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相続人が海外に住んでいる場合の相続手続き
相続人が海外に住んでいる場合の遺産分割や相続手続き
相続人の中に海外に住んでいる方がおられると、相続手続きはどうやって進めていけば良いのか、必要書類は何を集めればよいのか、などお困りのこともあるでしょう。実際には、相続人が海外に住まれていても、メールや電話で連絡が取れるのであれば、相続手続きの流れに大きな違いはありません。
しかしながら、必要書類で大きく違ってくる点があります。
それは、海外では印鑑証明や住民票を取得することができないために、それに代わるものを取得して頂く必要があるという事です。
相続手続きや遺産分割協議には、相続人全員の印鑑証明や実印の押印が必要になりますが、海外に住んでいる相続人には印鑑証明や実印を押印することができません。
よって、それに代わる以下のような書類を準備します。
①サイン証明(印鑑証明に代わるもの)を取得する
海外では、契約するときなどに日本と違い印鑑証明書や実印を押すのではなく、サイン(署名)をすることが一般的です。
そこで海外に住んでいる相続人の方は、現地の日本大使館・領事館などでご自身のサインを印鑑の代わりに使用できるように手続きをします。
具体的には、遺産分割協議書などを現地の日本大使館・領事館などに持参し、係官の面前でサインをすることで、証明書が綴じこまれ、サインが本人のものであることが証明されます。
このようにして取得したサイン証明は、日本での印鑑証明書と同様の効力をもつものとなります。
②在留証明(住民票に代わるもの)を取得する
遺産分割協議の結果として不動産を相続するような場合は住民票も必要になりますが、海外在住の場合は住民票という制度がないことが殆どです。
そのため、住民票に代わるものとして在留証明を取得します。
在留証明を受けるには、以下の条件があります。
- 日本国籍があること
- 現地で既に3ヶ月以上滞在し、かつ現在も居住していること
その他、発行するときにパスポートや賃貸契約書や公共料金の請求書など滞在期間や居住地がわかるものを持参することもありますので、事前に現地の大使館・領事館などに申請方法や手数料・必要書類などは確認してから行くのが良いでしょう。
当事務所の「相続手続きトータルサポートプラン」
当事務所の「相続手続きトータルサポートプラン」をご依頼いただければ、相続人の調査から戸籍収集、登記・銀行手続き・証券会社の手続き、各相続人との書類のやり取りなど全てお任せください!
※当事務所「遺産整理業務」ページも是非ご参照ください。
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特に相続人が海外や遠方にお住まいのケースなどでは、必要書類の案内からやり取りまで、手間や時間・費用もかかってきます。
それらを当事務所に丸投げして頂くことで、確実・スピーディーに手続きを行うこともでき、相続人様同士のご負担の軽減にもきっと繋がることと思います。
初回相談・費用見積などは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
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相続放棄をしたら誰に相続権が移るの?
相続放棄をすると
ご自身の両親が事業をしていて、その事業の借金が大きく相続したくない場合には、相続放棄を検討される方も多いでしょう。
相続放棄をすると最初から相続人とはならなかったことになるので、資産も負債も一切引き継ぎません。
ではご自身が相続放棄をしてしまうと、次は自分の子どもに借金が引き継がれるのではないか、と不安に思うこともあるでしょう。(※これを「代襲相続」といいます。)
※「代襲相続」とは、相続人が被相続人より先に死亡した場合などに、相続人の子などが代わって相続することです。
結論からいいますと、相続放棄にはこの代襲相続は起きません。よって、ご自身が両親の資産・負債を相続放棄しても、ご自身の子には引き継がれないということです。
勿論、ご自身が亡くなった後は、子はご自身の相続人なので、相続を受けることはできます。
では、相続放棄をした後は誰に相続権が移るのでしょうか。
相続放棄後の相続権について
当初の相続人が相続放棄すると、その相続権は「次順位の相続人」に移ります。
たとえば父が既に亡くなっていて、その後母も亡くなり、子どもが相続放棄したようなケースでは、先程の通り孫には代襲相続されません。
母の両親が生きておられれば、その「両親」が、両親も亡くなられていれば、「母の兄弟姉妹」が相続人になります。
- (参考)法定相続人の順位
配偶者がいれば配偶者は必ず相続人となります。その他、配偶者とともに、子、両親、兄弟姉妹がその順位に応じて相続人となります。
相続放棄によって次順位の相続人に地位が移ったとしても、次順位の相続人に連絡はいくことはありません。
相続放棄をした後に次順位の相続人に連絡をしておかないと、ある日突然債権者から督促が来てしまうような事態も考えられます。
また、次順位の相続人も相続財産・負債を引き継ぎたくないときには、やはり相続放棄の手続きが必要になってきます。
こうしたトラブルを事前に防ぐためにも、相続放棄したら次順位の相続人へその旨を知らせておくことが大切です。
相続放棄についてのご相談・お悩みは当事務所にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料です。

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相続した不動産が遠方にある場合の手続き
不動産の相続登記
亡くなられた方が不動産をお持ちであった場合には、相続による名義変更の登記手続が必要です。
必要といっても、相続登記は義務化されておりませんので、不動産が遠方の場合や山林などで誰も使用しないから等の理由でそのまま放置をしておいても、特に罰則規定はありません。
しかし今後2024年(令和6年)を目処に相続登記は義務化される予定です。よって、今後は相続が発生したら相続登記は速やかに手続きをされることが望ましいでしょう。
相続した不動産が遠方にある場合
では、相続登記は司法書士に依頼しないと出来ないものでしょうか。
結論としては、ご自身でも手続きをすることは可能です。しかしながら、相続登記は当該不動産を管轄している法務局で手続きを行う必要があります。
また、法務局は平日しか業務を行っておりません。
例えば、相続した不動産が東京で相続人が兵庫県にお住まいのケースでは、平日の日中に東京の管轄法務局まで登記の手続きに出向くか郵送で手続きを行わなければなりません。無事に法務局に書類を提出できても、不備があった場合には、補正の手続きも必要となり、ある程度の時間も費用もかかってくるでしょう。
このような場合には、最初から司法書士へ相続登記をご依頼されたらいかがでしょうか。
司法書士に依頼すると、勿論報酬が発生しますが、登記に必要な書類も確実に集めることもできますし、申請も不備なく行うことができますので、確実・安全です。
当事務所では、オンライン申請を行っておりますので、不動産の相続登記であれば全国対応が可能です。
お困りのことがあれば、是非一度気軽にご相談ください。
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未払家賃・滞納家賃を回収するには
家賃の滞納が発生したら
アパート経営や賃貸物件をお持ちのオーナー様の最大の困りごとは「未払賃料の回収問題」ではないでしょうか。
家賃を滞納してしまった賃借人にも様々な事情はあるでしょうが、いちど賃料を延滞すると中々解消できず、最終的には全く家賃を支払わなくなり、多額の滞納が生じてしまうケースも多く見られます。
ご自身の交渉で何とか解決できればそれが一番良いのですが、時間ばかりかかってしまい、解決に中々至らないケースもあります。
また、その間に賃借人の資産状況もますます悪化し、結果的には多額の費用をかけて、強制執行手続きによる立ち退き請求をせざるを得なくなるケースも珍しくありません。
以下、家賃回収の方法について説明していきます。
1 内容証明郵便の送付
家賃滞納の初期段階では、口頭や手紙などで督促をすることが多いでしょう。しかしながら、何度督促しても、家賃の支払いがされないことも多いのが現状です。
そこで、相手方に「期限内に未払賃料の支払いがなければ、法的手続きも辞さない」旨の文言を入れた内容証明郵便を送ってみてはいかがでしょうか。
仮に、今後裁判手続きになった際にも、証拠として利用することもできますし、心理的プレッシャーにも繋がります。
内容証明郵便を受取った賃借人が、事の重大さを知り、未払家賃を振り込んできたり、話し合いの場を設けてくることも考えられます。
内容証明郵便を送ることで、滞納家賃を一括で回収できれば良いですが、一括で回収できなくても、話し合いにより解決することもあります。
賃借人の収入などの事情を充分にヒアリングしながら、オーナー様との間で今後の家賃の支払い方法を検討していくことも可能です。
今後の家賃の支払い方法や、再度滞納した際には、建物を明け渡す旨を双方に確認し、書面(示談書)を残しておくことが重要です。この示談書は公正証書にしておくことで、もし再度滞納した際などの手続きを簡素化することもできます。
2 裁判手続による滞納家賃の回収・建物の明渡
内容証明郵便を送っても、何も反応がない場合や、行方不明の場合には、今後督促を続けても時間ばかりが経過し、賃料を回収することは難しいでしょう。このようなケースでは賃貸借契約を解除して、法的手続きを経て未払賃料の回収や建物の明渡し手続きに移ります。
裁判所に未払賃料の請求及び建物明渡請求について申し立てます。
勝訴判決か和解により確定することで、賃借人には建物を明渡してもらいます。それでも、賃借人が任意に建物を明け渡さない場合には、強制執行の手続きも視野に入れておかなければなりません。
また、建物を明け渡しても、未払賃料は当然に免除されるわけではありませんので、給与や預金口座の差押え等の強制執行の手続きにより、出来る限り未払賃料も回収しなければならないでしょう。
当事務所では、滞納家賃の回収問題・建物明渡請求訴訟についても取り扱っております。
お困りのことがあればお気軽にご相談ください。

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遺産分割の方法とは?
遺産分割による手続き方法
被相続人が遺言書を作成していたときには、その内容に従って遺産は分割されますので、遺産分割協議書は原則必要ありません。しかし、被相続人が遺言書を作成していないケースではどういう形で遺産を分割すればよいでしょうか。遺言がない場合であっても、被相続人の死亡後の相続人及びその割合は法律で定められています。一般的には「法定相続人」(法律で定められた相続財産等を取得する人)が「法定相続分」(法律で定められた相続割合)によって遺産を分割することとなります。遺産分割協議書はこのような法律で定められた相続割合を変更するときに必要となってきて、遺産分割協議をすることで自由に相続人の相続割合を変更することが可能となります。
よって、遺産分割協議自体は必ずしもしなければならないわけではありません。
遺産分割協議の当事者
遺産分割協議を行う際には、相続人全員が参加しなくてはなりません。相続人一人でも欠けた遺産分割協議書は無効となってしまいます。よって、遠方に居住している相続人がいる場合や海外に居住している相続人がいる場合などもその方を無視して進めることはできません。また遺言書があっても、遺言書に記載されていない財産があるときには相続人全員の参加により遺産分割協議をすることもあるでしょう。ただし、相続人の中に相続放棄をした方がいる場合には、その方は初めから相続人としては扱われませんので、遺産分割協議に参加する必要はありません。
その他、下記のような場合には遺産分割協議をする際には、その相続人に対して法的な代理人が必要となってくることがありますので、特に注意が必要です。
- 相続人の中に胎児や未成年者がいる場合
- 相続人の中に判断能力の低下した方がいる場合
- 相続人の中に行方不明者がいる場合
遺産分割の方法
実際に遺産分割協議を行おうとする際には、以下のような方法があります。
1 相続人同士の協議による遺産分割
相続人間での話し合いによる、遺産分割の方法です。遺産分割協議は、相続開始後に成立した協議でなければ効力は生じません。よって、相続開始前の遺産分割協議は無効となります。
2 家庭裁判所の調停による遺産分割
相続人間の協議が調わないときや、協議をすることができないには、各相続人が家庭裁判所に調整の申立てをすることができます。調停の申立ては相手方(共同相続人の内の1人)の住所地か当事者間で合意した家庭裁判所に行い、調停委員会等を介した話し合いにより分割方法を決定します・
3 家庭裁判所の審判による遺産分割
調停をしても、遺産分割の方法が決まらないときなどには、当事者間で合意がなければ、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に審判の申立てをします。審判により、裁判所が強制的に遺産分割の方法を決定することとなります。

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抵当権付等の不動産を相続したら
担保付不動産(抵当権等)を相続したら
不動産を相続しようとしたら、その不動産に担保(抵当権)が付いていた!
このようなとき、そのまま相続してよいのか、またどういう手続きを踏んでいけばよいのか、お悩みになることもあるでしょう。
亡くなれた方が住宅ローンを組んでいたり事業をされたいたとき等にはこういうケースはあり得ることですが、抵当権等の担保が付いているか否かに関わらず、その不動産は相続の対象となります。よって、法定相続通りに共有状態にすることも出来ますし、遺産分割協議によって誰か一人が相続することも可能です。
住宅ローンの場合は、団体信用生命保険により、ローンは生命保険金で賄われることもありますので、そのときには相続による名義変更登記をした後に、抵当権抹消登記を申請すれば事足ります。
では、債務が残っており、不動産に担保が付いたままの状態で被相続人が亡くなられた場合には、債務(借金)については誰が相続するのでしょうか。
債務の相続は誰がするのか
相続する不動産に担保が残っていても、相続するのは法定相続分通りでも良いですし、遺産分割協議によって取得する相続人を決めることも可能です。
ただし、ローンの支払については、不動産を相続した人が支払うのでしょうか。それとも相続人全員で支払っていかなければならないのでしょうか。
民法には、以下のとおり定めがあります。
(民法第902条の2) 被相続人は相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第900条(法定相続分)及び第901条(代襲相続人の相続分)の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りではない。 |
よって、債権者の同意なく債務の支払いについて相続人間で遺産分割協議で合意しても、当事者間では有効ですがその合意自体は債権者には主張することはできない、という事です。
債権者の同意なく特定の相続人だけが返済義務を承継するとか、免れることができるといったことを、相続人が自由に定めることができるとすれば、債権者としては、自己の関与しないところで不利な扱いを受けることがあるからです。債権者は当事者間でどういう合意をしていても、法定相続分に従って相続人にローンの支払いを請求することができます。
ただし、債権者の承認を事前にとっていれば、債務の支払いについて特定の相続人とすることもできます。
登記手続きについて
不動産の登記申請を行う場合には、相続による名義変更の登記と合わせて抵当権等の債務者の変更登記も必要となってきます。
登記が必要なケースとして、以下の2パターンが考えられるでしょう。
①法定相続分どおりに債務者の相続登記をする
特段相続人同士で、債務の支払いについて合意がないような場合には、相続人全員が法定相続分どおりに債務を相続することとなります。
よって、抵当権等の債務者についても、「相続」を原因とした法定相続人全員に変更する登記をします。
②免責的債務引受により、特定の相続人に債務者を変更する旨の登記をする
債権者の同意を得た上で、遺産分割協議により特定の相続人が債務を引き受ける合意をしたような場合には、「免責的債務引受」を原因とした債務者の変更登記が必要です。
債務については相続人間でどういう割合で承継するのか、また債務が余りに過大なケースでは相続放棄も視野に入ってくることもあります。
相続の手続きをお困りのこと、お悩みのことなどあれば、お気軽にご連絡ください。
初回相談・費用見積は無料です。

当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
初回のご相談や費用のお見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
任意後見制度を知りたい
任意後見制度とは
任意後見制度は、ご本人の意思に基づいて任意後見契約を締結した方が利用できる後見制度です。したがって、任意後見契約を結ぶために必要が判断能力があることが前提となります。
この任意後見契約の主旨は、将来判断能力が十分にある時に、不十分となった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活や療養看護、財産管理などに関する事務について代理権を与えておく任意後見契約を結んでおくものです。
これに対し、法定後見制度が、判断能力が低下した時に利用する制度となりますので、支援してもらう人を自身で選ぶことが困難であることが大きな違いの一つといえるでしょう。
任意後見契約の契約方法
任意後見契約には、判断能力が不十分な状況になった際に自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務の全部又は一部について代理権を与えておくもので、契約の効力は「任意後見監督人」が選任されたときから生じます。また契約の際は公正証書にて作成する必要があるのも特徴です。
また、任意後見契約に付随する契約として①「見守り契約」②「財産管理契約」③「死後事務委任契約」があります。
①「見守り契約」
契約開始後、任意後見契約や財産管理契約の効力が発生する前の段階で、ご本人と受任者が定期的に連絡などを取り合うことで、ご本人の安否、心身の状態や生活の状況を確認し、任意後見契約を発効させる必要があるかどうかを把握するために行う契約です。
②「財産管理契約」
任意後見契約自体は判断能力に問題がない場合には開始することはできません。しかし、判断能力に問題がないとしても、健康上の理由などにより行動が不自由な場合や、病院や施設に入所しているため外出が困難な場合には、財産管理がうまく行えないこともあります。
そのために一定の代理権を受任者に与えることで、財産管理や療養看護の事務を委任することができるようにするために行う契約です。
③「死後事務委任契約」
人が亡くなられると、葬儀場の手配、役所への届出、また病院や施設の費用清算や年金の手続きなど様々な手続きが発生します。
一般的に、これらの手続きは残された家族や親族が行います。家族や親族であれば、わざわざ契約をしておかなくても葬儀の手続きや役所への届出をすることは当然可能です。
ただし、家族や親族、身寄りの方がおられない方の場合には、代わりにその手続きを行ってくれる人がいないこともあり得るでしょう。
今後より一層高齢化社会が進み、家族関係も変わってきていることから、このような手続きを行ってくれる方がおられないまま亡くなられてしまう事も増えてくる事は当然予想されます。
ご自身が亡くなった後の事を考えて、亡くなられた後の事務手続きを任せたいと思った方に、手続きを行ってくれるようにするための契約です。ただし、亡くなられた後の意思の実現については遺言制度がありますので、遺言事項と関連しない事項として、葬儀や法要に関するものや墓や供養に関するなどが対象とされています。
この他にも公正証書遺言を組み合わせることで、より一層ご自身の意思表示を明記しておくこともできます。
任意後見契約のパターン
任意後見契約に、現在のお考え、お身体の状態に応じてさまざまなタイプ(将来型・移行型・段階型)の契約方法があり、今のご自身にあった契約内容を組み合わせることができます。
- 将来型・・・「見守り契約」+「任意後見契約」
財産管理までお願いするのは、不安だし、契約に際してあまり費用をかけたくないような場合に行われます。まずは、見守り契約からはじめて信頼関係を築いていくことも可能です。
- 移行型・・・「財産管理契約」+「任意後見契約」
身体の具合が良くない場合や、病院や施設に入所中であるなど、判断能力に問題はないものの、金融機関の手続きや財産管理の支援をすぐにお願いしたいような場合に行われます。
- 段階型・・・「見守り契約」+「財産管理契約」+「任意後見契約」
段階的に信頼関係を築きながら、身体が不自由になった場合にも、金融機関の手続きや財産管理の支援もお願いできるようにしておくことで慌てないようにしておくことができます。
- 完全型・・・「見守り契約」+「財産管理契約」+「任意後見契約」+「死後事務委任契約」
任意後見契約の当初から、死後の事務まで、生涯の生活の全般を通して契約をしておく場合です。相続人となるべき親族がいない場合や、親族がいても疎遠で他に頼める人がいないような場合に利用されます。
任意後見制度の流れ
任意後見契約の締結から後見が開始されるまでの全体の流れです。
任意後見契約の効力は、ご本人の判断能力が不十分となったときに、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをし、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見契約の効力を発生させます。
任意後見制度のメリット
- 本人の意思で適切と考える任意後見人を選任できる
- 任意後見制度は本人の意思を尊重する制度であり、事前に本人に関する情報を把握することができる
- 資格のはく奪や権利の制限がない
- 任意後見契約だけでなく、他の※死後事務委任契約などの制度も選択できる
任意後見制度のデメリット
- 契約などの取り消し権は持たないので、本人に不利益な契約であっても取り消すことができない
- 任意後見監督人の監督下にあり、財産の柔軟な利用・処分ができない任意後見制度の場合は、家庭裁判所の選任により、任意後見監督人がつけられます。任意後見監督人が定期的に任意後見人の職務を監督しますので、任意後見契約で定めた権限が全て履行できるとは限りません。
- 報酬が必要となる
任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決定します。
「任意後見制度」について検討されている方、お悩みの方、ご質問などあれば、当事務所にお気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料です。

当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
初回のご相談や費用のお見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
相続登記の義務化は、遡って適用されるのか?
相続登記の義務化
「不動産の所有者について相続があったときは、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記するよう義務づける」主旨の法改正が2024年を目処に施行される予定です。
本法律施行後は、「義務化」とありますので、登記をしなかった場合には10万円以下の過料を科されることがあります。
皆さんが気になる点は、この相続登記の義務化は相続がいつ開始されたかに適用が変わってくるかどうかだと思います。
法律施行後に相続が開始された場合には、相続登記の義務化が適用されるのは当然分かると思いますが、法律施行前(昭和~令和6年迄)に相続が開始した不動産について相続登記をしていなかった場合にも、義務化は適用されるのでしょうか。
結論としては、義務化は適用されます。「相続登記の義務化は遡って適用される」ということです。
よって、現在相続登記をしていなくても特段罰則規定はありませんが、このまま放置しておいては、今後過料が科される可能性がある、というなので注意してください。
相続登記について、ご相談・お困りのことなどあれば当事務所にご相談ください。
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合同会社に新たに社員を加入させるときの手続き
合同会社の社員を新たに加入させるには
合同会社を設立した後に、社員を新たに追加させることは可能です。
社員を新たに追加させる場合には、主に以下のようなパターンが考えられます。
1、新たに出資して加入する
2、他の社員から持分を譲り受けて加入する
新たに出資して加入する場合
①定款の変更
合同会社の場合「社員の使命又は名城及び住所」は定款の記載事項となります。よって新たに社員が加入した場合には、定款の変更する必要があります。
定款変更には別段の定めがある場合を除き、総社員の同意が必要です。また、社員の加入の効力は、当該社員に係わる定款の変更をした時に生ずるとされています。
②出資の履行(増資)
合同会社の社員となる者は、必ず出資をしなければなりません。
合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となる者が定款の変更をした時にその出資に係る払込みをしていないときは、その者は、当該払込みを完了した時に、合同会社の社員となります。
このケースでは、社員の変更に加えて資本金の額の変更登記が必要となります。
他の社員から持分を譲り受けて加入する場合
①持分譲渡の承諾
合同会社では、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を譲渡することはできません。ただし、譲渡する社員が業務執行権を有していないときは、業務執行社員全員の承諾で足ります。
持分全部を譲り渡した社員は退社し、持分一部を譲り渡した社員は従来通り社員の地位にとどまります。
②定款の変更
持分譲受けにより、新たに社員を加入させることとなりますので、出資の有無を問わず、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意が必要です。
ただし、持分譲受けによる社員加入の場合には、資本金の額に変動はありませんので、資本金の額の変更登記は不要です。
社員の加入と登記手続き
合同会社の登記事項に変更が生じたときは、その効力発生日から2週間以内に登記をしなければなりません。
しかしながら、合同会社では業務執行社員以外の社員に関する事項は登記事項となっていませんので、業務執行社員以外の社員に加入・退社等の事由が生じても登記申請をする必要はありません。
よって、社員加入による登記申請が必要なケースは以下のようなパターンとなります。
①社員が業務執行社員に就任し、出資して資本金が増えた場合
業務執行社員の就任と、資本金の額の変更に係る登記申請を行います。
<必要書類>
- 総社員の同意書
- 業務執行社員の決定書
- 払込みがあったことを証する書面 etc
②社員が業務執行社員に就任し、資本金の額に変動がない場合
業務執行社員の追加に係る登記申請を行います。
<必要書類>
- 総社員の同意書 etc
③社員が業務執行社員にならず、出資して資本金が増えた場合
業務執行社員にならない為に、社員の追加に係る登記は不要となり、資本金の額の変更登記が必要です。
<必要書類>
- 総社員の同意書
- 業務執行社員の決定書
- 払込みがあったことを証する書面 etc
④社員が業務執行社員にならず、資本金の額も変動がない場合
この場合は登記事項に変更が生じないため、登記申請は不要です。

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相続人に認知症や行方不明の方がいると
相続人と相続分の割合
相続が開始すれば、相続財産は相続人に引き継がれることになりますが、「誰が」「どの割合」で相続するかは法律で定められています。
例えば、相続人が配偶者と子2名の場合には、法定相続分は配偶者:2分の1、子2名:各々4分の1づつ、といった具合となります。
もちろん法定相続分通りで相続財産を分けることもできますが、相続人全員が参加した「遺産分割協議」によって自由に相続財産の割合を変えることも可能です。
では、相続人の中に認知症や行方不明の方がいるケースでも、遺産分割協議は可能でしょうか。
相続人の中に認知症や行方不明の方がいるケース
相続人の中に認知症や行方不明の方がいあるようなケースでは、相続人全員の意思表示を確認することができない為、そのままでは相続手続きを進めることはできません。
例えば、家庭裁判所に認知症の方に代わり財産管理を行う「成年後見人」を選任するよう申立てたり、行方不明の方に代わり財産管理を行う「不在者財産管理人」を選任するよう申し立てる必要があります。この手続きには、相応の費用も時間もかかってしまいます。
また、選任された「成年後見人」や「不在者財産管理人」はその相続人の財産を守る必要があるために、本人の相続分が減るような遺産分割協議書には応じないでしょう。
このようなケースで、相続手続きを進めていくにあたって、法定相続分で分けるのであれば手続き上問題点も少ないですが、自宅などの不動産を相続するようなケースでは大変になってきます。
例えば、以下の事例で検討してみます。
- 相続財産:不動産(自宅)時価3,000万円
- 相続人:妻及び子2名(内1名が行方不明)
法定相続分は妻1,500万円、子2名が各々750万円となります。相続人全員の同意があれば、遺産分割協議により、今後も自宅に住み続ける妻単独の名義とすることは可能です。
また、その他の財産についても合意があれば、子が相続分を受取らなくても構いません。
ただし、子1名が行方不明により、遺産分割協議に参加できないようなケースでは、どうすればよいでしょうか。
このケースでは遺産分割協議をする際に先ほど述べました通り「不在者財産管理人」が行方不明の子に代わり、当事者として参加することとなります。
「不在者財産管理人」が遺産分割協議に参加する場合には、自身の相続分を減らしたり、他の相続人に分けるような協議は認められません。
よってあくまで法定相続分通りの分け方になるでしょう。これは、「成年後見人」が選任された場合も結果は同様です。
以上のように、相続人の中に認知症や行方不明の方がいるようなケースでは、相続手続きは非常に時間や費用もかかってきますし、相続人全員の意思に合致した配分方法を行うこともできないかもしれません。
遺言書作成の必要性について
相続手続きトラブルの予防措置として、遺言書作成は有効な手段です。
相続が発生すると、遺産の全てについて相続手続きが必要となりますが、一つ一つの遺産を誰にどのように分けるかは、非常に大変です。
生前にどの財産を誰に相続させるかを、遺留分にも留意しながら被相続人様ご自身が遺言書に明確に決めておくことで、残されたご家族・ご親族同士で争いになるという事態を防ぐことができます。
ご自身にとっても亡くなった後に相続人間で手続きが難航することは本意でないでしょう。
当事務所では、遺言者の方のお気持ちが最大限に尊重されるように原則ご本人様のみの面談にて作成させて頂きますので、ご安心ください。
ご相談・お見積りは無料です。
お気軽にお問合せください。

当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
初回のご相談や費用のお見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。