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相続登記が義務化される?
相続登記の義務化について
ニュース等で見られた方もおられると思いますが、所有者不明土地問題の解消策を議論していた法制審議会(法相の諮問機関)の専門部会において2月2日、相続登記の義務化などを柱とする答申案がまとめられ、10日の総会で正式決定するとの報道がありました。
今後はこれを受け、法務省が正式に国会に関連法案を提出する方針との事です。具体的には土地の相続登記を義務付け、3年以内に登記しなければ10万円以下の過料を科すことや、一定の要件を満たせば、相続した土地の所有権を手放せる制度も新設するといった内容です。
確かに人口減による土地需要の縮小などを背景に、相続人が登記手続きを行わず、所有者が不明となる土地は全国的に増加しています。
相続登記がせずに放置しておくと、当初の相続人であった方も死亡してしまい、更にその子、孫や兄弟姉妹までいってしまうと相続人の調査や確定が難航し、ますます相続登記は困難になってくるでしょう。
相続人間の争いがあったり、相続人の行方が分からない、不動産が山林で管理できない、など相続登記をせずに放置しているのには理由が様々あるかもしれませんが、これを契機に相続人の相続登記の義務化と合わせて、財産を残される方も遺言書を残しておくことなど生前に対策を講じることも必要になってくるでしょう。
当事務所も相続や遺言でお困りのことがあれば、随時相談を受け付けております。
お気軽にご相談ください。
遺言と家族信託の違いとは
遺言と家族信託の違い
遺言も家族信託も、財産の円滑な承継を目的としている点では似た制度です。しかしながら、どのように財産を管理・運用・承継したいのかによってどちらの制度を利用するのか、または両方の制度を利用するのがよいのか、考えておく必要はあります。
ここでは、遺言と家族信託の違いについていくつか説明していきます。
(1)効力発生時期の違い
遺言は遺言を書いた方が亡くなられた時からその効力が発生します。一方、家族信託は契約をした時からその効力を発生しますので、効力が発生する時期が異なります。
よって、遺言に記載した内容はあくまで亡くなった後の事であり、生前の財産管理等には対応できません。家族信託では契約をした時から効力が発生しますので、契約より財産を信託しておくことで、万一委託者が生きている間に判断能力が低下したとしても、受託者はその財産管理を継続することができます。
(2)財産承継先の柔軟性の違い
遺言では、財産を承継させる人間は自分の次の人しか指定することはできません。一方、家族信託では何代に渡っても財産を承継させる人(受益者)を指定することが可能です。
よって、家族信託でも信託した財産については、遺言書の代わりとなる機能もあるといえるでしょう。
例えば、「甲が死亡したら乙へ、乙が死亡したら丙へ」という旨の内容は、遺言では定めることができませんが、家族信託では可能です。
これによって家族信託では、遺言と違い、予め受益者を何代にも渡り、指定しておくことで自分の直系血族以外に財産が流れてしまうことを防ぐこともできます。
遺言と家族信託を両方利用した場合
では、遺言書も作成し、家族信託契約も締結していた場合には、どちらが優先されるのでしょうか?
遺言は、一般法である民法に基づく制度であり、家族信託は特別法である信託法に基づく制度です。特別法は一般法に優先しますので、この場合には特別法である家族信託が優先することとなります。
以下2つのケースでも、結論としては家族信託契約が優先します。
①遺言を作成した後に、家族信託契約をした場合
遺言は撤回することができ、遺言に抵触する行為をした場合には、その抵触した部分については撤回したものみなされます。
よって、遺言を作成した後に、家族信託契約をした場合にも、前にした遺言に抵触する部分については、家族信託契約が優先させるといえるでしょう。
②家族信託契約をした後に、遺言を作成した場合
家族信託契約によって、信託財産となったものは、委託者固有の財産から切り離されます。よって、遺言によって信託財産を記載しても信託財産は既に固有の信託財産として存在しているので、その部分については効力が発生しないことになります。結果として、こちらも家族信託契約が優先することとなります。
法定相続情報一覧図の上手な使い方
法定相続情報証明制度とは
法定相続証明制度は2017年5月29日に開始された制度で、亡くなった人(被相続人)の法定相続人は誰で、各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を証明するための制度です。
この制度が開始される以前は、相続手続きにおいて相続情報を証明するために、相続関係説明図を作成したり、被相続人及び相続人全員の戸籍謄本等の提出が必要とされ、労力が大変にかかるものでした。それが、この制度によって逐一銀行等に戸籍謄本等の提出をする手間が省け、簡単に証明できるようになりました。
この中で法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことです。
この法定相続情報一覧図の写しが、従来の戸籍謄本等の膨大な提出書類の代わりに、法定相続人の情報・内容を証明してくれるので、相続手続きを円滑に進めることができるのです。
あくまでこの制度の利用は任意なので、従来通りの方法によって法定相続情報を証明しても構いません。
法定相続情報一覧図を利用できるケース
法定相続情報一覧図は主に以下のような手続きを行う際に利用することができます。
- 預貯金の名義変更や解約手続き
- 不動産の相続による名義変更登記
- 株式の名義変更や解約手続き
- 投資信託の名義変更や解約手続き
- 相続税の申告 等
法定相続情報一覧図の有効な活用方法
(1)相続の手続きをする金融機関の数が多い場合
いままでの相続手続きは、亡くなられた方が複数の銀行や証券会社の口座等を持っていた場合には、それぞれの金融機関毎に戸籍謄本等一式を提出する必要がありました。提出した戸籍謄本は手続きが完了するまで返却されなかったため、手続きが終わるまでは他の金融機関へ提出することができず同時進行が難しいという問題点がありました。また提出を受けた金融機関も膨大な戸籍謄本を読み取り確認しなければならず、多くの時間を要します。
法定相続情報証明制度では、法定相続情報一覧図を複数枚発行してもらうことができますので、同時に各金融機関への手続きを同時に行うことができ、金融機関を戸籍謄本を読み取る必要もなくなりますので、大幅な時間の節約に繋がります。
(2)不動産の名義変更登記をする場合
不動産の相続による名義変更登記の手続きも、これまでは法務局に戸籍謄本一式を提出する必要がありました。登記が完了するまでは戸籍謄本は返却されず、(1)のケースと同様に他の金融機関との手続きを同時に行うことが難しいものでした。これに代わり、法定相続情報一覧図を法務局に提出することで、戸籍謄本の提出が省略できるので、書類準備の手間や時間を大きく削減することが可能となりました。
(3)費用の削減を図りたい場合
戸籍謄本を全て集めるといっても、亡くなられた方が本籍地を色々な場所に移していたり、代襲相続が起きているときなどは戸籍謄本の数も膨大になり、費用もかなりかかってきます。
(除籍謄本、原戸籍謄本は1通750円かかります。)また、本籍地の役所が遠方にあるときには郵送手続きになることから、その分小為替発行手数料や切手代等も嵩んできます。
法定相続情報証明制度では、法務局に申出をすればその後5年間は何度でも無料で発行してもらえるため、銀行や証券会社、法務局等、多数の機関で利用されたい場合には、それぞれの機関毎に戸籍謄本を取得する必要もなくなり、費用面でも節約することができます。
法定相続情報一覧図作成の必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式
- 被相続人の最後の住所地での住民票の除票
- 相続人の戸籍謄本
- 申出人の本人確認証明書(免許証の写し等)
- 各相続人の住民票(法定相続情報一覧図に相続人の住所も掲載したい場合のみ)
- 委任状(代理人によって申出をする場合)
相続人といっても、亡くなられた方のことを全て知っているわけではありません。再婚していることや前夫・前妻との間に子どもがいることを知らされていないことも考えられます。相続人を確定することは、相続手続きにおいては、入口で行う作業であり、大変重要です。「法定相続人情報一覧図」を有効に活用して、相続人を早めにかつ正確に把握することで費用、時間的にもスムーズな手続きに繋がることでしょう。ただし、ご相続人の中に外国籍の方がいらっしゃる場合には法定相続情報一覧図は作成ができないので注意が必要です。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、戸籍収集のサポートから、当該法定相続情報一覧図の作成申し出の代行までトータルでお手伝いしておりますので、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
また、メールでも随時ご相談を受け付けております。
ご検討されていらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。
死後事務委任契約とは
死後事務委任契約
人が亡くなられると、葬儀場の手配、役所への届出、また病院や施設の費用清算や年金の手続きなど様々な手続きが発生します。
一般的に、これらの手続きは残された家族や親族が行います。家族や親族であれば、わざわざ契約をしておかなくても葬儀の手続きや役所への届出をすることは当然可能です。
ただし、家族や親族、身寄りの方がおられない方の場合には、代わりにその手続きを行ってくれる人がいないこともあり得るでしょう。
今後より一層高齢化社会が進み、家族関係も変わってきていることから、このような手続きを行ってくれる方がおられないまま亡くなられてしまう事も増えてくる事は当然予想されます。
ご自身が亡くなった後の事を考えて、亡くなられた後の事務手続きを任せたいと思った方に、手続きを行ってくれるようにあらかじめ生前に契約をしておくことを「死後事務委任契約」と呼んでいます。
死後事務委任契約と遺言(遺言執行)の違い
先程も述べました通り、「死後事務委任契約」とは葬儀場の手配、役所への届出、病院や施設の費用の清算や年金の手続きなど様々な事務手続きを生前にあらかじめ委託する方と契約をしておくことです。亡くなられた後の事務手続きについての契約になる為に、相続財産については対応できません。
それに対して、遺言(遺言執行)とは自身が亡くなった後の財産の分け方などをあらかじめ指定しておくことです。遺言を残すような家族や親族がいるような場合では、その方たちが死後の事務手続きも行ってくれることでしょう。ただし、遺言ではあくまで財産承継についての記載しかすることができません。
よって例えば、第三者に遺贈する旨の内容の遺言で遺言執行者を定めていたとしても、遺言執行者は遺言で定められた財産等の承継しか手続きを行うことはできません。
すなわち、死後事務委任契約だけをしておいても財産承継の部分は対応することはできませんし、一方遺言だけでは死後事務手続きについて任せることはできません。
身近な家族・親族もなく、誰かに頼ることもできないような方であれば、「遺言書」と「死後事務委任契約」をセットで残しておくことで、財産承継と死後の事務手続きも網羅でき、心配や不安ごとも解消できるでしょう。
死後事務委任契約の契約内容について
亡くなられた後に発生する手続きが必要な可能性のある項目については、なるべく全て明記した上で契約をしておいた方が良いでしょう。
死後事務委任は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家へのご依頼に関わらず、知人などの第三者と契約をすることもできます。
しかしながら、死後の事務手続費用に関するお金を預けたり、報酬を支払っておいたりしても、それがご自身の意思とは違う部分で使用されたり、使い込まれてしまう可能性もあります。
専門家に依頼すれば、死後事務委任契約をしっかりと作成してもらうこともできるでしょうし、契約内容に沿った死後事務手続きをきちんと正確に行ってくれることでしょう。
●死後事務委任契約の委任事務についての一例 ①葬儀、火葬、納骨、埋葬に関する事務 ②遺骨の埋蔵、収蔵に関する事務 ③永代供養に関する事務 ④医療契約・介護施設利用料等の解約・清算手続きに関する事務 ⑤不動産賃貸借契約の解約、明け渡しまでの管理事務 ⑥住居内の遺品整理事務 ⑦公共サービス料金等の解約・清算事務 ⑧住民税、国民健康保険料等の納税手続 ⑨市役所等への各種届出・手続 ⑩SNS、メールアカウント、パソコンのデータ消去等の各種手続 ⑪親族等への死亡通知等連絡に関する事務 ⑫勤務先企業への退職に関する手続 ⑬ペットの引き渡し手続 など |
死後事務委任は、あくまで亡くなられた後に委任事務が発動しますので、内容を変更することはできません。よって、あらかじめ話し合いにより委任事務の内容は詳細に盛り込んでおくこと方がお互いに安心できるでしょう。
また、死後事務は委任者が亡くなられると即時に事務作業は開始されます。
- 遺体の引取りや葬儀場の手配、病院や介護施設料の解約・清算費用なご、多くの費用が発生してきます。このような費用に対応するために、一定金額を契約時に受任者に預けておく(預託)方法が一般的です。預託金額は死後事務委任契約時に定めておくこととなりますが、ご依頼される内容や規模によって異なってきますので、あらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。
- 死後事務委任は、亡くなられた方の意思を尊重しながら、最後まで見届ける必要があります。その分責任も重く、依頼される方にとっても、誰に頼めば安心なのかはすぐに答えが出ないでしょう。当事務所はそのようなことでお困りやお悩みの方に少しでも寄り添えるように、ご相談には真摯に対応するよう努めております。
相続や遺言に限らず、亡くなられた後のご不安やご心配ごとがあれば、お気軽にご相談ください。
相続財産を調査するには
相続財産
相続財産とは、「被相続人(亡くなられた方)の財産に属した一切の権利義務」のことを相続財産といいます。
相続財産は預貯金、不動産、株式などが代表的なものですがそれだけに限られません。
被相続人が亡くなられたことで、相続人は被相続人の死亡の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。
ただ、必ず相続をしなければならないというわけではなく、遺産分割や相続放棄という手続きもあります。いずれの手続きにするにあたっても、被相続人の資産や負債がどれくらいあるか把握できないと判断できないこともあるでしょう。
では、被相続人の相続財産を調べていく方法はどうしたら良いでしょうか。
相続財産の調査方法
亡くなられた方の財産を全て把握している方は身近な存在であっても、少ないかもしれません。
一緒に住んでいなかったり、疎遠な関係であったときは尚更財産の把握は難しくなってくるでしょう。
家を持っていたり、給与の振込や生活費で使用していた銀行などの把握は容易ですが、そのほかの相続財産はどのように探していくのでしょうか。
- 預貯金の調査
まずは亡くなられた方がどこの金融機関と取引をしていたかを調べる必要があります。
預貯金通帳、キャッシュカードがあれば、その金融機関に預貯金が残っていること可能性は高いでしょう。その他、年金の受取口座や給与受取口座、光熱費の支払で使用していた口座等は容易に確認できるでしょう。もし口座の確認ができたものの、その金額が分からない場合は、当該金融機関に照会をかけ残高証明書等を取り寄せます。
預貯金通帳の利用明細に定期預金の利子などの記載があれば、普通預金以外に定期預金もあるでしょう。
通帳等がなければ、金融機関等から届く郵便物から調査を進めていくこともできます。
- 不動産の調査
不動産の相続財産調査は、まず最後に住んでいた場所の不動産の登記簿謄本を確認します。所有者として亡くなられた方が記載されていればその所有権が相続財産となります。また、借り入れなどをしているときは共同担保目録に他の不動産の記載も出てくることもあります。それも相続財産となる可能性があります。
次に大体の地域は分かるものの、具体的な場所までは分からないという場合、当該市区町村役場で名寄帳を取り寄せるという方法があります。
名寄帳は、特定の区域内において、ある人が所有している全ての不動産が記載されていますので、相続財産の漏れを防ぐ助けとなります。
ただし、名寄帳には単独で所有している物件と共有の物件は別々に記録されているので、名寄帳の請求の際は共有不動産も含む旨も伝えておく必要があります。
その他に不動産の所在が判明していないときは、市町村から郵送される固定資産税の納付書があれば確認することもできるでしょう。
不動産を所有していれば、権利証等を持っている可能性も高いので、その時はご自宅や貸金庫を探すことで判明することもあります。
- その他株式や保険等の財産
株式や保険等を所有していれば、預金通帳の利用明細に、証券会社や保険会社の収受金、上場会社などの配当金があれば、その財産を確認していきます。
また、定期的に株主になっている会社から株主総会案内等の通知が届くことで判明することもあります。
遺言書を探す方法
亡くなられた方が遺言を残していることもあります。遺言には相続財産が記載されていることが多いため、相続財産をそちらで確認することもできるでしょう。
しかし、相続財産の詳細がなく「一切の財産を●●に相続させる」という記載や相続財産の一部の記載しかない場合、遺言作成後に取得した財産がある場合など、遺言があれば相続財産の全てを把握できるとは限りません。
- 公正証書遺言・秘密証書遺言の場合
もし、亡くなられた方が公正証書遺言をのこしていた場合、それが平成元年以降に書かれたものであれば、全国の公証役場の保管された遺言を瞬時に検索できるシステムを利用することにより探すことができます。
- 自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言は、自分1人で作成が完結できる遺言ですので、その存在を本人以外誰も知らないということもありえます。まずは以下の場所を探してみましょう。
●自宅
●銀行の貸金庫
●懇意にしていた弁護士などがいればその専門家
亡くなられた方が生前に、施設に入っていたときなどは介護関係や病院関係の方に話をしているケースも考えられます。そのような方々に遺言の存在について聞いてみるのも一つでしょう。
なお、自筆証書遺言を見つけた場合は勝手に開封せず、見つけたままの状態で保管し、家庭裁判所の検認を受ける必要があるので注意してください。勝手に開封した場合は、5万円以下の過料を処せられる可能性があります。
- 自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合
令和2年7月10日から自筆証書遺言について法務局で保管する制度が始まりました。
最近始まった制度なので、最も可能性は低いでしょうが、法務局に対して遺言書保管事実証明書の交付請求をすることで確認することができます。
負債を調査するには
住宅ローンを除き、借金をする場合、身内や家族に内緒で借入をしていることもありえます。
家族が知らない借金を、相続人が把握することは容易ではありません。
もし借金の額が大きければ、相続放棄をすることを検討しなければならず、相続放棄をするには期限がありますので注意が必要です。
- 契約書等の書類、ローンカード等の有無の確認
金融機関からお金を借りる際、契約書に署名をする必要があります。また、カードローンのようにカードがあれば限度額内で何度も借入ができるという借入方法もあります。自宅にその契約書あるいはカードローンのカードがあれば、借金が残っている可能性があると言えます。
- 預金通帳の履歴の確認
支払い方法を、口座引き落としにしていた場合は、通帳の履歴から借入先等が判明することがあります。
- 督促状等の郵送物の確認
金融機関への返済が遅れると、催告状や督促状が自宅へ届くことがあります。これらの書類が届くということは、借金が残っている可能性が高いでしょう。
- 不動産の登記簿謄本の内容確認
不動産の登記簿謄本には、当該不動産を担保として借金をする場合が多く、その借入内容等が記載されています。
ただし、住宅ローンにっで被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合は、保険請求による完済することができます。
- 個人信用情報機関への開示請求
銀行、信用金庫、信販会社(クレジットカード)消費者金融などから借入をすると、信用情報機関にその内容が登録されています。信用情報機関に対しては、本人や相続人であればその情報の開示の請求ができます。
信用情報機関には、株式会社日本信用情報機構(JICC)、一般社団法人全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3種類があり、保証人の記載の有無など各機関によって記載に差がありますので、心配であれば全て確認をした方がいいかもしれません。
当事務所は、相続手続きで困ったことや面倒で全て任せたいなどのお客さまからのご要望に応えるために、「相続手続きトータルサポートプラン」を設けております。
相続に関する各種ご要望は是非当事務所へご相談ください。
親から相続した事業を承継したくないときには
事業承継と相続について
親が事業(株式会社など)を経営しているときに、親がなくなったときには、その相続人が当該会社を承継することが一般的です。
ただ承継するといっても、相続人はあくまで株式を相続するだけで、当然に役員(取締役)や代表者の地位を承継するわけではありません。
役員や代表者になるには、株式を相続した相続人が株式総会の決議などにより自身を役員に選任することで、取締役や代表取締役になることができます。
よって、同族会社では問題が少ないかもしれませんが、他に株主が多数いたり自身が相続する議決権の割合が少ないときには、相続人といっても取締役や代表者になれない可能性もあります。
事業承継をしたくないときには
例)株式会社X(父が唯一の株主であり取締役である会社)、父の相続人は母と子の2名いる場合
このケースで父が亡くなり、母も専業主婦で子も別の仕事をしており、誰も事業を承継したくないようなときには、母と子には以下のような選択肢が存在します。
- 会社の解散・清算手続きをする
一旦会社の株式を相続した上で、解散・清算手続きをして会社を消滅させることができます。
ただし、会社などに借金が多いときには解散手続きをとれないこともありますので、注意が必要です。
- 会社の売買
こちらも一旦株式を相続した上で、会社を売却する方法になります。ただし、会社の売却となると買い手を見つけたり、また手続きも簡単ではありませんので
かなりの労力を要することもあります。
- 相続放棄をする
会社に借入があったとしても、個人で返済義務を負うわけではありませんが、通常中小企業の多くは代表者個人が会社の借入について連帯保証をしていることが殆どです。
この場合には、相続人は保証している借入について返済義務を負うことになります。
会社を引き継ぐ意思がなく、保証債務もあるときには資産の額と照らし合わせて相続放棄をすることも選択肢の一つとなるでしょう。
ただし、相続放棄は期限もあり、また意思表示だけでは足りず家庭裁判所への申述も必要となります。
詳細は当ホームページ「相続放棄について」もご参照ください。
https://amagasaki-shiho.com/souzokuhouki/
以上のように、亡くなられた方は会社を経営されていたときには、様々な問題が起きてきます。
亡くなられた直後は、気持ちも動転して、すぐに相続手続きのことまで考えられないでしょう。
誰に何を相談すれば分からないこともあるでしょう。
お困りのことがあれば、当事務所で親身に対応いたします。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
初回相談・見積り作成は無料です。
相続手続きトータルサポートプラン
相続手続きと司法書士の関係
相続が発生すると亡くなられた方の財産に関する権利義務は相続人が承継しますが、亡くなられた方の名義になっている不動産、預貯金などは相続人が解約したり、相続人の名義に書き換えたりする必要があります。
相続自体の流れは皆さんお分かりかと思いますが、いざ自身に相続が発生したら、「何からすればよいのか分からない」「とにかく時間がない」「必要書類の集め方が分からない」など様々なケースでお困りのこともあるでしょう。
そのようなときは、司法書士にお任せください。
司法書士といえば、不動産の登記関係の業務しかできないと思われている方もいるでしょうが、司法書士(司法書士法第29条、同施行規則第31条)と弁護士のみ法令によって他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務をすることができるとされています。
相続手続きトータルサポートプランは、当事務所が相続人全員の窓口として、これらの手間のかかる手続きを全てお任せいただき、当該手続きを行っていくサービスです。
相続人間の協議がまとまりましたら、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成から預金口座や証券、不動産の名義変更まで、あらゆる相続手続きを代わりに行いますので、丸投げして頂いて大丈夫です!
相続手続きトータルサポートプランをおすすめするケース
- 戸籍の見方が分からない
- 本籍地が転々としており、集め方が分からない
- 相続財産が多く、調査や手続きが難しい
- 相続人の中で面識がなかったり、疎遠の者がいて手続きが進めれない
- 平日日中に金融機関や役所に行く時間がとれない
- 相続人の数が多く、調整が大変だ etc
相続手続きトータルサポートプランのメリット
- 相続に必要な手続きを全てお任せいただけます!
不動産の登記手続や、各金融機関毎の手続き、証券会社の手続きなど個別に動かれると労力も費用もかさんできます。
そこで各手続きに必要な書類の収集などもパックにすることで定額料金でご利用いただけます。
- 相続手続きが終わるまでは、ご相談し放題!
相続手続きを進めていく中で、新たな疑問や思いがけない資産や負債が出てくることも多々あります。そのような時でも、何度でもご相談に応じます。
- 弁護士・税理士、その他士業との連携によるワンストップサービスによる解決!
税金のでのお困りごとや今後争いごとになるような可能性のあるケースでは、提携している税理士や弁護士を紹介しますので、ご自身で都度探される手間も省け、
当事務所窓口一本で解決できます。
- 不動産の売却にも対応します!
相続した後の不動産の処分、代償分割の為の処分など不動産の売却に関しても無料でアドバイスを致します。その後売却や賃貸を決められたときにも、不動産の立地や用途などに合った不動産業者を紹介することもできます。相続相談と不動産の相談を別々に動かれるよりも、当事務所で一括してご相談されることで、お客さまにとってベストな処分方法を判断し、最も良い結果となるようサポートします。
相続手続きで困ったことや面倒で全て任せたいなど各種ご要望は是非当事務所へご相談ください。
根抵当権の債務者が亡くなったときには
根抵当権の債務者が亡くなったら
元本確定前の根抵当権の債務者について相続が開始した場合には、その相続開始時に存在する債務は、相続人が承継します。よって、債務を承継した相続人を明らかにするためにも債務者の変更登記が必要となってきます。
債務者の表示は登記簿謄本にも記載されますので、共同相続人全員の住所や氏名を記載することとなります。ただし相続人の中で相続放棄をした方がいる場合には、初めから相続人とならないために債務者として記載されることはありません。
指定債務者の合意とは
根抵当権の債務者が亡くなられたときに、根抵当権者(銀行等)と債務者の相続人が元本を確定させないで引き続き根抵当権枠での取引を継続しようとするときは、
①債務者の相続による変更登記のほかに②根抵当権者と設定者(所有者)の合意により定める「指定債務者の合意」の登記もしなければなりません。
指定債務者とは、相続開始後に債務を負担するものであり、相続人の中から指定しなければなりません。
この②の登記は①の登記とともに、債務者の相続開始後6ヶ月以内にしなければ当該根抵当権の元本は確定してしまいますので、注意が必要です。
この①、②の登記をすることで元本は確定せずに、当該根抵当権は亡くなった債務者が相続開始時に存在する債務及び指定債務者が相続開始後に負担する債務を担保することとなるため、
従前通りの取引ができるようになります。
指定債務者の合意と利益相反
元本確定前の根抵当権の債務者及び設定者(所有者)である父が死亡し、未成年者の子が根抵当権の対象となっている不動産を相続することは勿論可能です。
ただし、母親が子に代わって指定債務者とする合意は、親の債務を子が担保提供することとなり、利益相反に該当します。
利益相反に該当するような場合には、その子のために特別代理人を選任するために家庭裁判所への手続きが必要となってきます。
登記手続きについて
①、②の登記は当該根抵当権の対象となっている不動産の相続登記手続とは別個のものです。
仮に、亡くなった父が不動産の設定者(所有者)及び根抵当権の債務者であった場合(相続人は配偶者と子1人)で考えてみると
1、不動産の相続による所有者の名義変更登記(登録免許税:不動産の固定資産税評価額×1000分の4 |
⇓
2、根抵当権の債務者(父から配偶者と子へ)の変更登記(登録免許税:不動産1個につき1,000円) |
⇓
3、指定債務者(配偶者か子のどちらか)の合意の登記(登録免許税:不動産1個につき1,000円) |
と、3種類の登記手続が必要です。(同時に申請することはできます)
もし亡くなられた方が個人事業主であった場合などには、根抵当権の債務者になっていることも考えれらますので、事業をされていた方の相続手続きには特に注意する必要があるでしょう。
当事務所はあらゆる相続手続きにも親身にサポートいたしますので、相続手続きのことや亡くなられた方の借入のことなどで不安や悩みがある方は一度ご相談ください。
阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも立ち寄りやすい場所にあります。
初回相談・見積り作成は無料です。
家の中で遺言書が見つかったら
遺言書について
遺言には、大きく①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3種類があります。
この内、「公正証書遺言」については、公証人によって作成してもらい遺言書を公証役場で保管してもらう遺言書になります。公証役場で遺言書が保管されておりますので、紛失していても大丈夫です。また、遺言の有無が不明なときは、公証役場へ「遺言検索」を依頼することもできます。
しかしながら、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」は公的な機関で保管する制度が今まではなかったために、自宅で保管している方も多かったでしょう。
※令和2年7月13日から、法務局による「遺言書の保管制度」が始まっており、現在は自筆証書遺言を法務局で保管してもらう方法も可能となりました。
もし、亡くなられた方が自宅に自筆証書遺言を保管されていたときに、その場所を相続人や信頼できる方に伝えていたら、残された方も探す手間もなく、遺言書の有無を確認できるでしょう。
しかし、遺言書を書いたことを秘密にしておいて、タンスの中などにしまっていたら、すぐに発見することはできないかもしれません。
では、遺品整理などの際に、もし無いと思っていた遺言書が出てきたらどうすればよいでしょうか?
遺言書が発見されたら
まずは、開封に際しての遺言書検認手続きが必要です。
遺言書の検認手続きとは、その開封に当たり、遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所へ遺言書を提出して、家庭裁判所において相続人等の立会人の元遺言書を開封し内容を確認する手続きです。
つまり、裁判所という公的機関において利害関係人が立ち会って開封することで「遺言書は確かにあったんだ」「遺言者の死後に、内容に改ざんはないんだ」という事実をみんなで確認するのです。
この検認手続きは、「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」においては必ず必要となります。
とはいえ、検認手続きを経ていない遺言書が無効になるか?というと、そんなことはありません。
ただし、検認手続きをしていないということは遺言について改ざんや隠匿がある可能性がある、という見方をされてしまいます。
先に述べました通り、遺言書は故人の意思であり、遺言書がある場合には遺言書の内容に沿った相続がなされます。
よって、改ざんや一部隠匿のある可能性のある遺言書の内容にそった相続はとても危険です。
遺言書が発見される前に相続手続きをしていたら
遺言書が発見されるのが、故人が亡くなってから相当期間が経過していて、既に法定相続分や遺産分割協議にて相続手続きが終わっていたらどうでしょうか?
この場合にも、遺言書の内容が優先されます。
よって、既に相続人間で相続手続きが終わっていたとしても、遺言に内容に沿って財産の分配をやり直す必要があります。
不動産の場合には、更正登記が必要となってきますし、預金についても再度分配し直すとなると、貰えなくなった相続人からすぐに協力が得られないかもしれません。
無いと思っていた遺言書があったばかりに、相続人間で揉め事が大きくなることもあるでしょう。
遺言は故人の意思を残すためのものです。せっかく意思を残したにも関わらず、相続人同士の揉め事が大きくなっては故人の本意ではないでしょう。
遺言を残される方は遺言を書いた旨やその場所については、相続人や信頼できる知人などには伝えておいた方が意思を適確に反映させることもできるでしょう。
遺言の作成や遺言が出てきた場合のご相談については、当事務所までご相談ください。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
初回相談・見積り作成は無料です。
父や夫が社長(代表者)である株式会社の相続
社長(代表者)である父や夫が亡くなったら
ご自身の両親や夫が会社経営をされているときに、その方が亡くなられたら、残された家族はどうしていけばよいでしょうか。
個人で不動産や預貯金をお持ちであれば、相続手続きについてはイメージが沸くでしょうが、会社は一体どうしていけばよいのか不安になるでしょう。
ここでは、会社を経営されている方が亡くなられたときの、相続手続きについて説明していきます。
会社の相続とは
会社の相続といっても、単純に代表者の立場を相続して事業を存続していく、ということではありません。
相続人が相続するのは代表者という立場ではなく、その会社の「株式」です。よって、もちろん会社の預貯金や不動産についても相続の対象にはなりません。
株式会社の代表取締役(取締役)は会社との委任関係に基づいて、会社を代表している人のことです。会社の代表取締役がもちろん株主ということは多いでしょうが、一般的には株式と代表取締役は別のものです。
代表取締役(取締役)が亡くなられたら、「退任」手続きをする必要があり、次の代表取締役を株主総会や取締役会で選定しなければなりません。
代表取締役の選定は、あくまで株数に応じた議決権に基づくものになりますので、亡くなられた代表者が過半数の株式を保有しており、その株式を単独で相続した方なら反対にあうことなく、代表者の立場を引き継ぐこともできるでしょう。
しかし、株主が複数おり、それぞれの議決権の割合が小さいときには、株主の過半数の同意を得なければ、自分が後を継ぎたいと思っても、すんなりとはいかないかもしれません。
具体的なケースについて
- 相続人が会社を引き継いで代表者となる場合
代表者に選ばれるには、先程述べました通り、株主総会で決議されるときには株主の過半数の同意が必要です。
亡くなられた方が株式の過半数を持っていたときには、その株式を単独で相続した方は既に過半数を持っていることになりますから、自身を代表者にして会社を引き継いでいくことができるでしょう。
しかしながら、亡くなられた方が株式の過半数を持っていたとしても、相続人が複数いるときは、「相続人同士で株式をどう分けるのか」は重要なポイントです。
法定相続分で株式を相続した結果、議決権の問題で代表者の選定並びに会社運営まで大きな影響が出るでしょう。
もし相続人の中で会社経営に関心がない方がいれば、遺産分割協議により株式の相続分を予め決めてしまうか、他の株主などに譲渡することで解決することもできます。
- 全ての相続人が会社経営を関心がなく、会社をたたみたい場合
この場合には、会社の解散と清算手続きが必要です。株式会社をそのまま残しておくと、法人税の納付義務や決算書申告義務が出てきます。
ただし、会社を誰も引き継がいないので、会社をたたみたいと思っても、会社に大きな借金があるときや代表者が連帯保証人になっているときなどは注意が必要です。
会社に大きな借金があるときや連帯保証人になっていたら
会社を清算するときには、会社の資産などから負債を支払い、負債がなくなっている必要があります。負債が残ったままでは、清算手続きができません。
また注意してほしい点が代表者が会社の借金の連帯保証人になっていたときです。
連帯保証人は、会社が支払えない場合に、個人が連帯してその借金を支払うもので、連帯保証人としての債務も相続の対象となります。
よって、「亡くなられた代表者個人の預貯金や不動産だけ相続して、会社の借金は引き継がない」ということはできません。
連帯保証人になっていたら、会社の借金がいくらあるのか、それに対して個人の資産はどれだけあるのか、を照らし合わせて相続するかどうか検討した方がよいでしょう。
相続をすると選択されたときには、連帯保証人として会社の借金を引き継いでいくことになります。
検討した結果、会社の借金も大きく、連帯保証人としても支払っていくことがでできない、と判断された場合には、相続放棄の手続きをすることになります。
相続放棄が認められれば、借金を引き継ぐことはありませんが、不動産や預貯金などのプラスの財産も相続することができなくなります。
また、相続放棄の手続きは原則「自己のために、相続が開始されたことを知ったときから3ヶ月以内」に行う必要があります。
※相続放棄については、当事務所ホームページ「相続放棄について」もご参照ください。
https://amagasaki-shiho.com/souzokuhouki/
以上のように、亡くなられた方は会社を経営されていたときには、様々な問題が起きてきます。
亡くなられた直後は、気持ちも動転して、すぐに相続手続きのことまで考えられないでしょう。
誰に何を相談すれば分からないこともあるでしょう。
お困りのことがあれば、当事務所で親身に対応いたします。
当事務所は、阪急「塚口」駅徒歩3分に位置しており、お仕事帰りや日中少し時間が空いた時などにでも是非ご相談ください。
初回相談・見積り作成は無料です。
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