Archive for the ‘相続’ Category
遺言を書きたいが、どこから始めればよいか
遺言とは
遺言は、遺言書を残されるご自身の意思を残すための制度です。自分が死んだあとも家族が揉めることなく暮らしてほしい、世話になった人に金銭を渡したいなど、ご本人の意思をを叶えるためには遺言が必要です。あくまでご家族様の思い通りの相続を実現するための制度ではありません。ただし、遺言は万能なものではなく、効力があるのは※法律で効力が認められている場合に限ります。
※法律効果が発生する主な遺言の内容
- 法定相続分とは違う割合にする
- 個々の遺産について相続させる人の指定をする
- 特別受益者の持戻しの免除
- 一定期間、遺産分割を禁止する
- 推定相続人の廃除または廃除の取消
- 遺言執行者の指定
- 相続人以外への寄付、贈与
- 遺留分減殺の指定
- 婚姻外の子の認知
- 未成年後見人の指定 など
勿論、遺言を残すのも残さないのも自由です。遺言がない場合には、法定相続によって相続することとなります。特に相続人同士の仲もよく、揉めることもないだろうから法定相続分とおりでよいと考え、遺言を残さないこともあるでしょう。しかし、法定相続で決まっているのは、相続分の割合までです。個々の遺産についてどの遺産を誰が相続するのかまでは決まっていませんので、この場合は相続人全員による遺産分割協議で決めることになります。従ってそこで争いが起こることも十分あり得るということです。
遺言にはどんなことを書けばよいのか
遺言で書く内容は効力のあるものでなければなりません。例えば、妻、子供2人が相続人としており、長男が体が弱く将来が心配なので「長男にできるだけ多くの遺産の残す」といった遺言では効力がありません。ご自身の意思を残すためにも、具体的に「長男に〇〇銀行〇〇支店の定期預金〇〇円を相続させる」といった内容が必要です。ただし、相続には遺留分というものがあります。遺留分とは兄弟姉妹以外の相続人であって、最低限相続できる割合のことです。相続人が妻、子供2人の場合、子1人の遺留分は8分の1となります。後の争いを避けるために、遺留分にも気をつけた遺言であることが望ましいでしょう。
遺言の種類について
遺言の種類は大きく分けて以下の3つの種類があります。
●自筆証書遺言
作成が最も簡単で多く利用されているものです。
『遺言者』が、①その全文 ②日付 ③氏名を『自書』し、『押印』して作成する方式の遺言です。財産目録については、法改正によりパソコン作成、通帳移りの添付なども可能になりました。
紙と筆記用具さえあれば作成可能ですから、費用もかからず直ぐに作成できます。また、証人も不要ですので、遺言の内容を他人に知られることなく作成することができます。
しかし、反面、専門家の関与なしに作成されるため要式を欠いているかのチェックができず、残念ながら無効な遺言書となっている場合もあります。
また、法務局による「遺言書保管制度」も始まりましたが、基本的には自身で保管するため、紛失や、相続人に中々発見されず遺言が生かされないケースも多くありません。
また、開封時には家庭裁判所での検認手続きが必要になりますので注意が必要です。
●公正証書遺言
公証人に依頼して作成してもらう遺言です。証人2人以上の立会が必要で、『遺言者』が遺言の趣旨を口述し、公証人がその内容を筆記してこれを遺言者および証人に読み聞かせます。
事前打ち合わせによって作成するために、内容の整った不備のない遺言を作成することができ、かつ公証役場で保管してもらうので遺言書の紛失や未発見という恐れがない等のメリットがあります。また、家庭裁判所の検認も必要ないために、後日の紛争防止には、一番適した遺言方式だといえます。
ただし、公正役場から遺言書があることの通知はしてくれませんので、相続人となる人には伝えておく方がよいでしょう。相続人が公正証書遺言があるかないかの確認は公正証書遺言検索システムでも可能です。デメリットは、公証役場が関与しますので、その分費用が多くかかってしまう点や、証人が必要となるため、遺言の内容を人に知られてしまうということがあります。
●秘密証書遺言
『遺言者』がご自身で適当な用紙で遺言書を作成し(パソコン作成、代筆可)、自署・押印したうえで封印し、公証役場にて証人の立会いの下で公証役場での保管を依頼する方式の遺言です。
全文を直筆する必要はなく、パソコンや代筆での作成も可能ですので自筆証書遺言と比べて字が書けない方でも利用が可能です。
また、封印してから持ち込みますので、遺言の内容を誰にも知らせずに済む、保管も公証役場でされますので紛失、未発見の恐れがない等のメリットがあります。
反面、自筆証書遺言と同様、遺言書作成自体に専門家の関与がないため無効な遺言となってしまう危険性があります。また、費用がかかってしまうというデメリットもあります。
また、開封時には、家庭裁判所での検認手続きも必要になってきます。
遺言執行手続きについて
遺言の執行とは、遺言の内容のとおりの相続をさせるための手続きです。自筆証書遺言および秘密証書遺言の場合は、遺言執行をする前の手続きとして遺言書の検認の手続きが必要です。これは、「遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人は、遺言者の死亡後遅滞なく、その遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けなければならない」という制度で、家庭裁判所が遺言書の形式などを調査・確認して、偽造・変造を防止し、その後の保存を確実にするためのものです。遺言内容の真否や遺言書の有効・無効を判定するものではありません。この検認手続きは、公正証書遺言では不要です。検認手続きが終わると、遺言の内容を実現するために、金融機関、証券会社などの具体的な手続きが必要となりますし、相続人の廃除では家庭裁判所の申請、認知では役所への届出も必要です。
遺言の内容を確実に実行してもらうために、遺言執行者をつけておくこともできます。遺言執行者は、遺言者の意思を実現するために職務を遂行する者で、遺言で指定することができます。遺言執行者は相続人でもなれることができますので、信頼できる相続人を指定しておくこともできますし、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することもできます。この場合には、報酬が発生しますので、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
当事務所では、無効な遺言書を防ぐため、要式チェックのサポートをしております。秘密厳守は厳守いたします。遺産配分についての法的アドバイスも含めての相談ができますので、ぜひご活用ください。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置し、お仕事帰りや日中お時間が空いた時にでも立ち寄りやすい場所にあります。
尼崎で遺言作成を検討されている方は当事務所へご相談ください。
認知症になったら不動産を売却できるの?
不動産を所有している親が認知症になったら?
日本は超高齢化社会に突入しており、今後もますます高齢者の人口・割合が増えていくことが予想されます。
それに伴って認知症となる人が増えていくことは当然考えられます。
親が預貯金はあまりないが、不動産を所有しているケースで、認知症になった後の介護施設への入居費用、または生活費・医療費などの支払いのために今後誰も住むことがないであろう不動産を売却して現金化したいというニーズは出てくることもあると思います。
そのような場合に不動産を売却することができるのでしょうか。
不動産の売買契約には意思能力を有していることが求められます。
認知症になったり、判断能力が低下しているとこの契約の意思能力を有しているとみなすことが難しくなってしまいます。認知症になったら意思能力を有していないと単純に判断されるものではありませんが、少なくとも売買契約の内容及び登記名義人を変更するための登記手続きに対する理解は必要かと思います。
いずれにしても、認知症になったり、判断能力が低下すると不動産を売却することは一切できなくなるわけではありません。
以下に大きく分けて2種類ある売却する方法についてご説明します。
成年後見制度の利用
不動産の所有者が判断能力がない限り、仮にその相続人全員が同意していても売却することはできません。相続人といっても本人ではなく、あくまで代理人という立場にしかなれないからです。そこで成年後見制度を利用することで成年後見人が認知症である本人に代わって売却することができるようになります。
- それでは成年後見制度とはどういう制度でしょうか。
成年後見といえば、皆さんは真っ先に、「高齢で認知症になったときに使わなくてはいけない制度」と思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、成年後見制度は高齢者だけを対象とするものではありません。
高齢による認知症に限らず、知的障害、精神障害などの理由で判断能力を欠く、もしくは不十分な方々も対象とした制度です。
判断能力を欠いたり、不十分になったりすると、預貯金の入出金などの管理、生活費・医療費などの給付、施設への入所の手続き、相続問題などについて、自身で判断し、対処することが難しい場合が出てきます。
また、自分に不利益な内容であっても判断できずに、高額商品の売り込みによる購入や、振り込め詐欺などの被害に合うケースも十分考えられます。
このような被害を防ぐために、財産を管理し、本人のために活用するなど判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。
しかしながら、成年後見制度を利用するには相応の時間とお金が必要となり、また家庭裁判所の管理下に置かれるために、本人の生活費・医療費のためなど本人にとって意味のあるものでしかお金を払い出ししたり、使うことはできません。
そのため、相続人の生活費のため、孫の教育費のためなどの理由では、成年後見人は本人の不動産を売却することはできません。
また、本人のためであったとしても、本人の金融資産が潤沢にあるような状況では、不動産を売る必要性が無いとみなされ、売却することはできないでしょう。
- 成年後見制度を利用した不動産売却の手続きについて
成年後見人が本人の居住用不動産を売却するときは、家庭裁判所の許可が必要となります。
居住用不動産売却に係る家庭裁判所の許可を得るには、成年後見人が家庭裁判所に対して、居住用不動産処分の許可の申立てを行います。
買主がいるからすぐに売却手続きができるわけではなく、家庭裁判所の許可を得て初めて取引ができるようになるなど、手続きも厳格化されます。
ただし、成年後見人は不動産の売却だけではなく、本人が亡くなられるか意思能力が回復するまでは、業務は行うことになりますので、ご注意ください。
家族信託(家族のための信託)の利用
家族信託を利用すれば認知症及び判断能力が低下している方でも事前に信託契約を締結し、内容を定めておくことにより所有している不動産を売却することもできます。
実際に信託契約に沿った条件を満たした時には、受託者が不動産を売却できる旨などの記載しておくことで、受託者は委託者(本人)に代わって不動産を売却することができます。
この制度を利用する場合には、成年後見制度と違い、家庭裁判所の許可も不要であり、また資金使途なども信託契約に定めておくことである程度柔軟に対応することも可能です。
いずれにしても、家族信託は信託契約により成立しますので、認知症となった後では契約行為をすることはできず、この制度を利用することはできません。
どちらの制度を検討するにしても、今まで親子・家族間では言えなかった財産について前向きに話し合うきっかけにきっとなることでしょう。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
遺言書の保管制度について
遺言書保管制度とは?
従来の相続法では、自筆証書遺言を公的機関などで保管する制度はありませんでした。
自筆証書遺言は自宅などで保管されることが多いので、紛失したり、破棄されたり、場合によっては偽造されたりする恐れもありました。
改正相続法では、こうした問題で起こりうるトラブルを防止するために、また自筆証書遺言を利用しやすくするために、法務局で遺言書を保管する制度が新設されました。
(令和2年7月10日施行)
遺言書保管制度についてのリンクはこちら
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
遺言書の保管制度の手続きの流れ
Step1:遺言者自ら(代理人不可)が※管轄法務局に申請書、自筆証書遺言及び必要書類を持参して申請
遺言書の保管の申請は1件3,900円手数料がかかります。
※管轄法務局(下記①~③のいずれかの管轄法務局)
①遺言者の住所地
②遺言者の本籍地
③遺言者が所有する不動産の所在地
尼崎(塚口)に遺言者の住所地がある場合の管轄法務局はこちら
http://houmukyoku.moj.go.jp/kobe/table/shikyokutou/all/amagasaki.html
Step2:法務局で本人確認、形式審査を行う
遺言書保管官が、原本を保管するとともに、遺言書に係る情報を管理
遺言者の死亡により、相続開始
相続人などは、「遺言書情報証明書」の交付請求や遺言書の原本の閲覧を請求
(遺言者の死亡後でないと、交付請求はできません)
法務局及び遺言書保管官は、遺言書情報証明書を交付するか相続人などに遺言書の閲覧をさせたときは、当該遺言書を保管している旨を遺言者の他の相続人、受贈者、遺言執行者に通知
相続手続き開始(家庭裁判所の検認不要)
遺言書保管制度のメリット・デメリット
メリット:
●紛失や偽造の心配がない
●法務局で事前に形式審査を行うので、形式不備の心配がない
●家庭裁判所の検認が不要なので、相続開始後の手間がへる
●保管後に相続人の一人に遺言書の証明書を交付した り遺言書の閲覧をさせた場合,他の相続人 に遺言書が保管されていることが通知される
●保管後も遺言書の撤回・変更ができる
デメリット:
●本人が必ず法務局まで出頭しなければならない
(寝たきりなどで外出できない場合には利用できない)
●法務局での要式チェックはされない為、無効な遺言もそのまま受け付けられてしまう
●従来、自筆証書遺言においてはその紛失や発見されないままになってしまうというデメリットが大きな壁でした。かといって公証役場で保管してもらえる、公正証書はそれなりの作成料がかかってしまうというデメリットがあります。
紛失のおそれもなく、この保管制度はこれから大きく注目される事でしょう。
ただし、法務局での遺言書の要式チェックはなされません。
きちんと保管されていてもそれが無効な遺言では、ご自身の意思は反映されません。
新しい制度には、メリットも多くございますが、見落としがちなデメリットも必ずあるものです。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。遺言書の作成について、不安な方、分からない方は当事務所が秘密厳守で遺言書作成のお手伝いをさせて頂きます。
法定相続情報証明制度について
法定相続情報証明制度とは
法定相続証明制度は2017年5月29日に開始された制度で、亡くなった人(被相続人)の法定相続人は誰で、各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を証明するための制度です。
この制度が開始される以前は、相続手続きにおいて相続情報を証明するために、相続関係説明図を作成したり、被相続人及び相続人全員の戸籍謄本等の提出が必要とされ、労力が大変にかかるものでした。それが、この制度によって逐一銀行等に戸籍謄本等の提出をする手間が省け、簡単に証明できるようになりました。
この中で法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことです。
この法定相続情報一覧図の写しが、従来の戸籍謄本等の膨大な提出書類の代わりに、法定相続人の情報・内容を証明してくれるので、相続手続きを円滑に進めることができるのです。
あくまでこの制度の利用は任意なので、従来通りの方法によって法定相続情報を証明しても構いません。
ここで、「法定相続情報一覧図と相続関係説明図と同じ書類では?」と思われる方もいるでしょう。
「相続関係説明図」も「法定相続情報」もいずれも「被相続人の相続関係を表している書類」という点では同じ書類になります。
相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違い
相違点①【作成者の違い】
そもそも法定相続証明情報制度は、各種相続手続きにおいて毎回膨大な戸籍等の提出をするのは、提出者のコストや手間も膨大であるし、その戸籍等を全て確認する受け手側にとっての労力も膨大であるから、法務局にて一度戸籍等で相続関係を確認し、それがきちんと正確に「相続関係情報」として一覧図にて記載されていれば、以後、その記載内容でもって相続関係を間違いのないものと扱ってよいとして、手続きの簡素化を図ったものです。
よって、法定相続証明情報は法務局によって「認証」がなられた公的な書類ということになります。
一方、相続関係説明図の作成は、法務局の関与はありません。一般の方でも、ご相続人の方自身で作成できます。
相違点②【記載内容の違い】
法定相続情報一覧図には既に亡くなっている方の記載されません。
(例えば、被相続人が母であって配偶者の父が既に他界していた場合には、父の記載はされない)
法定相続情報一覧図には廃除を受けた相続人の記載されません。
法定相続情報一覧図には遺産分割や相続放棄等の記載はされません。
法定相続情報一覧図には数次相続の場合には次の相続は記載されません。
法定相続情報一覧図は、あくまで、現在の相続人が誰であるのか、その相続関係をなるべく簡素にわかりやすく記載する一覧図となるので、記載事項に制限があるのです。
一方、相続関係説明図には、上記のとおり記載事項に制限はありません。
既に他界している父も記載するのが一般的ですし、本来の相続人は全て記載し、遺産分割によって相続分がなくなれば、遺産分割の旨を、相続放棄によって相続しないこととなった場合には、放棄の旨を記載していくのが一般的となります。
相続関係全体を把握するには、簡素化された法定相続証明情報制度を利用するよりも、全てを一覧表記していく「相続関係説明図」の方が適している場合も多いのです。
相違点③【利用方法の違い】
法定相続情報の一覧図は、すでに記載したとおり、法務局にてその内容を確認されており、法務局の認証がついた公的書類になりますので、基本的には各相続手続きで「戸籍等」が要求される場合に、戸籍等一式の提出に代えて、法定相続情報のみを提出すれば足ります。
一方、相続関係説明図は、一般の方が作成する書類になりますので、書類の内容を証明するために戸籍等一式も併せて提出することになります。
法定相続情報の一覧図は、法務局にてその写しを何通も取得できますので(費用は無料です)、銀行や証券会社、登記用等、多数の機関で利用されたい場合には、大変便利な制度になります。
法定相続情報一覧図の申し出方法・必要書類について
(1)作成及び申し出方法
必要書類の収集
法定相続情報一覧図の作成は、まずは法務局にて相続人関係を確認してもらうために、被相続人および相続人の戸籍一式の取得・提出が必要となってきます。
必ず必要となる書類
①被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本一式
②被相続人の最後の住所地での住民票の除票
③相続人の戸籍謄本
④申出人の身分証明書(免許証、マイナンバーカード等)
場合によって必要となる書類
⑤各相続人の住民票
⇒法定相続情報一覧図の相続人表記に住所も掲載希望の場合
⑥委任状
⇒代理人によって申し出をしたい場合
(2)法定相続証明情報一覧図の作成
必要な戸籍等が収集でき、相続関係が明らかとなったら、次に一覧図を作成します。戸籍等を提出すれば、法務局が自動的に一覧図を作成してくれるという制度ではありません。
ご自身で一覧図を作成し、法務局がその一覧図に間違いない旨を確認した認証をつけてくれる制度なのです。
一覧図のひな形は、法務局のホームページに多数掲載されているので参考にされてみてください。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html
(3)申出書の記入、申出書の提出
必要書類が整い、一覧図も作成できましたら、申出書に必要事項を記載し、実際に法務局へ提出します。
申出書は、同じく法務局のホームページからダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html
(4)作成後の提出先
申し出は、以下の地を管轄する法務局のいずれでも構いません。
(1)被相続人の本籍地
(2)被相続人の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)被相続人名義の不動産の所在地
※例えば、被相続人の本籍地が尼崎市塚口の場合は神戸地方法務局尼崎支局へ提出できる。
相続人の一人(申出人)の住所地が尼崎市塚口の場合も神戸地方尼崎支局へ提出できる。
塚口(尼崎)の管轄法務局のリンクはこちら
http://houmukyoku.moj.go.jp/kobe/table/shikyokutou/all/amagasaki.html
(5)提出方法
法務局の窓口へ持参しても郵送で提出してもどちらでも構いません。
(6)一覧図の交付請求
法務局での確認作業が終わると一覧図の交付を受けることができます。
後日、追加で必要となった場合でも、一覧図は申し出の翌日から5年間保存されますので、この間であれば再交付を受けることができます。
法定相続証明情報制度は、書類提出の簡略化を図った制度であり、提出先が多岐にわたる場合には非常に有用な制度です。
但し、ご相続人の中に外国籍の方がいらっしゃる場合には作成ができない、といった制限も一部あります。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、戸籍収集のサポートから、当該法定相続情報一覧図の作成申し出の代行までトータルでお手伝いしておりますので、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
また、メールでも随時ご相談を受け付けております。
ご検討されていらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。
相続登記をせずに放置しておくと・・・(相続法改正)
相続法の改正について
令和元年7月1日に改正相続法が施行されたのはご存知でしょうか。
改正された相続法の中で最も皆さんに影響を及ぼすかもしれない内容として、「遺言、遺産分割により不動産を相続した相続人でも、自分の相続分(法定相続分)を超える部分については、相続登記をしないと第三者に対抗することができない」(民法第899条の2)という旨が定められました。
(共同相続における権利の承継の対抗要件) 民法第899条の2 1.相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。 2.前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。 |
改正前に発生した相続であれば、自身に相続させる旨の遺言があれば、相続登記をしなくても第三者に対して自身が所有者であると主張することができました。
それだけ遺言というものは、大きな力があり誰にでも対抗することができたといえるかもしれません。
相続登記はどこに誰が申請するのか
少し話は変わりますが、そもそも相続登記とは①どこに②誰が③どのように申請するのでしょうか。
①どこに・・・
相続した土地や建物などの不動産の名義を変更するには、原則として、不動産の所在地を管轄する法務局(尼崎市塚口の不動産なら神戸地方法務局尼崎支局)へ
行って相続登記を申請しなければなりません。
仮に亡くなった方が東京に住んでいて、相続人も全員地方に住んでいたとしても、不動産が尼崎にある場合には神戸地方法務局尼崎支局へ申請しないといけないということです。
※塚口(尼崎)の管轄法務局のリンクはこちら
houmukyoku.moj.go.jp/kobe/table/shikyokutou/all/amagasaki.html
②誰が・・・
例えば、亡くなったのが夫であり、
相続人が妻と長男とニ男の3名だった場合は、誰が相続登記を申請するのでしょうか。
- 法定相続分で登記する場合
相続人が複数いる場合で、法定相続分に従って相続登記するのであれば、相続人の中の誰か1人が保存行為として相続人全員分を申請することができますし、相続人全員で申請することもできます。 - 遺産分割協議をして妻が相続する場合
遺産分割協議を相続人全員で行なって、3人の中で妻がこの不動産を相続すると遺産分割協議をした場合は、その相続する不動産を受け継ぐ妻だけで登記の申請をします。 - 遺言書があり、長男が相続する場合
遺言書があり、この中で『この不動産は長男に相続させる。』と書かれていた場合には、この不動産を受け継ぐ長男だけが相続登記の申請をします。
法定相続分で登記をする場合には、相続登記をしなくても自分の法定相続分の持分しか取得しないということになり、第三者に対抗することができますが、それ以外の場合には
法定相続分と異なる持分を取得することとなる為に、相続登記をしないと第三者に対抗することができません。
③どのように・・・
A4用紙を用いて、決められた申請事項を記入し、下記必要書類を提出して「相続」の登記を管轄法務局へ申請します。
【法定相続の場合】
法定相続人の全員もしくは、代表のひとりからの申請によって下記書類を提出して「相続」登記申請を行います。
◆亡くなられた方の書類◆
1.被相続人の出生から死亡までの連続戸籍
2.被相続人の住民票の除票
◆ご相続人の方の書類◆
3.相続人全員の現在の戸籍謄本
4.不動産を取得する相続人の住民票
◆その他書類◆
5.不動産の固定資産評価証明書
【遺産分割協議により相続登記する場合】
遺産分割協議によって当該不動産を取得すると決まった者からの申請によって下記書類を提出して「相続」登記申請を行います。
◆亡くなられた方の書類◆
1.被相続人の出生から死亡までの連続戸籍
2.被相続人の住民票の除票
◆ご相続人の方の書類◆
3.相続人全員の現在の戸籍謄本
4.不動産を取得する相続人の住民票
5.遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印のあるもの)
6.相続人全員の印鑑証明書
◆その他書類◆
7.不動産の固定資産評価証明書
【遺言に基づく相続登記の場合】
1 遺言により法定相続人に相続させる場合
遺言によって相続すると定められた者からの申請によって下記書類を提出して「相続」登記申請を行います。
◆亡くなられた方の書類◆
1.遺言書
⇒自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は、検認済みのもの
公正証書遺言の場合、法務局保管制度利用による自筆証書遺言の場合は検認不要。
2.被相続人の死亡時の戸籍謄本
⇒出生からのつながりのある連続戸籍は、不要。
3.被相続人の住民票の除票
◆ご相続人の方の書類◆
4.遺言による相続する相続人の現在の戸籍謄本
5.遺言による相続する相続人の住民票
◆その他書類◆
6.不動産の固定資産評価証明書
対抗要件と第三者について
相続法の改正により、遺言及び遺産分割で不動産を相続した相続人は、自分の相続分を超える部分については、相続登記をしなければ第三者に対抗することができなくなりました。
言い換えると自分以外の者が自分の相続登記より先に登記を入れてしまった場合には、自分の相続分を超える部分については、所有者であることを主張することが難しくなりました。
遺言書があるから、遺産分割協議書があるから、といって登記をせずに放置していると、自分が所有者であるという権利が脅かされる事態になることも十分考えられます。
第三者に対抗することができなくなった、と述べてきましたが、この「第三者」とは具体的にどのような人を指すのかというと、一般的には相続人の債権者(銀行など)が考えられます。
相続登記をせずに放置していたところその相続人が相続したであろう持分に差押えをされてしまった場合には、本当は自身の持分はこれだけだった、という主張はできなくなります。
この対抗できない範囲については、あくまで自分の法定相続分を超える部分についてのみです。
法定相続分については、相続登記をすることなく第三者へ対抗することはできます。
いつから改正相続法が適用されるのか
令和元年(2019年)7月1日以降に発生した相続について適用されます。
それ以前に発生した相続であれば、改正前の法律が適用されますので、遺言があれば相続登記をしなくても第三者に対抗することができます。
相続登記は相続放棄や相続税の申告などと違い、いつまでにしなければならないという期限や罰則がない為に、後回しにされる方もおられると思いますが、自身の権利を守る為にはできるだけ速やかに相続登記をするしかありません。公正証書遺言があれば家庭裁判所の検認手続きがいりませんが、自筆証書遺言による相続登記をする場合には、家庭裁判所の検認手続き必須となり、また登記申請に必要な書類を集めたりとそれなりに時間もかかってしまいます。
遺言書の検認手続きについての裁判所のリンクはこちら
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_17/index.html
塚口(尼崎)の管轄家庭裁判所のリンクはこちら
https://www.courts.go.jp/kobe/about/syozai2/amagasakisibu/index.html
当事務所は阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などの立ち寄りやすい場所にあります。
塚口・尼崎市内に関わらず、仮に相続不動産の所在地が遠方であっても、当事務所はオンライン申請を得意としており、全国どこの不動産でも相続登記は対応しておりますので、ご安心ください。
塚口での相続登記のお悩み、相談は是非当事務所へご連絡ください。
メール・電話にて無料相談を行っております。
公正証書遺言があるときの相続登記について
相続登記について
亡くなった方(被相続人)が不動産を所有していた場合には、その名義を相続(遺贈)する承継者に名義を変更する登記をする必要がでてきます。
相続人同士で特に取り決めがない場合には、法定相続分の割合で相続登記をすることが一般的です。また、相続人同士が遺産分割協議をして相続財産の分け方を決めた上でそれに従って相続登記を入れることも可能です。
しかしながら、遺言により不動産の承継者が指定されていた場合には、遺言の内容が優先されるために、法定相続分ではなく遺言の内容に従った相続財産が承継されることになります。
公正証書遺言と相続登記について
遺言には主に自筆証書遺言と公正証書遺言、そして秘密証書遺言の3種類があります。
公正証書遺言は公証人が作成する遺言であるため遺言が無効になる可能性は低く、遺言の原本が公証役場に保管されるため偽造や紛失のリスクがありません。
そのため、公正証書遺言は費用・手間が多少かかっても、遺言の中でも最も安心できる遺言の方法の一つと言えるでしょう。
公正証書遺言により不動産を相続した相続人は、その公正証書遺言を使って、自身で自分名義へ相続登記をすることが可能です。
ただし、相続人以外の第三者に遺贈する場合には、相続人も申請人となる必要がありますので、ご注意ください。
公正証書遺言のメリット
自筆証書遺言や秘密証書遺言では、被相続人が亡くなった後に遅滞なく、家庭裁判所への遺言書の検認手続きが必要となりますが、公正証書遺言ではその手続きが不要です。よって公正証書遺言は、検認手続きを経ることなくそのまま相続登記の添付書類として使用することができます。
公正証書遺言の原本は公証役場に保管されているため、正本または謄本を相続登記の申請書に添付することになります。
また、相続登記の申請人についても、遺言があるときは、不動産を承継する相続人が申請することができ、他の相続人の関与は必要ありません。
以上のように公正証書遺言を残しておくことで、遺言書に偽造・紛失及び相続人同士の紛争が起きるリスクも減り、また相続登記についても検認手続きが要らないなどの手間を省くこともでき、当事務所では、遺言を作成される際には公正証書遺言をお勧めしております。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも立ち寄りやすい場所にあります。
遺言について作成を検討している方は当事務所へ一度ご相談ください。
初回相談・見積は無料です。
特別養親縁組について
特別養子縁組の成立要件について
特別養子縁組とは、養子と実方の親族関係を終了させる縁組制度です。普通養子縁組と違い、特別養子縁組は恵まれない子の福祉のために創設された制度であり、普通養子縁組にはない特色があります。成立要件についても下記のとおり家庭裁判所の審判が必要になるなど、厳格なものとなっています。
- 養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判が必要
- 養親となる者は配偶者のある者であり、25歳以上
(例外:夫婦の一方が他方の嫡出子を特別養子とする場合には夫婦共同縁組は不要、夫婦の一方が25歳以上であれば他方は20歳以上でよい)
- 養子となる者は6歳未満であること
- 養子の父母の同意が必要
(例外:養子となる者の利益を著しく害する場合は同意不要)
特別養子縁組の効力について
特別養子縁組は、家庭裁判所の審判の確定によって成立します。
特別養子縁組が成立することにより、実方の父母などの親族関係は終了し、相続権などはなくなってしまいます。
普通養子縁組では、養子縁組をしても実親との親族関係は消滅せず、相続の際には養親及び実親それぞれの相続人となることができますので、ここは大きな違いといえるでしょう。
一旦養親縁組すると離縁は可能か
普通養子縁組では、当事者はその協議で離縁することが可能ですが、特別養子縁組では裁判所の審判によってしか離縁することができません。
離縁すると
- 養親との親族関係の消滅
- 復氏
- 実親の親権復活
- 養親の相続権消滅 などの効果が発生します。
当事務所は阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しておりますので、日中お時間が空いたときやお仕事帰りでも気軽に立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積は無料です。
普通養子縁組について
普通養子縁組の成立要件について
普通養子縁組の成立については、基本的に家庭裁判所の許可などは必要なく、当事者の親子と認められるような関係を成立させようという縁組意思の合致があれば成立要件となります。
縁組意思の合致については、相続税節税対策のために養子縁組をする場合であっても、それだけで直ちに縁組をする意思がないとはできないという判決も出ています。
但し、意思の合致さえあれば誰でも縁組関係を築けるというわけではなく、下記のような条件があります。
- 養親となる者が成年者であること
(これは未成年者でも婚姻による成年擬制を受けた者もなることができます)
- 養子となる者が尊属(自身の父・母など)又は年長者でないこと
- 未成年者を養子とする場合は原則家庭裁判所の許可が必要
(例外:自身又は自身の配偶者の直系卑属(子や孫)を養子とする場合は不要)
- 配偶者のある者が縁組する場合は、その配偶者の同意が必要
※未成年者を養子とする場合に、養子となる者が15歳未満の際には家庭裁判所の許可及び法定代理人の関与も必要となります。
普通養子縁組の効力について
養子は、縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得します。それによって原則氏(苗字)も養親の氏を称することとなります。
養子縁組をしても実親との親族関係は消滅せず、相続の際には養親及び実親それぞれの相続人となることができます。
ただし、養子縁組前に生まれた子については、養親との親族関係は生じませんので、ご注意ください。
一旦養子縁組すると離縁は可能か
縁組の当事者は、その協議で離縁することが可能です。
ただし、養子が15歳未満であるときは、離縁は養親と養子の離縁後に法定代理人となるべき者との協議で行います。
協議が整わないときには、家庭裁判所の審判で離縁することもできます。
離縁すると
- 養親との親族関係の消滅
- 復氏
- 実親の親権復活
- 養親の相続権消滅 などの効果が発生します。
当事務所は阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しておりますので、日中お時間が空いたときやお仕事帰りでも気軽に立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積は無料です。
知らない間に相続登記がされてしまったら
自身が知らない間に相続登記がされる場合
亡くなった方が不動産を所有していた場合、一般的には遺言や遺産分割協議によってその不動産を取得する相続人が主だって相続登記を行うこととなります。
しかし、相続登記においては自身が関与せずとも、相続人全員の名義とする相続登記が申請されるケースもあります。
- ケース①共同相続人からの法定相続分に応じた相続登記
法定相続人は、法定相続分に応じた割合であれば法定相続人の内の一人が相続登記を単独で行うことができます。
例えば、相続人が妻、子ども2人いるときは、妻が単独で自身を2分の1、子どもをそれぞれ4分の1ずつとする相続登記を申請することが可能です。
この場合は、あくまで申請人は妻だけでありますので、他の子ども2人には権利証が発行されません。
- ケース②債権者代位による法定相続分に応じた相続登記
亡くなった方が所有していた不動産に担保権を有している債権者や亡くなった方に対して債権を有する債権者は、必要に応じて相続人に代わり相続登記を申請することが可能です。
この場合は、債権者代位により申請されていますので、法定相続分とおりの相続登記がされても、相続人全員に権利証は発行されません。
法定相続分に応じた登記を直したい場合には
仮に自身が知らない間に法定相続分に応じた相続登記がされてしまった場合、これを変更(訂正)する方法はあるのでしょうか。
例えば、相続人の内に一人が相続放棄をしていた場合や遺言書が発見され、相続人の内の一人が持分を全て取得する場合などが考えれらます。
こういった場合にも、持分を失う相続人や債権者代位で相続された場合には当該債権者の承諾を取り付けることによって相続登記の更正(抹消)登記が可能です。
しかしながら、あくまで単独では変更できず、相続分を失う方の印鑑証明書や債権者の承諾が必要となりますので、もし同意がとれない場合には手間・時間・負担が相当にかかることも予想されますので、ご注意ください。
また、相続法の改正により「法定相続分を超える」権利を相続したものでも、登記の手続きをしないと第三者に権利を主張することができなくなりました。
法定相続分に応じた相続登記がされたことをいいことに、実際は遺言により自身の持分がなかった相続人でも第三者に売却してしまうと
遺言により全てを取得することができた相続人でも自身の所有権を全ては主張することができなくなります。
亡くなった方が不動産を所有していた場合には、なるべく速やかに相続登記をされることをお勧めします。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
初回相談・見積り作成は無料です。
相続した不動産の名義変更手続きについて
相続した不動産の名義変更とは
土地、建物などの不動産にはそれぞれ所有者がおり、所有者が誰になっているかをを知りたいときは、誰でも法務局で登記簿謄本を請求することで確認することができます。
売買や相続などによって、不動産の所有者が変わったときは、現在の登記簿謄本の所有者から今回所有者となった方への名義変更手続きが必要となります。
相続登記とは、その中でも不動産の所有者が亡くなられたときに、その不動産の名義人を承継した相続人に変更する手続きのことを言います。相続登記については、特にいつまでにしなければならないという期限はありませんが、昨今の空家問題などから亡くなった方の名義のままで長年放置しており、その間何度も相続が起こったことから、現在の所有者が分からなくなってしまい、処分に困るという問題も起きています。
では、相続登記については期限や罰則が定められておりませんが、そのまま放置しておいてもいいのでしょうか?
相続登記を放置しておくと以下のような問題点が考えられます。
- 時間が経つと相続人同士で揉める可能性が増えてくる
折角相続人間で一人が相続することが決まったものの、書面を残すことなく相続登記をせずに放置していたところ、いざ相続登記をしようとした時には、仲が悪くなった相続人が協力してくれなくなったことなどが考えられます。
- 時間が経つと手続きが煩雑になる可能性が増えてくる
相続登記をしていない内に相続人が亡くなってしまうと、その亡くなった相続人の手続きも必要となり、戸籍収集の手間などが増えてきます。また時間が経過している内に相続人の誰かが認知症になってしまい、家庭裁判所の手続きが別途必要となることも考えられます。
- 時間が経つと費用がかさむ可能性が増えてくる
相続人の誰かが相続登記をする前に認知症になった場合などは、家庭裁判所の手続きが別途必要になり、費用も大きく変わってきます。
実際に不動産を相続することになったら
実際に不動産を相続することになったら、相続人が複数いる場合とりあえず法定相続分に応じた割合で共有名義にすることは勿論可能です。
しかしながら、不動産については単独名義にしておくことをお勧めしております。
その理由としては、
- 売却するときに、共有者全員の協力が必要となる
仮に相続で取得した不動産を売却する際にもし共有名義となっていた時は、共有者全員の協力が必要となります。
相続登記後共有者間での仲が悪くなったり、共有者の誰かが海外に移住したり、認知症になったりすると格段に時間及び手間が増えてしまいます。
- 共有名義人の誰かが亡くなってしまうと相続手続きが必要になる
共有者の誰かが亡くなってしまうとその共有者の不動産の持分に対し相続手続きが発生し、その方の妻・子供・兄弟姉妹などに名義が変わってしまいます。
亡くなった方とは仲が良かったものの、その相続人とは疎遠で仲が良くないことから、不動産の処分の話が纏まらないことも十分考えられます。
当事務所は阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しております。相続登記が発生し、名義をどうすれば良いか、また誰にすれば良いかなどお困りのことがあれば気軽にご相談ください。
メールでも随時受け付けております。
初回相談・見積は無料です。
« Older Entries Newer Entries »