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相続財産を調査するには
相続財産
相続財産とは、「被相続人(亡くなられた方)の財産に属した一切の権利義務」のことを相続財産といいます。
相続財産は預貯金、不動産、株式などが代表的なものですがそれだけに限られません。
被相続人が亡くなられたことで、相続人は被相続人の死亡の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。
ただ、必ず相続をしなければならないというわけではなく、遺産分割や相続放棄という手続きもあります。いずれの手続きにするにあたっても、被相続人の資産や負債がどれくらいあるか把握できないと判断できないこともあるでしょう。
では、被相続人の相続財産を調べていく方法はどうしたら良いでしょうか。
相続財産の調査方法
亡くなられた方の財産を全て把握している方は身近な存在であっても、少ないかもしれません。
一緒に住んでいなかったり、疎遠な関係であったときは尚更財産の把握は難しくなってくるでしょう。
家を持っていたり、給与の振込や生活費で使用していた銀行などの把握は容易ですが、そのほかの相続財産はどのように探していくのでしょうか。
- 預貯金の調査
まずは亡くなられた方がどこの金融機関と取引をしていたかを調べる必要があります。
預貯金通帳、キャッシュカードがあれば、その金融機関に預貯金が残っていること可能性は高いでしょう。その他、年金の受取口座や給与受取口座、光熱費の支払で使用していた口座等は容易に確認できるでしょう。もし口座の確認ができたものの、その金額が分からない場合は、当該金融機関に照会をかけ残高証明書等を取り寄せます。
預貯金通帳の利用明細に定期預金の利子などの記載があれば、普通預金以外に定期預金もあるでしょう。
通帳等がなければ、金融機関等から届く郵便物から調査を進めていくこともできます。
- 不動産の調査
不動産の相続財産調査は、まず最後に住んでいた場所の不動産の登記簿謄本を確認します。所有者として亡くなられた方が記載されていればその所有権が相続財産となります。また、借り入れなどをしているときは共同担保目録に他の不動産の記載も出てくることもあります。それも相続財産となる可能性があります。
次に大体の地域は分かるものの、具体的な場所までは分からないという場合、当該市区町村役場で名寄帳を取り寄せるという方法があります。
名寄帳は、特定の区域内において、ある人が所有している全ての不動産が記載されていますので、相続財産の漏れを防ぐ助けとなります。
ただし、名寄帳には単独で所有している物件と共有の物件は別々に記録されているので、名寄帳の請求の際は共有不動産も含む旨も伝えておく必要があります。
その他に不動産の所在が判明していないときは、市町村から郵送される固定資産税の納付書があれば確認することもできるでしょう。
不動産を所有していれば、権利証等を持っている可能性も高いので、その時はご自宅や貸金庫を探すことで判明することもあります。
- その他株式や保険等の財産
株式や保険等を所有していれば、預金通帳の利用明細に、証券会社や保険会社の収受金、上場会社などの配当金があれば、その財産を確認していきます。
また、定期的に株主になっている会社から株主総会案内等の通知が届くことで判明することもあります。
遺言書を探す方法
亡くなられた方が遺言を残していることもあります。遺言には相続財産が記載されていることが多いため、相続財産をそちらで確認することもできるでしょう。
しかし、相続財産の詳細がなく「一切の財産を●●に相続させる」という記載や相続財産の一部の記載しかない場合、遺言作成後に取得した財産がある場合など、遺言があれば相続財産の全てを把握できるとは限りません。
- 公正証書遺言・秘密証書遺言の場合
もし、亡くなられた方が公正証書遺言をのこしていた場合、それが平成元年以降に書かれたものであれば、全国の公証役場の保管された遺言を瞬時に検索できるシステムを利用することにより探すことができます。
- 自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言は、自分1人で作成が完結できる遺言ですので、その存在を本人以外誰も知らないということもありえます。まずは以下の場所を探してみましょう。
●自宅
●銀行の貸金庫
●懇意にしていた弁護士などがいればその専門家
亡くなられた方が生前に、施設に入っていたときなどは介護関係や病院関係の方に話をしているケースも考えられます。そのような方々に遺言の存在について聞いてみるのも一つでしょう。
なお、自筆証書遺言を見つけた場合は勝手に開封せず、見つけたままの状態で保管し、家庭裁判所の検認を受ける必要があるので注意してください。勝手に開封した場合は、5万円以下の過料を処せられる可能性があります。
- 自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合
令和2年7月10日から自筆証書遺言について法務局で保管する制度が始まりました。
最近始まった制度なので、最も可能性は低いでしょうが、法務局に対して遺言書保管事実証明書の交付請求をすることで確認することができます。
負債を調査するには
住宅ローンを除き、借金をする場合、身内や家族に内緒で借入をしていることもありえます。
家族が知らない借金を、相続人が把握することは容易ではありません。
もし借金の額が大きければ、相続放棄をすることを検討しなければならず、相続放棄をするには期限がありますので注意が必要です。
- 契約書等の書類、ローンカード等の有無の確認
金融機関からお金を借りる際、契約書に署名をする必要があります。また、カードローンのようにカードがあれば限度額内で何度も借入ができるという借入方法もあります。自宅にその契約書あるいはカードローンのカードがあれば、借金が残っている可能性があると言えます。
- 預金通帳の履歴の確認
支払い方法を、口座引き落としにしていた場合は、通帳の履歴から借入先等が判明することがあります。
- 督促状等の郵送物の確認
金融機関への返済が遅れると、催告状や督促状が自宅へ届くことがあります。これらの書類が届くということは、借金が残っている可能性が高いでしょう。
- 不動産の登記簿謄本の内容確認
不動産の登記簿謄本には、当該不動産を担保として借金をする場合が多く、その借入内容等が記載されています。
ただし、住宅ローンにっで被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合は、保険請求による完済することができます。
- 個人信用情報機関への開示請求
銀行、信用金庫、信販会社(クレジットカード)消費者金融などから借入をすると、信用情報機関にその内容が登録されています。信用情報機関に対しては、本人や相続人であればその情報の開示の請求ができます。
信用情報機関には、株式会社日本信用情報機構(JICC)、一般社団法人全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3種類があり、保証人の記載の有無など各機関によって記載に差がありますので、心配であれば全て確認をした方がいいかもしれません。
当事務所は、相続手続きで困ったことや面倒で全て任せたいなどのお客さまからのご要望に応えるために、「相続手続きトータルサポートプラン」を設けております。
相続に関する各種ご要望は是非当事務所へご相談ください。
当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
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根抵当権の消滅請求
根抵当権の消滅請求
根抵当権の場合、元本確定がされた後に被担保債権を弁済していれば、抹消登記を申請することができます。反対に、元本確定されていない場合には、被担保債権を弁済しても抹消登記を申請することはできません。そのようなケースでは根抵当権そのものを放棄してもらうことにより、元本確定前後を問わず、根抵当権の抹消登記を申請することは可能です。
その他に根抵当権を抹消する方法として、根抵当権の消滅請求という制度があります。
根抵当権の消滅請求とは、元本確定後、現に存在する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときに、物上保証人又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権もしくは対抗力を備えた賃借権を取得した第三者が、その根抵当権の極度額に相当する金銭を払い渡すか供託をして、その根抵当権の消滅を請求することができるという制度です。
根抵当権消滅請求の要件
- 根抵当権の元本が確定していること
- 根抵当権の現に存在する債務の額が極度額を超えていること
元本確定時ではなく、消滅請求の時点で超えていることが必要です。
また、現に存在する債務の額とは、各債務の元本及びその利息、遅延損害金の合計額を指します。
- 消滅請求権を有する者が根抵当権者に対して行使すること
消滅請求権を有する者とは、物上保証人、当該不動産について所有権、地上権、永小作権もしくは対抗力のある賃借権を取得した第三者です。
なお、消滅請求することができない者としては、債務者、保証人、当該不動産の停止条件付第三取得者で条件成就が未定の者等です。
- 極度額に相当する金額を根抵当権者に払い渡し、又は供託をすること
根抵当権の消滅請求は、消滅請求の意思表示が根抵当権者に到達した時に、その効力が発生しますので、根抵当権者の同意が不要です。なお、共同根抵当権の旨の登記がされている根抵当権は1個の不動産について根抵当権の消滅請求があったときは、全部の不動産について根抵当権が消滅します。
当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
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親から相続した事業を承継したくないときには
事業承継と相続について
親が事業(株式会社など)を経営しているときに、親がなくなったときには、その相続人が当該会社を承継することが一般的です。
ただ承継するといっても、相続人はあくまで株式を相続するだけで、当然に役員(取締役)や代表者の地位を承継するわけではありません。
役員や代表者になるには、株式を相続した相続人が株式総会の決議などにより自身を役員に選任することで、取締役や代表取締役になることができます。
よって、同族会社では問題が少ないかもしれませんが、他に株主が多数いたり自身が相続する議決権の割合が少ないときには、相続人といっても取締役や代表者になれない可能性もあります。
事業承継をしたくないときには
例)株式会社X(父が唯一の株主であり取締役である会社)、父の相続人は母と子の2名いる場合
このケースで父が亡くなり、母も専業主婦で子も別の仕事をしており、誰も事業を承継したくないようなときには、母と子には以下のような選択肢が存在します。
- 会社の解散・清算手続きをする
一旦会社の株式を相続した上で、解散・清算手続きをして会社を消滅させることができます。
ただし、会社などに借金が多いときには解散手続きをとれないこともありますので、注意が必要です。
- 会社の売買
こちらも一旦株式を相続した上で、会社を売却する方法になります。ただし、会社の売却となると買い手を見つけたり、また手続きも簡単ではありませんので
かなりの労力を要することもあります。
- 相続放棄をする
会社に借入があったとしても、個人で返済義務を負うわけではありませんが、通常中小企業の多くは代表者個人が会社の借入について連帯保証をしていることが殆どです。
この場合には、相続人は保証している借入について返済義務を負うことになります。
会社を引き継ぐ意思がなく、保証債務もあるときには資産の額と照らし合わせて相続放棄をすることも選択肢の一つとなるでしょう。
ただし、相続放棄は期限もあり、また意思表示だけでは足りず家庭裁判所への申述も必要となります。
詳細は当ホームページ「相続放棄について」もご参照ください。
https://amagasaki-shiho.com/souzokuhouki/
以上のように、亡くなられた方は会社を経営されていたときには、様々な問題が起きてきます。
亡くなられた直後は、気持ちも動転して、すぐに相続手続きのことまで考えられないでしょう。
誰に何を相談すれば分からないこともあるでしょう。
お困りのことがあれば、当事務所で親身に対応いたします。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
初回相談・見積り作成は無料です。
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相続手続きトータルサポートプラン
相続手続きと司法書士の関係
相続が発生すると亡くなられた方の財産に関する権利義務は相続人が承継しますが、亡くなられた方の名義になっている不動産、預貯金などは相続人が解約したり、相続人の名義に書き換えたりする必要があります。
相続自体の流れは皆さんお分かりかと思いますが、いざ自身に相続が発生したら、「何からすればよいのか分からない」「とにかく時間がない」「必要書類の集め方が分からない」など様々なケースでお困りのこともあるでしょう。
そのようなときは、司法書士にお任せください。
司法書士といえば、不動産の登記関係の業務しかできないと思われている方もいるでしょうが、司法書士(司法書士法第29条、同施行規則第31条)と弁護士のみ法令によって他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務をすることができるとされています。
相続手続きトータルサポートプランは、当事務所が相続人全員の窓口として、これらの手間のかかる手続きを全てお任せいただき、当該手続きを行っていくサービスです。
相続人間の協議がまとまりましたら、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成から預金口座や証券、不動産の名義変更まで、あらゆる相続手続きを代わりに行いますので、丸投げして頂いて大丈夫です!
相続手続きトータルサポートプランをおすすめするケース
- 戸籍の見方が分からない
- 本籍地が転々としており、集め方が分からない
- 相続財産が多く、調査や手続きが難しい
- 相続人の中で面識がなかったり、疎遠の者がいて手続きが進めれない
- 平日日中に金融機関や役所に行く時間がとれない
- 相続人の数が多く、調整が大変だ etc
相続手続きトータルサポートプランのメリット
- 相続に必要な手続きを全てお任せいただけます!
不動産の登記手続や、各金融機関毎の手続き、証券会社の手続きなど個別に動かれると労力も費用もかさんできます。
そこで各手続きに必要な書類の収集などもパックにすることで定額料金でご利用いただけます。
- 相続手続きが終わるまでは、ご相談し放題!
相続手続きを進めていく中で、新たな疑問や思いがけない資産や負債が出てくることも多々あります。そのような時でも、何度でもご相談に応じます。
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税金のでのお困りごとや今後争いごとになるような可能性のあるケースでは、提携している税理士や弁護士を紹介しますので、ご自身で都度探される手間も省け、
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相続した後の不動産の処分、代償分割の為の処分など不動産の売却に関しても無料でアドバイスを致します。その後売却や賃貸を決められたときにも、不動産の立地や用途などに合った不動産業者を紹介することもできます。相続相談と不動産の相談を別々に動かれるよりも、当事務所で一括してご相談されることで、お客さまにとってベストな処分方法を判断し、最も良い結果となるようサポートします。
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年末年始休業のお知らせ
年末年始休業のお知らせ
年末年始の休業日につきまして、下記のとおりお知らせいたします。
本年は当事務所をご愛顧いただきまして誠に有難うございました。
2021年も引き続きご愛顧いただけますようお願い申し上げます。
所員一同
・年末年始休業日
令和2年12月29日(火)~令和3年1月5日(火)
1月6(水)より、通常営業を開始いたします。
※休暇中のお問合せにつきましては、メールにて随時受け付けておりますが、ご返信が遅くなることもございますので予めご了承いただきますようお願い申し上げます。
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支店を設置したら
支店設置
株式会社の設立後に新たに支店を設置した場合には、本店所在地及び支店所在地を管轄する法務局に対して、その旨を登記する必要があります。
支店の設置は、取締役会設置会社においては取締役会の決議をし、それ以外の会社においては取締役が支店設置の決定をします。
ただし、取締役が2人以上いる会社においては、取締役の過半数をもって決定をします。(定款に別段の定めがある場合を除く)
その他、指名委員会等設定会社では、取締役会の決議により支店設置についての決定を執行役に委任することができます。
支店設置日について
支店設置の手続きは、取締役会や取締役の決議は必要ですが、それだけでは足らず現実の支店の開設が必要です。
支店の開設とは、具体的には支店として活動が開始できる人や物を備えた状態になることですが、現実的には「業務を開始した日」といえるでしょう。
支店設置の登記手続について
支店設置の登記をする際には、本店所在地と支店所在地の管轄法務局によって手続きは異なってきます。
①本店所在地と支店所在地の管轄法務局が同じ場合
この場合では、本店所在地を管轄する法務局にのみ支店設置の登記申請をすれば大丈夫です。
申請先が1ヶ所のために、登録免許税は6万円となります。
②本店所在地を支店所在地の管轄法務局が異なる場合
この場合は、支店所在地の登記申請を本店所在地の法務局を経由して同時に申請することができます。
よって、本店と支店それぞれに申請書を個別に出す必要はありません。(必要がないだけで、個別に申請することも可能です)
登録免許税は本店所在地分の法務局分が6万円、支店所在地の法務局分が9,000円、その他登記手数料として300円の合計69,300円がかかります。
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相続放棄を取消した場合の登記手続き
相続放棄の取消しはできるの?
相続放棄は原則取り消すことはできませんが、以下のような場合には家庭裁判所にした相続放棄の意思表示を取り消すことができます。
- 錯誤、詐欺又は強迫によって相続放棄をした場合
- 未成年者が法定代理人の同意を得ないで相続放棄をした場合
- 成年被後見人が相続放棄をした場合
- 被保佐人が保佐人の同意を得ないで相続放棄をした場合
- 後見監督人がある場合に、後見人がその同意を得ないで相続放棄をした場合
これらのケースに該当する場合には、家庭裁判所に対する申述により相続放棄の取消しの手続きをすることはできますが、効力は家庭裁判所の申述受理の審判の確定によって生じます。
ただし、相続放棄の取消しにも期限はあり、「追認することができる時から6ヶ月行使しないときには、時効によって消滅します。また、放棄のときから10年経過したときも同様に消滅します。」
相続放棄取消による登記手続
不動産の相続登記をする際に、相続人の中に相続放棄をした方がいる場合には、相続放棄をした方は不動産の所有者にはなりません。
相続放棄は初めから相続したものとみなされないためです。
では、一旦相続登記がされた後に相続人の誰かが相続放棄取消をした場合には、登記手続きを変更することはできるでしょうか。
相続放棄の取消しが有効にされると、相続放棄は最初からされなかったものとなり、相続放棄をした方も財産を相続することができます。
よってこのようなケースでは、その方を除外してされた相続登記を「更正」することとなります。
所有権の更正登記は、相続放棄取消によって新たに登記名義や持分を得る方だけではなく、他の登記名義を失ったり持分が減少する相続人も一緒に申請人となります。
(持分に増減が生じない方は申請人となりません)
よって、登記名義を失ったり減少する方の署名や印鑑証明書、権利証などの協力も必要となってきますので、ご注意ください。
相続登記全般についてご相談があれば、お気軽にご連絡ください。
電話、メールでも随時受け付けております。
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根抵当権の債務者が亡くなったときには
根抵当権の債務者が亡くなったら
元本確定前の根抵当権の債務者について相続が開始した場合には、その相続開始時に存在する債務は、相続人が承継します。よって、債務を承継した相続人を明らかにするためにも債務者の変更登記が必要となってきます。
債務者の表示は登記簿謄本にも記載されますので、共同相続人全員の住所や氏名を記載することとなります。ただし相続人の中で相続放棄をした方がいる場合には、初めから相続人とならないために債務者として記載されることはありません。
指定債務者の合意とは
根抵当権の債務者が亡くなられたときに、根抵当権者(銀行等)と債務者の相続人が元本を確定させないで引き続き根抵当権枠での取引を継続しようとするときは、
①債務者の相続による変更登記のほかに②根抵当権者と設定者(所有者)の合意により定める「指定債務者の合意」の登記もしなければなりません。
指定債務者とは、相続開始後に債務を負担するものであり、相続人の中から指定しなければなりません。
この②の登記は①の登記とともに、債務者の相続開始後6ヶ月以内にしなければ当該根抵当権の元本は確定してしまいますので、注意が必要です。
この①、②の登記をすることで元本は確定せずに、当該根抵当権は亡くなった債務者が相続開始時に存在する債務及び指定債務者が相続開始後に負担する債務を担保することとなるため、
従前通りの取引ができるようになります。
指定債務者の合意と利益相反
元本確定前の根抵当権の債務者及び設定者(所有者)である父が死亡し、未成年者の子が根抵当権の対象となっている不動産を相続することは勿論可能です。
ただし、母親が子に代わって指定債務者とする合意は、親の債務を子が担保提供することとなり、利益相反に該当します。
利益相反に該当するような場合には、その子のために特別代理人を選任するために家庭裁判所への手続きが必要となってきます。
登記手続きについて
①、②の登記は当該根抵当権の対象となっている不動産の相続登記手続とは別個のものです。
仮に、亡くなった父が不動産の設定者(所有者)及び根抵当権の債務者であった場合(相続人は配偶者と子1人)で考えてみると
| 1、不動産の相続による所有者の名義変更登記(登録免許税:不動産の固定資産税評価額×1000分の4 |
⇓
| 2、根抵当権の債務者(父から配偶者と子へ)の変更登記(登録免許税:不動産1個につき1,000円) |
⇓
| 3、指定債務者(配偶者か子のどちらか)の合意の登記(登録免許税:不動産1個につき1,000円) |
と、3種類の登記手続が必要です。(同時に申請することはできます)
もし亡くなられた方が個人事業主であった場合などには、根抵当権の債務者になっていることも考えれらますので、事業をされていた方の相続手続きには特に注意する必要があるでしょう。
当事務所はあらゆる相続手続きにも親身にサポートいたしますので、相続手続きのことや亡くなられた方の借入のことなどで不安や悩みがある方は一度ご相談ください。
阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積り作成は無料です。
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NPO法人の設立を検討されている方へ
NPO法人とは
NPO法人とは、日本では「特定非営利活動法人」といいます。
非営利とは、その活動によって得た利益を構成員に分配しないことをいい、サービスの提供などにより収益を得ること自体は問題ありません。
ただ、その利益を構成員に配当や報酬として分配することはできませんので、あくまでその利益は団体の目的の実現のために活動に使わなければなりません。
非営利で構成員に配当などを分配できないからといって、職員は無償で活動しなければならないとすると組織としては存続することはできませんので、NPO法人の職員が報酬を受け取って事業をすることは全く問題ありません。また、従業員や職員に支払う給与は、労働の対価として適当な額であれば、事業実施のための費用として考えられるので、利益の分配にもあたりません。
要はそのNPO法人本来の活動の目的に沿っているものであれば、収入を得ることも構成員などに給与を支払うことも問題はないということです。
NPO法人のメリット
- 社会的信用度が増す
NPO法人は情報公開が法律上、義務付けられており、透明性も高く、社会的な信頼性も高まります。
- 定款認証や設立登記の登録免許税がかからない
公証役場での定款認証や、設立登記の登録免許税もかからず、初期費用が抑えられます。
- 収益事業のみ法人税が課税される
法人税法上の公益法人等として扱われるため、収益事業を実施した場合にのみ課税され、会費や寄付金は非課税として扱われます。
- 理念や活動内容に共感する人材が集まりやすい
理念や活動内容が情報公開されることからも明確となっており、共感を持った人材に職員やボランティアとして関わってもらいやすくなります。
NPO法人のデメリット
- 情報公開の義務が生じる
NPO法人は関係者だけではなく、広く市民に知ってもらい、また監督され、支えられる目的としているために定款や事業報告書等を情報公開することが義務付けられています。
そのため、定款や事業報告書等は事務所や所轄庁に備え置く必要があります。
- 活動内容に制限がある
NPO法人では、公益的な非営利活動として、特定された20項目の活動の分野に制限されています。
- 設立に際して多くの人員が必要
NPO法人の設立要件として、社員(常時)が10人以上必要です。また、役員は理事3人以上、監事1人以上が必須となります。株式会社が1人でも設立できることから比べても、多くの設立に関わる人が必要となります。
- 所轄庁への各種手続きが必要
NPO法人を設立するには、所轄庁の認証を受けなければなりません。また、設立後も毎事業年度終了後に事業報告書等を所轄庁に提出しなければなりません。
NPO法人の活動目的について
NPO法では、公益的な非営利活動として、20項目の活動が挙げられています。NPO法人が行う活動については、以下の20項目のいずれかに含まれる必要があります。
|
活動分野20項目 1、 保健、医療又は福祉の増進を図る活動 2、 社会教育の推進を図る活動 3、 まちづくりの推進を図る活動 4、 観光の振興を図る活動 5、 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動 6、 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 7、 環境の保全を図る活動 8、 災害救援活動 9、 地域安全活動 10、人権の擁護又は平和の推進を図る活動 11、国際協力の活動 12、男女共同参画社会の形成の推進を図る活動 13、子どもの健全育成を図る活動 14、情報化社会の発展を図る活動 15、科学技術の振興を図る活動 16、経済活動の活性化を図る活動 17、職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 18、消費者の保護を図る活動 19、前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 20、前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 |
※20項目に含まれるかどうかの判断は、常識的に含まれると考えられるものは、含めることができるとされています。
また、主たる目的とするには、特定非営利活動の割合が50%以上占めてなければならず、具体的には活動の事業費の金額などを見て、総合的に判断されます。
NPO法人設立手続きの流れ
NPO法人の設立は、通常は以下のような流れとなります。
NPO法人は株式会社と違い、公証役場での定款認証は不要です。
また、出資金の払込証明なども必要ありません。
| 1、設立準備会(発起人会)開催 |
NPO法人を設立したいと考える人たちが集まり、以下のような事項について検討していきます。
●目的 ●定款の起案 ●事業計画、予算案の作成 ●10人以上の社員の確保 ●組織体制の検討 ●役員案の検討 など
⇓
| 2、認証申請書類の作成 |
設立準備会で検討した内容をもとに、作成した各種申請書類を所轄庁に提出します。通常は書類の不備から1度で受理されることは少なく、計画的に準備していくことがよいでしょう。
⇓
| 3、審査・公告 |
所轄庁は、認証申請書を受理後インターネットに掲示し、公表します。
また、インターネットなどにおいて定款、役員名簿、事業計画書などが一般に公開(縦覧)されます。
縦覧期間終了後、1~2ヶ月以内に審査が行われます。
⇓
| 4、認証・不認証の決定 |
認証の場合は認証書が交付されます。不認証の場合はその理由を記した書面で通知されます。認証された場合は、認証書が到達した日から2週間以内に法務局に設立登記申請を行う必要があります。
⇓
| 5、法務局への設立登記申請 |
認証書の写し・定款の写し・就任承諾及び誓約書の写し・設立時の財産目録の写し代表者の印鑑証明書の写しなど必要な書類を集めた上で、登記申請の手続きを法務局へ申請します。
⇓
| 6、登記の完了 |
⇓
| 7、届出 |
登記が終わりましたら、所轄庁に以下の書類を提出します。
・設立登記完了届出書 1部
・登記事項証明書 1部
・登記事項証明書の写し 1部
・設立時の財産目録 2部
当事務所は、行政書士事務所も併設しており、NPO法人設立の際しての認証申請書類作成から登記手続きまで一貫して対応することができます。
NPO法人のみに係わらず、会社全般の設立手続でお困りのことがあれな、是非ご相談ください。
阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積り作成は無料です。
当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
初回のご相談や費用のお見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
相続手続きはどこに相談すればよいのか
相続手続きはどこに相談すればよいのか
ご自身が相続手続きで分からないことがあったときには、ネットで検索して調べる方が殆どだと思います。
ネットで検索して解決すれば問題ありませんが、いざ実際に法務局や家庭裁判所、銀行、保険会社などへの手続きが必要となり、専門家に相談するときにはどこに連絡すればよいでしょうか。
「相続」などのキーワードで検索すると、「司法書士」「弁護士」「税理士」「行政書士」、はたまた「銀行・信託銀行」など各々が運営しているホームページなどが出てくると思います。
これだけ情報量があると、一体自身の場合にはどこに依頼するのが最もよいのか、不安や疑問を思われるでしょう。
相続手続きにおいて、具体的なケースを含めて各専門家の違いについてご説明します。
①相続人同士で争いごとが起きている場合
相続人同士で揉め事が起きており、当事者間の話し合いでは解決できないようなケースや訴訟に発展する可能性が高いケースでは弁護士に相談されるのがよいでしょう。
また、遺留分減殺請求を裁判所をとおして手続きするときも同様です。
お客さまの代理人となって、他の相続人と交渉することは弁護士しかできません。ただし、弁護士に依頼されたときには相応の報酬がかかってきますが、やむを得ないでしょう。
②相続税が発生する場合
税についての専門家は税理士です。
司法書士や行政書士では相続税についての申告書を作成したり、税務署に提出することはできません。
税理士の先生によっては、相続税の申告の他に遺産分割協議書の作成もしてもらえます。
③相続財産は預貯金や株式のみの場合
相続財産が預貯金や株式のみの場合で、戸籍収集や遺産分割協議書だけの作成をしてほしい場合には行政書士が適しているでしょう。
④相続放棄や遺言書の検認手続きをしたい場合
相続放棄や遺言書の検認手続きは家庭裁判所に提出します。裁判所へ提出する書類作成は弁護士、司法書士が行うことができますので、どちらかに依頼されるのがよいでしょう。
⑤相続財産に不動産がある場合
相続財産に不動産がある場合には、司法書士に依頼されるのがよいでしょう。
司法書士は登記の専門家であり、不動産の名義変更に関わる手続きに必要な戸籍収集から遺産分割協議の作成まで全て代行することができます。
その他、不動産の有無に係わらず、遺産整理業務として、預貯金や株式、生命保険などの相続手続き一式を代行することもできます。
この他「銀行」や「信託銀行」でも相続手続き(遺産整理業務)を一式依頼することもできますが、下記の点からもメリットは少ないでしょう。
①最低報酬額があり、費用負担が大きい
各銀行は知名度もあり、信用度が高いので安心感は得られるでしょう。
ただし、最低報酬額を決めていることが殆どで、遺産整理業務一式を依頼すると最低でも銀行への報酬として100万円以上かかってきます。
詳細は、当事務所ホームページ「遺産整理業務とは?」もご参照ください。
https://amagasaki-shiho.com/isanseirigyoumu/
②銀行提携の士業への報酬も別途かかる
各銀行自体がアドバイスやコンサルティング業務を行うだけであり、相続税の申告や戸籍収集、登記手続きをするわけではありません。
この場合には、提携している税理士や司法書士への報酬も別途かかってきて、結果的に時間や費用の負担が大きくなります。
このように色々なケースに応じてご相談される専門家も異なってくるでしょう。当事務所は、行政書士事務所も併設しておりますので、相続人間同士で争いのない場合(ケース③~⑤まで)には全て対応することが可能です。
費用についても、ホームページに記載しておりますので、ご安心ください。
相続手続き全般でお困りのことがあれな、是非ご相談ください。
阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積り作成は無料です。
当事務所は兵庫県尼崎市を拠点に、相続や遺言に関する手続きをサポートしています。相続手続きでは、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、複雑な手続きを一括してお任せいただけます。また、遺言書の作成支援も行っており、将来の相続に備えた適切なアドバイスを提供しています。
初回のご相談や費用のお見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
