帰化した後に公正証書遺言を作成するには

当事務所にも帰化した方が日本の法律で遺言を作りたいとご相談を受けるケースがよくあり、ここでは、遺言を作成するときの注意点を含め、ご説明していきたいと思います。


✅ 帰化した方が遺言を作るときの注意点

外国籍から日本国籍に帰化した後は、

相続・遺言のルールがすべて日本の民法に変わります。

そのため、帰化前に作った外国法による遺言は

そのままでは日本で使えないことがあり、

日本法に基づく公正証書遺言を作り直すのが安心です。


✅ 公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証人が本人の意思を聞き取り、

法律に沿って作成・保管してくれる正式な遺言書です。

💡 帰化後の方にとって特におすすめの理由:

  • 内容や形式の不備がない(公証人が確認)

  • 原本を公証役場で保管してくれる(紛失の心配なし)

  • 日本語の法的文書として確実に有効


✅ 帰化後の公正証書遺言の作成の流れ(ステップ形式)

🧩 ステップ1:専門家への相談・準備

まずは以下のような内容について相談し、以下を整理します。

  • 帰化日と現在の国籍

  • 家族関係(帰化前・帰化後を含む)

  • 相続財産(不動産・預金・株式など)

  • 遺言の目的(誰に何を遺したいか)

👉 帰化前の婚姻・出生・離婚などの記録がある場合、

戸籍や翻訳証明を用いて家族関係の連続性を確認しておくことが大切です。


🧾 ステップ2:必要書類をそろえる

書類名 内容
戸籍謄本 帰化後の本籍が記載されたもの
住民票 現住所を確認するため
財産資料 不動産登記事項証明書、預金通帳、株式など
身分証明書 運転免許証・マイナンバーカードなど
帰化証明書(写し) 帰化を証明する資料(必要に応じて)

※ 不動産を相続させる場合は「登記簿謄本」が必須です。


💬 ステップ3:公証人との打ち合わせ

司法書士が間に入って公証役場と事前調整を行います。

打ち合わせでは次の点を確認します:

  • 遺言の内容(誰に・何を・どのように遺すか)

  • 外国籍時代の家族関係がある場合の記載方法

  • 外国語表記(名前・住所など)の扱い

💡 帰化前の氏名・ローマ字名などが登記や銀行に残っている場合、正確な表記統一もこの段階で行います。


🏛 ステップ4:公証役場での遺言作成

公証役場で、本人の意思を確認しながら遺言書を正式に作成します。

この際、次のような流れになります。

  • 本人が遺言の趣旨を公証人に口述

  • 作成した遺言を公証人が読み上げ、本人と証人が確認

  • 本人・証人・公証人が署名

  • 公証人が原本を保管し、正本・謄本を交付


📜 ステップ5:完成・保管

遺言が完成したら、次の2点を確認しましょう。

  • 原本は公証役場で保管されるため、紛失の心配なし

  • 正本または謄本を自宅または司法書士など信頼できる方が保管

また、「法務局の遺言書検索制度(自筆証書遺言用)」とは異なり、公正証書遺言は全国の公証役場で一元管理されています。

相続発生後にスムーズに確認できます。


✅ 帰化後の方が注意すべきポイント

注意点 解説
帰化前の氏名表記 不動産・預金に旧名が残る場合あり。登記簿と合わせる必要あり
外国に家族がいる場合 日本の遺言効力が及ぶ範囲を確認(海外財産は対象外の場合あり)
翻訳が必要な書類 帰化証明書・外国の出生証明書などは日本語訳を添付
二重国籍の確認 法的な国籍が日本であることを前提に作成する

✅ まとめ:帰化後の遺言は「日本法で作り直す」のが安心

項目 内容
作成方式 公正証書遺言がおすすめ
担当機関 公証役場(司法書士がサポート)
所要期間 約2〜4週間(内容調整含む)
必要書類 戸籍・住民票・財産資料など
メリット 法的に確実・紛失なし・日本法に完全対応

✅ お困りの際はご相談ください

「帰化前に作った遺言をどうすればいいか」

「日本で有効な遺言を作りたい」

「外国籍の家族がいるが日本の不動産を相続させたい」

こうしたお悩みは、当事務所で手続きをサポートいたします。

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