相続人が行方不明|尼崎での探し方と遺産分割手続きを解説

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相続人が行方不明・音信不通…遺産分割は全員参加が絶対条件

「亡くなった父の相続手続きを進めたいのに、兄(弟)がどこにいるか分からず、連絡もつかない…」
「もう何十年も会っていない親族が相続人に含まれていて、遺産分割協議が始められない…」

尼崎市で相続問題に直面されている方の中には、このような深刻なお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切なご家族を亡くされた悲しみに加え、手続きが進まないことへの焦りや不安で、心身ともに疲弊されているかもしれません。

まず、ご理解いただきたい大切な原則があります。それは、遺産の分け方を決める遺産分割協議には、相続人全員の参加が法律で定められているということです。

たとえ一人でも行方不明の相続人がいる場合、その方を無視して他の相続人だけで進めた遺産分割協議は法的に無効となってしまいます。預貯金の解約も、不動産の名義変更も、何もかもがストップしてしまうのです。

「どうせ見つからないだろう」「きっと相続に興味はないはずだ」といった自己判断で進めてしまうことは、後々さらに大きなトラブルを招く原因となります。まずはこの問題を直視し、正しい手順で解決へ向かうことが何よりも大切です。

このまま放置は危険!相続人が行方不明で生じる5つのリスク

「そのうち連絡がつくかもしれない」「手続きが面倒だ…」と、問題を先送りにしたくなるお気持ちはよく分かります。しかし、行方不明の相続人を放置し続けることは、想像以上に深刻な事態を引き起こす可能性があります。あなたの大切な財産とご家族を守るためにも、まずはそのリスクを具体的に知ってください。

相続人が行方不明な場合に生じる5つのリスク(財産の凍結、相続税の不利益、維持費の負担、関係者の複雑化、親族関係の悪化)をまとめた図解。

1. 預貯金の解約や不動産の名義変更(相続登記)ができない

最も身近で、すぐに直面する問題がこれです。金融機関は、原則として相続人全員の署名・押印がある遺産分割協議書を求めますが、遺産分割前でも、一定の範囲で共同相続人が単独で払戻しを受けられる制度(民法909条の2)を利用できる場合があります。また、法務局も不動産の名義変更(相続登記)を受け付けてくれません。

つまり、遺産は完全に「塩漬け」状態になってしまいます。さらに、2024年4月からは相続登記が義務化されたため、正当な理由なく放置すれば過料の対象となる可能性もあり、法的な義務違反にもつながってしまうのです。

2. 相続税の申告期限に間に合わず、特例が使えなくなる

相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。この期限は、相続人が行方不明であっても延長されることはありません。

もし遺産分割が決まらないまま申告期限を迎えた場合、法定相続分でいったん申告することになります。この場合、当初の申告時点では「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」を適用できませんが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、申告期限から3年以内に分割が成立したときは、分割後に更正の請求により特例の適用を受けられる場合があります。

3. 相続した不動産を売却・活用できず、管理費だけがかさむ

ご実家などの不動産が遺産に含まれる場合、事態はさらに深刻です。不動産は相続人全員の共有財産となるため、行方不明者がいる限り、売却することも、賃貸に出して活用することも一切できません。

それにもかかわらず、固定資産税やマンションの管理費、修繕積立金といった維持費は毎年発生し続けます。誰も住まず、活用もできないのに、費用だけが出ていく…。まさに「負の財産(負動産)」となって、残されたご家族の負担を増やし続けてしまうのです。

4. さらなる相続(数次相続)が発生し、関係者が増え複雑化する

問題を放置している間に、もし他の相続人(例えば、ご自身の親御様など)が亡くなってしまったらどうなるでしょうか。その方の相続権は、さらにその子供たち(ご自身から見れば兄弟姉妹や甥・姪)へと引き継がれます。これを数次相続といいます。

相続人の数がネズミ算式に増え、面識のない遠い親戚まで手続きに関わってくることになります。そうなると、話し合いをまとめるのは至難の業です。「今のうちに解決しておけば…」と後悔しても手遅れになる前に、一刻も早く行動を起こすことが、あなたの子や孫の世代への責任とも言えるでしょう。

5. 他の相続人との関係が悪化する

手続きが停滞することで、他の相続人との間に見えない溝が生まれることも少なくありません。「なぜ早く探してくれないのか」「何か隠しているのではないか」といった不満や疑心不鬼が、ご家族・ご親族の間に広がり、関係が悪化してしまうケースは非常に多いのです。

金銭的な問題だけでなく、こうした精神的なストレスは計り知れません。信頼できる第三者である専門家を交えることで、冷静な話し合いの場を設け、無用なトラブルを防ぐことにも繋がります。

行方不明の相続人を探す3つのステップ

では、具体的にどうすれば行方不明の相続人を探し出し、手続きを進めることができるのでしょうか。ここでは、取るべき手順を3つのステップで解説します。

ステップ1:自分で調査する(戸籍の附票をたどる)

まず、ご自身でできる調査から始めます。基本となるのは、公的な書類をたどっていく方法です。

  1. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する
    これにより、全ての相続人を確定させます。
  2. 行方不明の相続人の「本籍地」を調べる
    戸籍謄本から本籍地が分かります。
  3. 行方不明の相続人の「戸籍の附票」を取得する
    本籍地の市区町村役場で「戸籍の附票」という書類を取得します。これには、その戸籍が作られてからの住所の履歴が記録されています。

この戸籍の附票を現在のものまで順に追いかけていくことで、住民票上の最後の住所地を突き止めることができます。ただし、戸籍をさかのぼる作業は非常に煩雑で時間がかかりますし、住所変更の届出をしていない場合や、住民票を置いたまま別の場所に住んでいるケースでは、これだけでは居場所が分からないことも少なくありません。相続人の連絡先が分からない場合、自力での調査には限界があるのが実情です。

ステップ2:司法書士など専門家に調査を依頼する

ご自身での調査が難しい、あるいは時間をかけられないという場合は、司法書士などの専門家への依頼も有力な選択肢です。私たち専門家は、「職務上請求」という特別な権限を持っています。これにより、ご依頼者様に代わって、必要な戸籍謄本や住民票などをスムーズに取得することが可能です。

複雑な戸籍の読み解きや、複数の役所とのやり取りといった煩雑な作業をすべてお任せいただけるため、ご自身の時間と手間を大幅に削減できます。何より、必要書類の収集や確認を専門家が行うことで、調査の精度を高め、見落としのリスクを下げられる点は大きなメリットです。

司法書士に相続人調査を依頼し、安心した表情で相談している夫婦。専門家への依頼で問題解決への道筋が見えた様子。

ステップ3:調査しても見つからない場合は法的手続きへ

あらゆる調査を尽くしても、どうしても行方が判明しない、あるいは住民票の住所地に住んでいる実態がないという場合は、次の段階に進む必要があります。それは、家庭裁判所を利用した法的な手続きです。

主な手続きには「不在者財産管理人」の選任申立てと、「失踪宣告」の申立ての2つがあります。どちらの手続きを選択すべきかは状況によって異なりますので、専門家と相談しながら慎重に判断する必要があります。

なお、尼崎市にお住まいの方の場合、これらの手続きの申立て先は管轄の「神戸家庭裁判所 尼崎支部」となります。

参照:神戸家庭裁判所 尼崎支部

不在者財産管理人とは?選任手続きの流れと費用を解説

相続人が行方不明の場合に、最も一般的に利用されるのが「不在者財産管理人」の選任申立てです。これは、行方不明の相続人に代わって財産を管理し、遺産分割協議などに参加する代理人を家庭裁判所に選んでもらう制度です。

不在者財産管理人の選任手続きの流れを4ステップ(申立て、審理、選任、遺産分割協議参加)で示したフローチャート。

不在者財産管理人の役割と権限

選任された不在者財産管理人(多くの場合、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれます)は、行方不明の方(不在者)の財産を守るための「管理人」です。具体的には、不在者の財産目録を作成し、財産を適切に管理・保存します。

そして、遺産分割協議に参加するわけですが、ここで重要なポイントがあります。管理人の基本的な権限はあくまで財産の「保存」であり、遺産分割協議のように財産を「処分」する行為は権限を超えています。そのため、遺産分割協議を行うには、事前に家庭裁判所から「権限外行為許可」という特別な許可を得る必要があるのです。この点が、手続きをより複雑にしています。

申立てから選任までの流れと期間(約2~6ヶ月)

手続きは、家庭裁判所への申立てから始まります。

  1. 申立て:必要書類(申立書、不在の事実を証明する資料、財産目録など)を揃え、家庭裁判所に提出します。
  2. 審理:家庭裁判所が、申立人や候補者と面談したり、追加の調査を行ったりします。
  3. 選任審判:裁判所が適任と判断した人物を不在者財産管理人に選任します。

申立ての準備から、実際に管理人が選任されるまでの期間は、事案にもよりますがおおむね2ヶ月から6ヶ月程度を見ておく必要があります。すぐに遺産分割ができるわけではないことを理解しておくことが大切です。

費用の内訳:申立費用・予納金・専門家報酬

読者の皆様が最も気になるのが費用だと思います。不在者財産管理人の選任には、主に3種類の費用がかかります。

  • 申立費用:収入印紙(800円)や連絡用の郵便切手など、数千円程度の実費です。
  • 予納金:これが最も大きな負担となる可能性があります。選任された管理人の報酬や経費に充てるためのお金で、家庭裁判所に予め納める必要があります。財産の額や管理の複雑さによりますが、数十万円から100万円程度になることも珍しくありません。
  • 専門家報酬:申立ての手続きを司法書士などに依頼した場合の報酬です。

特に予納金は、原則として申立人が負担することになるため、事前にしっかりと準備しておく必要があります。

遺産分割協議での注意点:不在者の法定相続分は確保が必要

不在者財産管理人が参加する遺産分割協議では、不在者の利益を守ることが最優先されます。管理人は、不在者が不利益を被るような内容の協議案に同意することはありません。

具体的には、少なくとも不在者の「法定相続分」に相当する財産は確保しなければなりません。もし、それに反するような内容(例えば「不在者の取得分はゼロにする」など)の遺産分割案を作成しても、家庭裁判所は権限外行為許可を出してくれません。他の相続人の都合だけで自由に遺産を分けられるわけではない、という点は必ず覚えておきましょう。

参照:不在者財産管理人選任 | 裁判所

もう一つの選択肢「失踪宣告」とは?

不在者財産管理人制度と並んで検討されるのが「失踪宣告」です。これは、長期間にわたって生死が不明な人について、法律上「死亡した」とみなす制度です。非常に強力な効果を持つため、利用できるケースは限られます。

失踪宣告の2つの種類(普通失踪と特別失踪)

失踪宣告には2つの種類があります。

  • 普通失踪:従来の住所地を去り、7年間、生死が明らかでない場合に申立てができます。7年の期間が満了した時に死亡したとみなされます。
  • 特別失踪(危難失踪):戦争、船舶の沈没、震災などの危難に遭遇し、その危難が去った後、1年間、生死が明らかでない場合に申立てができます。危難が去った時に死亡したとみなされます。

メリットとデメリット(手続き期間が長く、取消しのリスクも)

失踪宣告の最大のメリットは、一度確定すれば、その相続人は法律上死亡したものとして扱われるため、遺産分割協議を進めることができる点です。不在者財産管理人のように、継続的な管理や報酬の支払いは発生しません。

しかし、デメリットも重大です。まず、手続きに時間がかかります。申立てから審判が確定するまで、通常1年程度の期間を要します。
そして最大のリスクは、万が一、本人が生きて帰ってきた場合です。本人や利害関係人の請求により失踪宣告が取り消された場合、失踪宣告によって財産を得た者は権利を失い、現に利益を受けている限度で財産の返還が必要となる可能性があります。また、失踪宣告の取消しは、取消し前に善意でした行為の効力には影響しないとされています。

【事前対策】遺言書があれば手続きはスムーズに進む

ここまで、相続が発生した後の対処法について解説してきましたが、実は最も有効なのは事前の対策です。もし、将来ご自身の相続で家族が揉めないようにしたいとお考えなら、「遺言書」を作成しておくことを強くお勧めします。

遺言書で「誰に、どの財産を、どれだけ相続させるか」を明確に指定しておけば、原則として遺産分割協議を行う必要がありません。つまり、たとえ相続人の中に行方不明の方がいたとしても、不在者財産管理人の選任といった時間と費用のかかる手続きを経ずに、遺言の内容に沿ってスムーズに財産を引き継がせることが可能になるのです。

残されるご家族への最大の思いやりとして、遺言が必要かお悩みの方は、ぜひ一度私たち専門家にご相談ください。

尼崎で相続人の行方不明問題にお悩みなら、まずご相談ください

相続人が行方不明という問題は、法律的な知識と複雑な手続きが絡み合い、ご自身だけで解決するのは非常に困難です。ここまでお読みいただき、「何から手をつければいいのか…」「自分たちだけで進めるのは不安だ」と感じられた方も多いのではないでしょうか。そんな時は、どうか一人で抱え込まず、私たち専門家にお声がけください。

司法書士に依頼する3つのメリット

相続の専門家である司法書士にご依頼いただくことで、次のようなメリットがあります。

  1. 時間と手間の大幅な削減
    複雑な戸籍の収集・読み解きから、難解な裁判所提出書類の作成、その後の手続きまで、すべてをワンストップでお任せいただけます。
  2. 状況に応じた最適な解決策の提案
    ご事情を丁寧にお伺いした上で、不在者財産管理人制度と失踪宣告のどちらが適切か、あるいは他の方法はないかなど、専門的な視点から最善の道筋をご提案します。
  3. 精神的な負担の軽減
    先が見えない不安や、他の相続人との調整役といった精神的なストレスから解放され、安心して手続きの完了を待つことができます。

当事務所の相続サポートと初回無料相談のご案内

私たち、司法書士法人れみらい事務所は、尼崎市に拠点を置き、これまで数多くの相続問題、特に相続人が行方不明という困難な案件を解決に導いてまいりました。

相続人の調査から、遺産分割協議書の作成、そして不在者財産管理人の選任申立てまで、相続に関するあらゆる手続きをトータルでサポートいたします。私たちは単に手続きを代行するだけでなく、ご依頼者様のお気持ちに寄り添い、一日でも早く安らかな日常を取り戻せるよう、親身に対応することをお約束します。

初回のご相談は無料です。まずはお電話かお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。あなたのお悩みを、私たちが一緒に解決します。

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