります。
◎家族が後見人に向いているケース
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家族関係が良好で信頼関係がある
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財産がシンプルで管理しやすい(預金中心、借金がないなど)
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他の親族からも合意が得られている
❌ 専門職後見人に任せた方がよいケース
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財産が多額で不動産や株式など複雑
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親族間に争いや不信感がある
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相続をめぐりトラブルになりそう

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