Author Archive

死亡日が推定年月日等の場合の相続登記

2021-08-02

死亡日が推定年月日等で戸籍に記載されている場合の相続登記

相続による所有権移転登記を申請する際の登記原因は、「令和〇年〇月〇日相続」となります。

この年月日は、被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本(除籍謄本)に記載されている死亡日=相続開始日のことを指します。

それでは、戸籍謄本に亡くなった日について記載がはっきりされていない場合の相続登記はどう申請すればよいでしょうか。

被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本(除籍謄本)には、亡くなられた日の記載があります。

通常戸籍謄本の中で死亡日の記載については、以下のようになります。

【死亡日】令和〇年〇月〇日

【死亡時分】午前●時●分 

例外的に亡くなられた方の死亡の日時などがはっきりとしない場合には、戸籍謄本の記載が以下のようにされることもあります。

【死亡日】令和〇年〇月〇日頃

     推定令和〇年〇月〇日

     年月日不詳

     令和〇年〇月〇日から同月〇日の間に死亡

このような場合の相続登記の登記原因日は、基本的には戸籍謄本に合わせる形で申請することとなります。

例)令和〇年〇月〇日頃相続

  推定令和〇年〇月〇日相続

  年月日不詳相続

  令和〇年〇月〇日から同月〇日の間相続

この取扱いは年月日のみで、相続登記は時刻については登記されないので、時刻に「頃」や「不詳」との記載があっても相続登記には影響はありません。

相続登記といっても、登記原因日を含めた登記申請書の作成、遺産分割協議書の作成、戸籍謄本等の収集など多岐に亘る作業があります。

当事務所にご相談頂けたら、その手間や労力も省け、ご意向に沿った相続登記のサポート致します。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

お気軽にご連絡ください。

遠方にある不動産を相続した場合

2021-07-30

遠方にある不動産の相続登記

実家から離れて生活していた、などの理由により遠方にある不動産を相続した場合には、相続の手続きをするにあたって手続きが複雑になるのではないか?何度か不動産の所在地に足を運ぶ必要かあるのではないか?など気にされることもあるかもしれません。

確かに以前は司法書士やご自身が相続登記をする際には、不動産の所在地を管轄する法務局に出向いて手続きをする必要がありました。

しかしながら現在はオンラインによる不動産登記が全国どこの法務局でも出来るようになったために、現地に行く必要性はなくなりました。

当事務所でも、勿論オンラインで全国の不動産登記申請には対応できます。オンライン申請なので、現地に出向く必要もなく、余分な交通費などを頂くこともございません。不動産が遠方にあるので頼みにくいのではないか、などは気にせず安心して手続きをお任せください。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

 

不動産登記名義人の住所・氏名が変わったら

2021-07-28

不動産登記名義人の住所・氏名の変更登記

不動産を購入した後に、引っ越したり、結婚や離婚などをすることにより、住所や氏名が変わることも当然に考えられます。

住所や氏名が変わったときには、役所や警察署(運転免許証の関係)などに届け出ることにより、変更した旨の手続きをしなければなりません。

では、不動産の登記名義人が同様に住所・氏名の変更があったときに、法務局にその旨の登記申請をしなければならないでしょうか。

不動産の登記名義人も登記申請をしない限りは自動的に変わることはありませんが、特段その期限もなく、また罰則等の規定があるわけではありません。

(※不動産登記法の改正により、今後住所等の変更日から2年以内に変更登記の申請を義務付ける旨の方策が予定されています、正当な理由のない申請漏れには過料の罰則あり)

では、どのようなケースで登記名義人の住所・氏名の変更登記をする必要があるのでしょう。

住所・氏名の変更登記が必要な場合

不動産を売却したり、贈与したりするケースでは、その前提として不動産登記名義人の住所や氏名が現状と異なっているときには、変更登記をしなければなりません。

住所や氏名が登記簿上の記録と異なっていれば、法務局は同一人物として見ないために、現在の住所や氏名と一致させる必要があるのです。

よって、今後の不動産登記法の改正により、義務付けられることもあり、不動産の登記簿は現在の権利関係を正確に表すものですので、住所や氏名の変更があったときには、変更登記をしておいた方が良いでしょう。

変更登記に必要な書類

  • 住民票(登記上の住所から現在までの繋がりの分かるもの)
  • 戸籍附票(住所が何回も変わっているような場合)
  • 戸籍謄本(氏名の変更があった場合)
  • 認印
  • 本人確認書類(免許証など)

ご自身のケースでどの書類が必要になるかは、当事務所にご相談頂ければ、ご説明させていただきます。

また、当事務所にて代理で取得することもできます(その場合は実費などを別途いただきます)。

初回相談・費用見積は無料で承っておりますので、まずはご相談ください。

任意後見人になるには

2021-07-20

任意後見人とは

任意後見制度を利用する場合には、法定後見制度と違い、契約で依頼した方を任意後見人とすることができます。

他方、法定後見制度では、後見人について希望を伝えることはできるものの、最終的には家庭裁判所から選任された人がなるために必ずしも希望が通るとは限りません。

よって、任意後見制度を利用することでご自身が信頼できる方を任意後見人として選任することができ、その点では利用しやすい制度となっています。ただし、ご自身で選んだ方ならどなたでも、任意後見人となれるわけではなく、一部制限があります。

任意後見人になれない人

以下のような事項に該当する方を任意後見人には選任することはできませんので、ご注意ください。

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
  • 破産者
  • 行方の知れない者
  • 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
  • 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

任意後見制度について、検討中の方、内容を知りたい方、質問がある方など当事務所にお気軽にご相談ください。

初回相談は無料で承っております。

また、任意後見制度の詳細については、以下の当ホームページもご参照ください。

https://amagasaki-shiho.com/seinenkouken_kentouchuu/?preview_id=122&preview_nonce=21ecabe716&preview=true

「遺言・相続」「会社設立」は司法書士?行政書士?

2021-07-16

司法書士と行政書士の業務

「遺言作成」や「相続相談」「会社設立」などのキーワードで検索すると、多くの司法書士事務所や行政書士事務所のホームページを目にされることでしょう。ご依頼される方にとっては、司法書士事務所と行政書士事務所のどちらに依頼した方が良いのか、ホームページを見ても分かりにくいと思います。

当事務所は司法書士事務所、行政書士事務所を併設しておりますので、どちらの事務所でご依頼頂いても特段問題はありませんが、お客様にとっては色々なホームページを見る中で、一体どちらに依頼するのが良いのか悩まれるケースもあるでしょう。

司法書士と行政書士は、似た業務内容の仕事も実際にはあります。それが、先ほど書きました「遺言・相続」や「会社設立」の分野です。
しかし、実は同じように見えても、業務範囲が明確に制定されていますので、ご依頼される内容によってどちらに頼むのが良いのか比較してください。

  • 「遺言・相続」
                             依頼内容 司法書士 行政書士
遺言書の作成    〇       〇
遺産分割協議書の作成(相続人間での紛争がない場合)    〇       〇
相続人の調査       〇       〇
相続による名義変更登記       〇       ✕
相続放棄手続き       〇       ✕
家庭裁判所への調停・審判の申立書作成       〇       ✕
家庭裁判所への遺言書検認手続き       〇       ✕

司法書士も行政書士も遺産分割協議書や遺言書の作成は行うことができます。

しかしながら、被相続人が不動産を所有していた場合の相続による名義変更手続きは司法書士のみが行うことができますので、相続財産に不動産があるような場合には、司法書士では全て纏めて手続きを行うことはできますが、行政書士では相続登記の手続きはご自身でされるか別に司法書士に依頼する必要が出てきます。

また、家庭裁判所に対しての書類作成手続きは司法書士は行うことはできますが、行政書士はできません。

以上のように、相続財産の内訳(預貯金だけなのか、不動産もがあるのか)やどこまでサポートをお願いしたいのかなどのケースによって検討してください。

  • 「会社設立」
                            依頼内容               司法書士 行政書士
定款・議事録等作成                               〇       〇
公証役場での定款認証         〇       〇
会社設立の登記手続き           〇       ✕

司法書士も行政書士も会社設立に必要な書類の作成は行うことができます。

ただし、法務局にて提出する設立登記手続きは司法書士でないと行うことができません。会社設立は登記が効力要件となっていますので、登記をしないことには会社は成立しません。よって、会社設立まで全てサポートを望まれるのであれば、司法書士の方が良いでしょう。

行政書士の依頼された場合には、設立登記手続はご自身でされるか別に司法書士に依頼することとなります。

まとめ

これらは、あくまで業務内容の違いとして記載してだけなので、「どこの部分まで依頼するのか」「依頼したときの報酬の面」や「相談したときの事務所の対応」、などトータルで検討してお客様が信頼できると思った事務所に依頼するのが良いでしょう。

遺言で生命保険金の受取人を変更するには

2021-07-12

遺言とは

遺言は、遺言書を残されるご自身の意思を残すための制度です。自分が死んだあとも家族が揉めることなく暮らしてほしい、世話になった人に金銭を渡したいなど、ご本人の意思をを叶えるためには遺言が必要です。あくまでご家族様の思い通りの相続を実現するための制度ではありません。ただし、遺言は万能なものではなく、法的効力を持たせることができる事項は法律で定められています。(これを法定遺言事項といいます)

※法定遺言事項の主な内容

  • 法定相続分とは違う割合にする
  • 個々の遺産について相続させる人の指定をする
  • 特別受益者の持戻しの免除
  • 一定期間、遺産分割を禁止する
  • 推定相続人の廃除または廃除の取消
  • 遺言執行者の指定
  • 相続人以外への寄付、贈与
  • 遺留分減殺の指定
  • 婚姻外の子の認知
  • 認知
  • 未成年後見人の指定
  • 祭祀主催者の決定
  • 生命保険金受取人の変更 など

遺言による生命保険金の受取人の変更

平成22年4月1日から保険法が施行されたことにより、遺言によって生命保険金の受取人を変更することができることとされました。

これにより、遺言書に保険金の受取人を変更する旨が記載されている場合には、保険会社に連絡をして保険金の受取人を変更してもらうことが可能です。

保険法第44条

1、保険金受取人の変更は、遺言によってもすることができる。

2、遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

 

保険法(平成22年4月1日以前)施行前に保険契約していた場合

平成22年4月1日より前に締結された保険契約については、保険金受取人変更の規定は原則適用されませんが、保険会社及び保険契約の内容によっては遺言による保険金の受取人変更を受け付けられることもあります。事前に保険会社に確認しておく方がよいでしょう。

 

以上のように遺言による生命保険金の受取人の変更は可能ですが、遺言の作成にも有効性や費用面含め手間もリスクもかかります。

特段の事情がない限りは、遺言ではなく、生前に保険会社に手続きをすることにより変更しておいた方が確実といえるでしょう。

遺言を作成したおいた方が良いのか、遺言の作成をお願いしたい、遺言を一旦作成しているが内容を変更したい、など遺言に関するご相談は当事務所までお気軽にご連絡ください。

初回相談・費用見積は無料です。

住宅ローンやアパートローンの借換え登記

2021-07-07

ローンの借換えについて

お客様が現在組まれている住宅ローンやアパートローンを新しく別の金融機関などでローンを組み替えることを「ローンの借換」と一般的に言います。

昨今の低金利化の中で、以前に固定金利などでローンを組まれている方は、借換をした方が月々の返済額に大きくメリットが出ることもあるでしょう。

いずれにしても、ローンを組まれた場合にはその金融機関の抵当権が当該物件に設定されていることが殆どです。ローンの借換をされる際には、現在設定されている「抵当権の抹消登記」と新たにローンを組まれる金融機関での「抵当権の設定登記」を行わなくてはなりません。

この借換登記については、「抵当権の抹消登記」と「抵当権の設定登記」を同時に行う必要があるために、お客様ご自身で登記を行うことは金融機関も了承しないでしょう。よって、司法書士に登記を依頼することとなります。

当事務所も金融機関から借換登記については、よくご依頼を頂いておりますので、お客様もローンの借換をご検討されている場合には、是非当事務所にお声がけください。

見積書の提示から、金融機関との打合せ・立会・抵当権抹消書類の代理受領まで責任をもって行います。

借換え登記の流れ

1.ご相談・お問合せ

メールや電話でも随時受け付けておりますので、気軽にご連絡ください。

2.登記費用見積書の提示

費用見積は無料で承っております。見積書の金額についてご了承頂けたら、正式に業務に着手します。

3.金融機関との打合せ

新たに借換をされる金融機関とローン実行までの打合せ・必要書類などの調整をします。

また、ご返済される金融機関にも事前に連絡の上、手続きに漏れがないようにいたします。

4.ローン契約の立会

原則、新たにローンを組まれる金融機関でローン契約をされる際に、当事務所も立会をいたします。

その際に、登記申請に必要な書類も当事務所が持参しますので、ご説明の上、署名・捺印を頂きます。

5.ローンの借換え実行

ローンの借換え実行当日には、抵当権の設定登記及び抵当権の抹消登記を当事務所で行います。

抵当権抹消登記については、お客様に同行して受取りに行くケースもありますが、当事務所のみで受け取れる場合には委任状等を頂き、当方で代理受領いたします。

6.登記完了・書類返却

登記が完了したら(2週間程度お時間を要します)、お客様ご希望の住所に返却書類を郵送にて送らせて頂きます。

 

 

尼崎市、伊丹市、西宮市、宝塚市如何に関らず、ローンの借換えをご検討されている方は当事務所にご相談ください。

金融機関との繋がりもありますので、ご依頼があれば金融機関をご紹介することも可能です。

初回相談・費用見積は無料です。

 

空き家問題と相続登記の有無

2021-07-02

空き家問題

空き家問題は現在全国で深刻な問題となっております。この空き家問題を解消するために、2015年5月に空き家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。

空き家対策特別措置法が施行されたことにより、管理が適切に行われていないと思われる空き家に対して自治体が調査を行ったのち、問題があると判断された空き家においては「特定空家」として指定し、所有者に管理を行うよう指導をしたり、状況の改善を促したりできるようになりました。 

また、これまでは空き家の場合でも、所有者の許可を得ていなければ敷地内に立ち入ることができませんでしたが、空き家対策特別措置法では、管理がされていない空き家に対しては、自治体の職員やその委任した者が敷地内へ立ち入って調査することができます。

この空き家問題の原因の多くは、相続及び相続登記が関係しているとされています。

相続登記が長年行われていない不動産では、相続人が相続登記をしない内にお亡くなりになり、世代が下がっていくにつれて、相続人も増えて、解体や売却に相続人全員の同意を取ることが難しくなるからです。

当事務所の空き家問題解消の一例

  • 遺言書の作成

遺言を作成しておくことで、相続発生時に亡くなられた方(被相続人)の意思が尊重され、不動産も適切に名義変更登記をすることができます。

また、当事務所が遺言執行者に就任することもできますので、遺言書の内容に沿った手続きを支援いたします。

  • 相続人調査

相続が発生してから、長期間経過している場合では、相続人も増え、調査も大変となってきます。

当事務所では、戸籍などの収集から相続人の確定を速やかに行います。

また、相続人の中に認知症の方や行方不明の方がいる場合には、適宜後見制度の利用や不在者財産管理人の選任手続きなども支援いたします。

  • 空き家不動産の売却支援

売却や賃貸をご検討される方には、信頼できる不動産会社のご紹介をさせていただきます。

空き家でそのまま置いておくと、物件の老朽化も進み、管理状態も希薄になりますので、お住まいになる可能性がないときには、売却や賃貸に出すことも選択肢となるでしょう。

相続登記の義務化

「不動産の所有者について相続があったときは、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記するよう義務づける」主旨の法改正が2024年を目処に施行される予定です。

本法律施行後は、「義務化」とありますので、登記をしなかった場合には10万円以下の過料を科されることがあります。

この相続登記の義務化は遡って適用されます。よって、現在相続登記をしていなくても特段罰則規定はありませんが、このまま放置しておいては、今後過料が科される可能性があるということです。

相続登記の義務化は、空き家問題を解消する契機の一つになるでしょう。

 

空き家不動産の相続や管理・売買などでお困りのことがあれば当事務所にご相談ください。

不動産の相続登記は、オンライン申請を行いますので、全国対応が可能です。

一緒に解決できるようにサポートいたします。

 

 

 

 

 

 

借金の消滅時効の援用とは

2021-06-30

借金の消滅時効の援用

借金をした後、5年又は10年の経過で消滅時効により、その借金の返済義務がなくなる可能性があります。しかしながら、その期間の経過により自動的に借金の返済義務を免れるわけではありません。
借金の返済義務をなくすためには、借りた人が貸した人に対し、「私が借りた借金は時効により消滅しているので、返済しません」といった旨の意思表示をしなければなりません。

これを一般的に「時効の援用」と言います。

時効の援用自体には、相手方の同意は不要ですので、借りた人が貸した人に対して、一方的に時効の援用を意思表示するだけで、借金の返済義務を消滅させることができます。

先ほども言いましたとおり、時効の援用は、一方的な意思表示で足り、援用方法も特に決まりはありません。よって、電話や普通郵便での時効の援用も有効ではありますが、後々の証拠を残しておくためにも、配達証明付内容証明郵便で通知しておくことが良いでしょう。

内容証明郵便を利用すれば、どのような内容の通知をしたのかが郵便局にも証拠として残ります。

また、借金の返済の問題で仮に裁判になっている場合で、原告が明らかに消滅時効になっている借金を訴訟により請求したとしても、被告が裁判上で消滅時効を援用しない限りは、裁判所は消滅時効の判断をすることもできませんので、注意が必要です。

 

 

競売物件をローンで購入するには

2021-06-29

競売物件の購入方法

競売物件を落札すると、裁判所より指定された代金支払期日までに代金を納付することで、裁判所書記官から法務局に所有権移転登記などの手続きが嘱託され、ご自身の名義の不動産となります。

競売物件の代金支払については、一括納付とされているために、自己資金を調達しなければならず、個人の競売物件の入札参加は難しいものとなっていました。しかしながら、民事執行法82条2項の制定により、競売物件に対してもローンを組むことは可能となっています。

従来であれば、代金を納付してから所有権移転登記がなされるまでには一定の時間が必要となる競売物件には、金融機関の担保設定ができず、金融機関も競売物件のローンには消極的でした。

しかしこの制度を利用することで、代金納付と同時に担保設定が可能となり、ローンでの購入もしやすいものとなっています。

競売物件のローン購入の流れ

ローン制度を利用しない場合
①落札⇒②残代金の納付⇒③裁判所書記官による登記嘱託(所有権移転・抵当権抹消等)⇒④法務局⇒⑤登記完了

 

ローン制度を利用する場合
①落札⇒②ローン制度利用の申出⇒③残代金の納付⇒④裁判所書記官による登記嘱託(所有権移転・抵当権抹消等)⇒⑤ローン設定(司法書士又は弁護士)⇒⑥法務局⇒⑦登記完了

ローン制度の利用の有無を問わず、落札することは勿論大前提となりますが、ローン制度を利用する場合には、②の残代金の納付の前に、買受人と金融機関が共同で、ローン制度の申出書(民事執行法82条2項に基づく申出書)を提出しておくことが必要です。

具体的には、まず競売物件を購入することが決まったら、金融機関に融資の相談をしてください。

金融機関を買受人との間で競売物件についてローンを設定する契約が成立したら、残代金の納付日の5営業日前までに「民事執行法82条2項の規定による申出書」や「指定書」その他必要書類を裁判所に提出します。※提出期限は、裁判所により異なるケースもありますので、事前に確認しておくことも大切です。

この申出書は、金融機関と買受人が連名で作成する必要があります。「申出書」や「指定書」を提出しておくことで、所有権移転等の登記とローン設定登記を同時に、買受人と金融機関が指定する司法書士を使用することができます。
代金納付が完了すると、裁判所は、登記に必要な登記嘱託書を、事前の指定書によって指定された司法書士に対して交付しますので、司法書士は、登記嘱託書とローン設定の登記申請を同時に法務局に提出することで、同日に所有権移転とローン設定を行うことができます。

<ローン制度利用の際の主な必要書類>

  1. 民事執行82条2項の規定による申出書 
  2. 不動産登記事項証明書(発行後1週間以内程度)
  3. 資格証明書(法人の場合)又は住民票(個人の場合)
  4. 固定資産評価証明書
  5. (根)抵当権者(融資をする金融機関等)の資格証明書
  6. (根)抵当権設定契約書の写し
  7. 指定書 
  8. 買受人の印鑑証明書

ローン制度利用の際の注意点

  • 競売物件に融資してくれる金融機関との交渉が事前に必要

全ての金融機関が、競売物件の融資に前向きとは限りませんし、融資の審査にも相応の時間がかかります。競売物件には代金納付期限も定められていますので、余裕をもって交渉にあたることも大切です。

  • 融資が決まっても、代金納付予定日の前に裁判所に手続きが必要

融資が無事決まっても、ローン利用制度を利用する旨は、事前に裁判所に申出する必要があります。

必要書類も決められておりますので、裁判所や金融機関と調整しながら、速やかに進めていくことが大切です。

 

競売物件の購入でローン制度の利用を検討されている方、手続きでお困りの方などは、当事務所にご相談ください。

金融機関や裁判所との調整なども、一緒にさせて頂くこともできますので、お気軽にご連絡ください。

« Older Entries Newer Entries »

トップへ戻る

0664239083電話番号リンク 問い合わせバナー