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後見申立に関する必要書類
成年後見申立てには様々な書類が必要となります
成年後見制度について利用される際には、本人の居所(住民票所在地ではなく、実際の住まいや病院、施設の所在地)を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
後見人の選任は、本人に代わって財産管理や身上監護を行う観点からも、厳格な手続きを求められ、提出書類も多岐に亘ります。
ここでは、提出書類についてご案内していきます。
成年後見申立の提出書類について
成年後見制度を利用するには、管轄の家庭裁判所には下記の書類を提出する必要があります。
家庭裁判所によって、提出書類が一部異なることもあるために、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
- 後見(保佐・補助)開始申立書
- 申立事情説明書
- 親族関係図
- 財産目録(及びその疎明資料)
- 相続財産目録(及びその疎明資料)※遺産分割未了の相続財産がある場合のみ
- 収支予定表(及びその疎明資料)
- 医師の診断書
- 本人情報シート
- 本人の戸籍謄本
- 本人の住民票
- 本人の登記されていない証明書(法務局にて取得)
- 本人の介護保険証、障害者手帳など
書式については、各家庭裁判所のホームページなどにも添付されていますので、参照してください。
提出書類については、不備があると追加で提出や訂正などが求められ、日数も相応にかかります。
後見申立手続きの書類作成や必要書類の取りまとめについては、当事務所でもサポートさせて頂きますので、検討されている方やお困りの方は気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料で承っております。
成年後見制度の申立手続きサポート
成年後見制度の申立手続きについて
成年後見制度とは、高齢・認知症・精神上の障害などにより、判断能力が低下した方を保護し、日常生活を支障なく生活できるように支援するための制度です。
ご自身の両親の認知症などが進み、自分で財産管理を行えなくなったような場合、両親に代わって財産管理などを行うには成年後見人を選任しなければなりませんが、この手続きには家庭裁判所の審判が必要となってきます。
ここでは、成年後見制度を利用を検討される方の為に、その手順・必要書類などを説明していきます。
申立前に知っておきたいこと
●申立てをする裁判所
本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる必要があります。
●申立ができる人
本人、配偶者、4親等内の親族、生年後見人、任意後見人、市町村長など
●必要書類
申立てに必要な主な書類は以下のとおりです。
- 申立書
- 親族関係図
- 親族の意見書(推定相続人の範囲)
- 診断書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 登記されていないことの証明書
- 財産目録
- 収支予定表
- 預金通帳写し
- 収入に関する資料(年金額決定通知書、源泉徴収票、確定申告書控えなど)
- 負債に関する資料(返済明細書、金銭消費貸借契約書など)
- 本人の健康状態に関する資料(介護保険被保険者証、精神障害者手帳、身体障害者手帳、療育手帳など)
申立手続きの手順
1.ご相談
ネットや電話でも随時受け付けております。ご本人様の状況、手続きや費用面についてご納得頂けましたら、当事務所と正式に契約し、手続きに着手します。
2.申立書の提出
関係者の方の面談や必要書類などが揃いましたら、管轄の家庭裁判所に当事務所の方で提出させて頂きます。






9.本人の死亡時
本人が亡くなられた場合には、2週間以内に死亡診断書や除籍謄本の写しなどを沿えて裁判所に死亡の連絡をします。
その後、財産については相続人などに引き継ぐこととなります。
申立てについての注意点
①一旦申立てをした後に、取り下げようとするには、家庭裁判所の許可が必要となります。
②鑑定を行う必要があると判断されたときには、10万円~20万円程度の費用を納める必要があります。
③後見人等に選任されると、家庭裁判所の監督を受けることとなり、定期的に報告などが必要となります。
④申立書に候補者として記載された方がいても、必ず選任されるわけではありません。事案に応じて専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士など)が選任されることもあります。
⑤後見人等に選任されると、その職責は本人が亡くなられるまでは原則続きます。
⑥後見人等が、本人に不利益になるような事務処理をした場合などは、損害賠償を請求されたり、解任されることもあります。
⑦後見人等に対する報酬については、仕事の内容などを考慮して、家庭裁判所が定めることとなります。
当事務所では、成年後見制度に利用にあたっての書類作成からご希望があった場合には、後見人候補者のご相談も受け付けております。
利用を検討されている方や書類の作成方法が分からないので任せたい方など、気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料で承っております。
成年後見制度が必要なときとは?
成年後見制度とは
認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分となった場合、不動産や預貯金の管理や、介護サービスや施設への入所契約など、ご自身ですることが難しくなってきます。またご自身に不利益な契約であってもよく判断ができず、契約を結んでしまい被害にあう恐れもあります。
このような判断能力が不十分な方を保護し、支援するのが成年後見制度です。
手続きとしては、本人や親族による後見開始の審判の申立てにより家庭裁判所が後見人等を選任することとなります。ただし、判断能力が不十分となったからといって必ずしも後見制度の利用をしなければならない、ということではありません。必要が生じた際に後見制度を申立てることができます。
当事務所にも成年後見制度の相談は頂きますが、ここでは成年後見制度の利用を思い立った理由について多いものをご紹介します。
成年後見制度を検討した理由
- 預貯金の管理・解約
金融機関の窓口などで振込や出金をする際には、その用途や本人確認を求められます。
このような場合に本人の判断能力が不十分だと思われた際には、金融機関から成年後見制度を利用しての手続きを求められることもあります。
- 不動産の売却
本人の判断能力が不十分と判断されれば、不動産の売却をすることはできません。
どうしても不動産を売却する理由があるときには、後見人が選任された後に家庭裁判所の許可を得て、売却することとなります。
- 施設の入所契約や病院への入院手続き
老人ホームなどへの入所する際には、本人に契約をするだけの判断能力が必要となります。その他要介護認定の申請手続きや病院への入院手続きなども本人が原則行うこととなります。
但し、本人の判断能力が不十分なときには、後見人が代わりに入所契約や病院への入院手続きを行います。
- 遺産分割による相続手続き
法定相続分通りであれば、本人の意思に関係なく相続手続きを行うことはできますが、法定相続分とは異なる相続手続きをする場合には、遺産分割協議が必要となります。
遺産分割協議の当事者となるには、判断能力が必要となる為に、相続人の中に判断能力が不十分な方がいる場合には、後見人を選任した上で後見人が遺産分割協議の当事者となります。
注意しなければならない点は、後見制度を利用すると上記のような理由が後見人により解消された後も、その方が亡くなるまで後見人の任務は終わりません。
よって、不動産を売却したいだけや相続手続きだけの理由だけで後見制度を利用することは適当でないといえるでしょう。
成年後見制度の主旨を理解した上で、利用を検討されることが大切です。
成年後見制度の利用をご検討の方、進め方についてご不安な方などは当事務所でサポートさせて頂きます。
初回相談・費用見積は無料で承っております。
任意後見契約とは?任意後見契約をご検討の方へ
法定後見と任意後見
高齢、認知症などの理由で判断能力が低下してきたときに、ご自身の不動産や預貯金の管理や介護・福祉サービスの契約や施設入所の契約などの行為を一人で行うことは難しくなってきます。
その他にもご自身に不利益な契約を結んでしまい、被害にあう恐れも出てきます。このような事態に備えて、判断能力が不十分な方を法的に保護し、支援するのが後見制度です。
法律上の後見には、「法定後見」と「任意後見」があります。
法定後見は、ご自身の判断能力が低下してきたときに、ご自身や親族などの申立により、裁判所の手続によって後見人が選ばれます。後見人の候補者を届け出ることもできますが、最終的には裁判所の判断により後見人が選任されることとなりますので、面識がない後見人が選任されることも当然あり得ます。
これに対し、任意後見はまだ判断能力がある方が、ご自身で後見人を選ぶことができる制度となっています。
任意後見契約
任意後見は先ほどの通り、もし判断能力が低下したときでも、ご自身が信頼する方と任意後見契約を締結することで、その方に確実に後見人になってもらうことができます。
任意後見契約を締結するには、公正証書で行う必要があります。
これは、当事者間の意思の確認や契約の内容が法律に従ったものであるか確認する為にも公証人が作成する公正証書によらなければならないというものです。
ただし、あくまで任意後見契約は「契約」であるために、当事者双方の合意により、法律の趣旨に反しない限りは、ある程度自由にその内容を定めることもできます。
契約内容いかんに関わらず、「財産管理」(不動産や預貯金の管理、支払い等)「身上監護」(介護・福祉サービスの契約・施設の入所手続きなど)については、任意後見人の主な仕事であり、しっかりとご本人の財産や生活面のバックアップをしてあげることが大切です。
任意後見人の任務開始時期
任意後見契約は、ご本人の判断能力が低下した場合に備えて締結されるものです。よって、任意後見人としても、ご本人が判断能力が低下してから、任務が開始されることとなります。
ご本人が元気なままお亡くなりになられた場合には、任意後見が開始されることもないまま、任意後見契約が終了されることもあります。
ご本人がの判断能力が低下し、任意後見事務を開始する必要が生じたときには、任意後見監督人を選任してほしい旨の申立てを家庭裁判所にします。その後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任するとそのときから、任意後見人として契約に定められて任務を開始することとなります。
任意後見契約をご検討の方、作成方法が分からない方など当事務所にお気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料で承っております。
後見等制度の申立書類作成をお願いしたい
後見等制度を利用するには
認知症や知的障害などの精神上の障害により、本人の判断能力が低下し、財産管理を含めた保護が必要な場合には、本人の住所地がある管轄の家庭裁判所に対して後見等開始の申立手続きを行わなければなりません。
それでは、後見等制度を利用したいと考えた場合にどのような手続き・書類を揃えれば良いのでしょうか。
【後見等制度の手続きの流れ】
1.家庭裁判所への申立
※申立出来る人・・・本人・配偶者・4親等内の親族等・市町村長等
※申立先・・・本人の住所地のある管轄家庭裁判所
※申立費用・・・収入印紙800円(申立内容によって異なります)、収入印紙2600円(登記費用として)、切手3000円~5000円
2.家庭裁判所による事実の調査
申立人、本人、成年後見人(保佐人、補助人)候補者等が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます。また、親族への意向を書面にて確認する場合もあります。
3.精神鑑定
必要があると判断された場合には、精神鑑定が行われます。必要ならば、鑑定料(5万円~10万円)を申立人が医師に払うこととなりますが、実際に鑑定が行われるケースは稀です。
4.審判
申立書に記載した成年後見人(保佐人、補助人)候補者がそのまま選任されることがありますが、場合によっては弁護士や司法書士等が選任されることもあります。
後見人等の選任は、以下のような事を踏まえて家庭裁判所が総合的に判断します。
①本人の心身の状態や生活、財産の状況
②後見人等候補者の生活状況
③後見人等候補者と本人との利害関係の有無
④本人の意見
5.審判の告知と通知
審判の内容を記した審判所が、選任された後見人等に送付され、2週間以内に不服申し立てがなければ審判の効力が確定されます。
6.後見登記
審判が確定したら、裁判所から法務局(東京法務局)へ後見登記の依頼が行われ、後見人等へ登記番号が通知されます。
なお、申立てから審判までの期間は事案等にもよりますが、2ヶ月以内で審判に至るケースが殆どです。後見等制度の利用をご検討の方、申請でお困りの方等は当事務所にお気軽にご相談ください。
申請の手続きからサポートさせて頂きます。
初回相談・費用見積は無料で承っております。
任意後見人になるには
任意後見人とは
任意後見制度を利用する場合には、法定後見制度と違い、契約で依頼した方を任意後見人とすることができます。
他方、法定後見制度では、後見人について希望を伝えることはできるものの、最終的には家庭裁判所から選任された人がなるために必ずしも希望が通るとは限りません。
よって、任意後見制度を利用することでご自身が信頼できる方を任意後見人として選任することができ、その点では利用しやすい制度となっています。ただし、ご自身で選んだ方ならどなたでも、任意後見人となれるわけではなく、一部制限があります。
任意後見人になれない人
以下のような事項に該当する方を任意後見人には選任することはできませんので、ご注意ください。
- 未成年者
- 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
- 破産者
- 行方の知れない者
- 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
- 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
任意後見制度について、検討中の方、内容を知りたい方、質問がある方など当事務所にお気軽にご相談ください。
初回相談は無料で承っております。
また、任意後見制度の詳細については、以下の当ホームページもご参照ください。
任意後見制度を知りたい
任意後見制度とは
任意後見制度は、ご本人の意思に基づいて任意後見契約を締結した方が利用できる後見制度です。したがって、任意後見契約を結ぶために必要が判断能力があることが前提となります。
この任意後見契約の主旨は、将来判断能力が十分にある時に、不十分となった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活や療養看護、財産管理などに関する事務について代理権を与えておく任意後見契約を結んでおくものです。
これに対し、法定後見制度が、判断能力が低下した時に利用する制度となりますので、支援してもらう人を自身で選ぶことが困難であることが大きな違いの一つといえるでしょう。
任意後見契約の契約方法
任意後見契約には、判断能力が不十分な状況になった際に自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務の全部又は一部について代理権を与えておくもので、契約の効力は「任意後見監督人」が選任されたときから生じます。また契約の際は公正証書にて作成する必要があるのも特徴です。
また、任意後見契約に付随する契約として①「見守り契約」②「財産管理契約」③「死後事務委任契約」があります。
①「見守り契約」
契約開始後、任意後見契約や財産管理契約の効力が発生する前の段階で、ご本人と受任者が定期的に連絡などを取り合うことで、ご本人の安否、心身の状態や生活の状況を確認し、任意後見契約を発効させる必要があるかどうかを把握するために行う契約です。
②「財産管理契約」
任意後見契約自体は判断能力に問題がない場合には開始することはできません。しかし、判断能力に問題がないとしても、健康上の理由などにより行動が不自由な場合や、病院や施設に入所しているため外出が困難な場合には、財産管理がうまく行えないこともあります。
そのために一定の代理権を受任者に与えることで、財産管理や療養看護の事務を委任することができるようにするために行う契約です。
③「死後事務委任契約」
人が亡くなられると、葬儀場の手配、役所への届出、また病院や施設の費用清算や年金の手続きなど様々な手続きが発生します。
一般的に、これらの手続きは残された家族や親族が行います。家族や親族であれば、わざわざ契約をしておかなくても葬儀の手続きや役所への届出をすることは当然可能です。
ただし、家族や親族、身寄りの方がおられない方の場合には、代わりにその手続きを行ってくれる人がいないこともあり得るでしょう。
今後より一層高齢化社会が進み、家族関係も変わってきていることから、このような手続きを行ってくれる方がおられないまま亡くなられてしまう事も増えてくる事は当然予想されます。
ご自身が亡くなった後の事を考えて、亡くなられた後の事務手続きを任せたいと思った方に、手続きを行ってくれるようにするための契約です。ただし、亡くなられた後の意思の実現については遺言制度がありますので、遺言事項と関連しない事項として、葬儀や法要に関するものや墓や供養に関するなどが対象とされています。
この他にも公正証書遺言を組み合わせることで、より一層ご自身の意思表示を明記しておくこともできます。
任意後見契約のパターン
任意後見契約に、現在のお考え、お身体の状態に応じてさまざまなタイプ(将来型・移行型・段階型)の契約方法があり、今のご自身にあった契約内容を組み合わせることができます。
- 将来型・・・「見守り契約」+「任意後見契約」
財産管理までお願いするのは、不安だし、契約に際してあまり費用をかけたくないような場合に行われます。まずは、見守り契約からはじめて信頼関係を築いていくことも可能です。
- 移行型・・・「財産管理契約」+「任意後見契約」
身体の具合が良くない場合や、病院や施設に入所中であるなど、判断能力に問題はないものの、金融機関の手続きや財産管理の支援をすぐにお願いしたいような場合に行われます。
- 段階型・・・「見守り契約」+「財産管理契約」+「任意後見契約」
段階的に信頼関係を築きながら、身体が不自由になった場合にも、金融機関の手続きや財産管理の支援もお願いできるようにしておくことで慌てないようにしておくことができます。
- 完全型・・・「見守り契約」+「財産管理契約」+「任意後見契約」+「死後事務委任契約」
任意後見契約の当初から、死後の事務まで、生涯の生活の全般を通して契約をしておく場合です。相続人となるべき親族がいない場合や、親族がいても疎遠で他に頼める人がいないような場合に利用されます。
任意後見制度の流れ
任意後見契約の締結から後見が開始されるまでの全体の流れです。
任意後見契約の効力は、ご本人の判断能力が不十分となったときに、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをし、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見契約の効力を発生させます。
任意後見制度のメリット
- 本人の意思で適切と考える任意後見人を選任できる
- 任意後見制度は本人の意思を尊重する制度であり、事前に本人に関する情報を把握することができる
- 資格のはく奪や権利の制限がない
- 任意後見契約だけでなく、他の※死後事務委任契約などの制度も選択できる
任意後見制度のデメリット
- 契約などの取り消し権は持たないので、本人に不利益な契約であっても取り消すことができない
- 任意後見監督人の監督下にあり、財産の柔軟な利用・処分ができない任意後見制度の場合は、家庭裁判所の選任により、任意後見監督人がつけられます。任意後見監督人が定期的に任意後見人の職務を監督しますので、任意後見契約で定めた権限が全て履行できるとは限りません。
- 報酬が必要となる
任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決定します。
「任意後見制度」について検討されている方、お悩みの方、ご質問などあれば、当事務所にお気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料です。
後見制度が開始されたら(成年後見登記制度)
成年後見登記制度
家庭裁判所から後見開始の審判がされたときや、任意後見契約の公正証書が作成されたときなどは、家庭裁判所または公証人からの嘱託によって登記されることとなります。
この登記制度については、成年後見人や保佐人、補助人の権限や任意後見契約の内容などを登記するもので、登記事項を証明した登記事項証明書の交付を受けることができます。
この登記事務については、東京法務局の後見登録課で、全国の後見登記を全て行っております。
例えば、この登記事項証明書は成年後見人が本人に代わって介護サービス提供契約や財産の売買契約などを行うときに、相手方に対して登記事項証明書を提示することで、その内容や権限を確認してもらうために利用したりします。
登記内容に変更があったら
先ほどの通り、後見開始の審判がされたときや、任意後見契約の公正証書が作成されたときなどは、成年後見登記がされると説明しましたが、この手続きは家庭裁判所や公証人からの嘱託によって行われますので、最初の登記がご本人や後見人などが申請することはありません。
しかしながら、登記されている本人や成年後見人などに、登記後の住所変更などにより登記内容に変更が生じたときは「変更の登記」を、本人の死亡などにより後見が終了したときは「終了の登記」を申請する必要があります。この申請手続きについては、本人の親族などの利害関係人も行うことができます。
書式などについては、下記リンクをご参照ください。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/goannai_index_seinenkouken.html
登記事項証明書の請求方法
登記事項証明書の交付請求をする場合には、請求者の住所、氏名、生年月日及び本人との関係などを記載した申請書に、所定額の印紙(1通につき550円)を貼り、東京法務局民事行政部後見登録課に郵送請求します。
窓口で交付手続きを行う際には、東京法務局民事行政部後見登録課及び東京法務局以外の各法務局の戸籍課でも行うことができます。
死後事務委任契約とは
死後事務委任契約
人が亡くなられると、葬儀場の手配、役所への届出、また病院や施設の費用清算や年金の手続きなど様々な手続きが発生します。
一般的に、これらの手続きは残された家族や親族が行います。家族や親族であれば、わざわざ契約をしておかなくても葬儀の手続きや役所への届出をすることは当然可能です。
ただし、家族や親族、身寄りの方がおられない方の場合には、代わりにその手続きを行ってくれる人がいないこともあり得るでしょう。
今後より一層高齢化社会が進み、家族関係も変わってきていることから、このような手続きを行ってくれる方がおられないまま亡くなられてしまう事も増えてくる事は当然予想されます。
ご自身が亡くなった後の事を考えて、亡くなられた後の事務手続きを任せたいと思った方に、手続きを行ってくれるようにあらかじめ生前に契約をしておくことを「死後事務委任契約」と呼んでいます。
死後事務委任契約と遺言(遺言執行)の違い
先程も述べました通り、「死後事務委任契約」とは葬儀場の手配、役所への届出、病院や施設の費用の清算や年金の手続きなど様々な事務手続きを生前にあらかじめ委託する方と契約をしておくことです。亡くなられた後の事務手続きについての契約になる為に、相続財産については対応できません。
それに対して、遺言(遺言執行)とは自身が亡くなった後の財産の分け方などをあらかじめ指定しておくことです。遺言を残すような家族や親族がいるような場合では、その方たちが死後の事務手続きも行ってくれることでしょう。ただし、遺言ではあくまで財産承継についての記載しかすることができません。
よって例えば、第三者に遺贈する旨の内容の遺言で遺言執行者を定めていたとしても、遺言執行者は遺言で定められた財産等の承継しか手続きを行うことはできません。
すなわち、死後事務委任契約だけをしておいても財産承継の部分は対応することはできませんし、一方遺言だけでは死後事務手続きについて任せることはできません。
身近な家族・親族もなく、誰かに頼ることもできないような方であれば、「遺言書」と「死後事務委任契約」をセットで残しておくことで、財産承継と死後の事務手続きも網羅でき、心配や不安ごとも解消できるでしょう。
死後事務委任契約の契約内容について
亡くなられた後に発生する手続きが必要な可能性のある項目については、なるべく全て明記した上で契約をしておいた方が良いでしょう。
死後事務委任は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家へのご依頼に関わらず、知人などの第三者と契約をすることもできます。
しかしながら、死後の事務手続費用に関するお金を預けたり、報酬を支払っておいたりしても、それがご自身の意思とは違う部分で使用されたり、使い込まれてしまう可能性もあります。
専門家に依頼すれば、死後事務委任契約をしっかりと作成してもらうこともできるでしょうし、契約内容に沿った死後事務手続きをきちんと正確に行ってくれることでしょう。
●死後事務委任契約の委任事務についての一例 ①葬儀、火葬、納骨、埋葬に関する事務 ②遺骨の埋蔵、収蔵に関する事務 ③永代供養に関する事務 ④医療契約・介護施設利用料等の解約・清算手続きに関する事務 ⑤不動産賃貸借契約の解約、明け渡しまでの管理事務 ⑥住居内の遺品整理事務 ⑦公共サービス料金等の解約・清算事務 ⑧住民税、国民健康保険料等の納税手続 ⑨市役所等への各種届出・手続 ⑩SNS、メールアカウント、パソコンのデータ消去等の各種手続 ⑪親族等への死亡通知等連絡に関する事務 ⑫勤務先企業への退職に関する手続 ⑬ペットの引き渡し手続 など |
死後事務委任は、あくまで亡くなられた後に委任事務が発動しますので、内容を変更することはできません。よって、あらかじめ話し合いにより委任事務の内容は詳細に盛り込んでおくこと方がお互いに安心できるでしょう。
また、死後事務は委任者が亡くなられると即時に事務作業は開始されます。
- 遺体の引取りや葬儀場の手配、病院や介護施設料の解約・清算費用なご、多くの費用が発生してきます。このような費用に対応するために、一定金額を契約時に受任者に預けておく(預託)方法が一般的です。預託金額は死後事務委任契約時に定めておくこととなりますが、ご依頼される内容や規模によって異なってきますので、あらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。
- 死後事務委任は、亡くなられた方の意思を尊重しながら、最後まで見届ける必要があります。その分責任も重く、依頼される方にとっても、誰に頼めば安心なのかはすぐに答えが出ないでしょう。当事務所はそのようなことでお困りやお悩みの方に少しでも寄り添えるように、ご相談には真摯に対応するよう努めております。
相続や遺言に限らず、亡くなられた後のご不安やご心配ごとがあれば、お気軽にご相談ください。
任意後見を検討した方がよいケース
任意後見を検討したいのだが。。。
実際に任意後見を検討して進めてみたい、と思っても今は健康で判断能力も問題ない方は中々踏み出すことは難しいでしょう。そこで、今回は「任意後見制度」を利用するに適したケースをいくつか紹介していきますので、ご参考にしてみてください。
※当事務所ホームページ「成年後見をご検討中の方へ」も参照してください。
https://amagasaki-shiho.com/seinenkouken_kentouchuu/
ケース①:夫婦2人暮らしで子供、兄弟姉妹がいない場合
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上記のような場合、夫婦2人の内のどちらかの判断能力が低下してしまったときなどは、もう一方で身の回りのことや様々な手続きを行わなければなりません。夫婦ともに高齢になってくると、一人で全ての手続きなどを行っていくことは難しくなってくることもあるでしょう。
このようなときに備えて、夫と妻双方が元気な内に任意後見契約、財産管理契約、死後事務委任契約などをしておくことで老後の安心に代えることができるでしょう。
例えば財産管理契約をしておくことで、仮に夫の介護が必要になり、自身で動くことができなくなっても、銀行の手続き、役所の手続きなどを任せることができます。
また、死後事務委任契約をしておくことで、仮に夫が先に他界したときに、妻一人で全てすることが難しい葬儀の手続きなどを任せることもできます。
ケース②:両親は既に他界しており、独身の場合
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上記のような場合でも、ケース①と同様にもしご自身が動けなくなってしまうと、身の回りのことを誰かに頼る必要が出てくるでしょう。
ご自身が元気な内に任意後見契約、財産管理契約、死後事務委任契約をしておくことで、万一の備えになります。
例えば任意後見契約、財産管理契約をしておくことで病院や施設への入所手続き、入院費・施設費の支払、介護サービスの利用手続きなどをすることを任せることができます。
また、死後事務委任契約をしておくことで、自身が亡くなった後の死亡届の提出や葬儀、火葬の手続きを任せることもできます。
ケース③:子供、両親はいるが、遠方にいたり関係が希薄な場合
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この場合には、ご自身の判断能力が低下したときに、近くに信頼できる親族がいないため、身の回りのことを誰かに任せる必要が出てくるでしょう。
ご自身が元気な内に任意後見契約、財産管理契約、死後事務委任契約をしておくことで、万一の備えになります。
死後事務委任契約は、子供がいても海外などに住んでいるとすぐに帰国することができないかもしれませんので、予め死後事務委任契約をしておくことで葬儀や火葬の手続きを任せることができます。
以上のようなご紹介したケースに限らず、任意後見はご自身が元気なうちに将来のことを前もって考え、相談し、備えることができる制度です。
後見制度について、ご検討・ご質問などあれば、当事務所にご相談ください。
初回相談は無料です。
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