法定相続情報一覧図は自分で作れる?司法書士が解説!

法定相続情報一覧図とは?相続手続きを効率化する証明書

ご家族が亡くなられた後、待ったなしで始まるのが相続手続きです。不動産の名義変更、銀行預金の解約、株式の移管…これら多くの手続きで、故人(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を揃えて提出する必要があります。

相続関係が複雑な場合、戸籍謄本の束は数十枚にもなり、まるで分厚い本のようになってしまうことも。この「戸籍の束」を、手続き先ごとに何度も提出し、その都度内容の確認を待つのは、想像以上に時間と手間がかかる作業です。

そんな煩雑な手続きを劇的に効率化するために生まれたのが、「法定相続情報一覧図」です。これは、法務局が戸籍謄本の内容を審査し、「この相続関係で間違いありません」と公的に証明してくれる、いわば「相続関係のお墨付き証明書」のようなもの。この制度の全体像については、法定相続情報一覧の利用方法で体系的に解説しています。

戸籍謄本の束が「1枚の紙」に変わるメリット

法定相続情報一覧図を利用する最大のメリットは、何と言ってもその利便性です。これまで、複数の相続手続きを同時に進めようとすると、各機関で戸籍の束を提出しては返却を待つという、非効率な「順番待ち」が発生していました。

しかし、法定相続情報一覧図の写しは、必要な枚数を一度に無料で取得できます。これにより、複数の手続きを同時並行で進めることが可能になり、相続手続き全体のスピードが格段にアップします。分厚い戸籍の束を持ち歩く必要もなくなり、精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。

どんな手続きで使える?主な利用場面

法定相続情報一覧図は、戸籍謄本の代わりとして、主に以下のような手続きで利用できます。

  • 不動産の相続登記(名義変更)
  • 預貯金の解約・名義変更
  • 株式など有価証券の名義変更
  • 相続税の申告
  • 年金に関する手続き

これらの手続きが複数ある方にとっては、非常に強力なツールとなるはずです。

法定相続情報一覧図を自分で作成する流れと「5つの壁」

「こんなに便利な書類なら、自分で作ってみたい」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その道のりには、一般の方がつまずきやすい「5つの壁」が存在します。ここでは、作成の公式な流れと、それぞれのステップに潜む困難さを具体的にお伝えします。

第1の壁:想像以上に大変な「戸籍謄本の収集」

最初の壁は、証明の根拠となる戸籍謄本等の収集です。特に大変なのが、被相続人の「出生から死亡まで」の連続した戸籍(除籍、改製原戸籍)をすべて集める作業です。

人は結婚や転籍で本籍地を移すことが多く、その都度新しい戸籍が作られます。もし故人が何度も本籍地を変えていた場合、過去の本籍地を一つずつ遡って、それぞれの役所に郵送で請求しなければなりません。古い戸籍は手書きで書かれていることが多く、達筆すぎて読めなかったり、旧字体で書かれていて解読が困難だったりすることも珍しくありません。

さらに、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。相続人が多かったり、兄弟姉妹が全国に散らばっていたりすると、全員分を集めるだけで一苦労です。

2024年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、一部の戸籍は最寄りの役所で取得できるようになりましたが、コンピュータ化される前の古い戸籍などは対象外となるケースもあり、結局は郵送請求が必要になることも少なくありません。この「戸籍集め」という最初のステップで、多くの方が疲弊してしまうのが現実です。

参照: 戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行) – 法務省

第2の壁:間違いが許されない「一覧図の作成」

無事に戸籍が集まったら、次はその情報を元に一覧図を作成します。これもまた、細かなルールが多く、間違いが許されない神経を使う作業です。

法定相続情報一覧図の作成で間違いやすいポイントの図解。良い例(続柄が「子」、住所が省略なし)と悪い例(続柄が「長男」、住所がハイフンで省略)を比較している。

一覧図は法務局が定める様式に沿って作成する必要があり、手書き、パソコン作成のどちらも可能ですが、それぞれに注意点があります。

  • 手書きの場合:黒ボールペンなどを使い、楷書で丁寧に書く必要があります。
  • パソコンの場合:旧字や外字が正しく表示されているか、細心の注意が必要です。

特に間違いやすいのが、以下の点です。

  • 続柄の記載:戸籍の記載に合わせて「長女」「三男」など、戸籍どおりに正確に記載します。
  • 住所の記載:住民票の通り、一字一句省略せずに記載します。「1丁目2番地3号」を「1-2-3」のように省略することは認められません。

少しの記載ミスでも、修正(補正)を求められることもあります。

参照: 主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例 – 法務局

第3の壁:平日日中のみ対応の「法務局とのやり取り」

書類が完成したら、管轄の法務局へ申出を行います。しかし、法務局が開いているのは平日の日中のみ。お仕事をされている方にとっては、申請のため、また不備があった場合の対応のために、何度も休みを取るのは大きな負担となります。

郵送での申出も可能ですが、もし書類に不備が見つかった場合、電話で修正箇所の指示を受け、正しい書類を再送するといった煩雑なやり取りが発生します。その分、証明書が発行されるまでの時間も大幅に延びてしまいます。この「時間の壁」は、忙しい方にとって想像以上に高い壁となるでしょう。

第4の壁:数次相続など「複雑なケースへの対応」

相続関係が複雑なケースでは、ご自身での作成は極めて困難になります。

  • 数次相続:遺産分割が終わらないうちに相続人の一人が亡くなってしまい、次の相続が始まっているケース。
  • 代襲相続:本来相続人になるはずの子が先に亡くなっており、その子(孫)が代わりに相続人になるケース。
  • 海外在住の相続人:相続人の中に海外にお住まいの方がいるケース。

これらのケースでは、誰が相続人になるのかを確定させるだけでも専門的な知識が必要です。例えば、相続人が行方不明の場合など、一覧図を作成する以前に解決すべき問題があることも。ご自身の判断で進めてしまうと、後で重大な間違いが発覚し、すべての手続きをやり直す事態にもなりかねません。

第5の壁:やり直しによる「時間と精神的な負担」

最後の壁は、これまでの壁を乗り越えられなかった場合に訪れる、精神的な負担です。書類の不備で法務局から何度も差し戻され、そのたびに金融機関での手続きはストップ。いつになったら終わるのかという焦りと、慣れない作業の連続によるストレスは計り知れません。

貴重な時間と労力を費やした結果、結局うまくいかずに専門家へ相談…というのでは、金銭的なコストだけでなく、時間と心のコストが非常にもったいないと言えるでしょう。

司法書士に依頼するメリットと費用|時間と安心を買う選択

ここまで読んで、「自分でやるのは大変そうだ…」と感じられた方も多いのではないでしょうか。そんな時に頼りになるのが、私たち司法書士です。司法書士への依頼は、単なる「手続きの代行」ではありません。それは、「貴重な時間と心の平穏、そして手続きの確実性を手に入れるための、賢明な投資」なのです。

メリット1:面倒な戸籍収集から解放される

司法書士事務所で相談する夫婦。女性司法書士が親身に話を聞いており、安心して相談できる雰囲気が伝わる。

司法書士にご依頼いただくメリットの一つが、煩雑な「戸籍収集」の負担を大きく軽減できることです。受任した手続に必要な範囲で、職務上請求等により戸籍謄本等を取得できる場合があります。そのため、ご依頼者様ご自身が役所での請求や郵送請求に追われる負担を減らし、状況に応じて必要な確認のみご協力いただきながら手続きを進めることができます。

メリット2:正確な書類作成で手続きが止まらない

相続手続きの専門家として、法務局の様式やルールに沿って法定相続情報一覧図を作成し、記載漏れや不整合が生じにくいよう丁寧に確認します。これにより、書類不備による補正の可能性をできる限り抑え、相続手続きが滞りにくくなるようサポートします。

特に、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)が迫っているなど、手続きの遅れが許されない状況において、この「確実性」と「スピード」は大きな安心材料となるはずです。

メリット3:相続全体の相談窓口になる

私たちの役割は、法定相続情報一覧図を作成して終わりではありません。司法書士は、その後の不動産の名義変更(相続登記)や、相続人全員の合意内容をまとめる遺産分割協議書の作成など、相続手続き全体の専門家です。

一覧図の作成をきっかけに、相続に関するあらゆるお悩みをご相談いただける「頼れるパートナー」として、最後まで皆様をサポートいたします。目先の手続きだけでなく、その先の安心まで見据えたお手伝いができるのが、私たちの強みです。

司法書士への依頼費用と当事務所の料金プラン

ご依頼にあたって、やはり費用は気になる点かと思います。一般的な司法書士事務所に法定相続情報一覧図の作成を依頼した場合の費用は、事務所や案件の内容(相続関係の複雑さ、戸籍収集の有無など)によって異なります。

司法書士法人れみらい事務所では、よりご依頼いただきやすい料金プランをご用意しております。

  • 法定相続情報証明制度の申出(法定相続情報一覧図の作成・申出):30,000円(税別)

さらに、最も大変な戸籍収集からご依頼いただく場合は、セット料金としてよりお得にご利用いただけます。

また、不動産の名義変更や預貯金の解約など、相続手続き全体をまとめてお任せいただける、当事務所で最もご依頼の多い相続手続きトータルサポートプランもございます。お客様の状況に合わせて最適なプランをご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ:確実な相続手続きは専門家への相談から

法定相続情報一覧図は、相続手続きを大幅に効率化できる、非常に便利な制度です。しかし、その作成には戸籍の正確な読み取りや、法務局の細かなルールへの対応など、専門的な知識と多くの時間を要する「壁」が存在します。

大切なご家族を亡くされ、心身ともにお疲れの時に、慣れない手続きでさらに大きな負担を抱え込む必要はありません。「餅は餅屋」という言葉があるように、複雑で間違いの許されない手続きは、専門家である私たち司法書士にお任せいただくのが、結果的に最も確実で、心穏やかに過ごせる選択肢だと考えています。

司法書士法人れみらい事務所では、お客様のお気持ちに寄り添い、親身にお話をお伺いすることをお約束します。初回のご相談は無料です。まずはお一人で悩まず、あなたの状況をお聞かせください。私たちが、その不安を安心に変えるお手伝いをいたします。

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