Author Archive

代表取締役が亡くなったことで会社を清算するときには

2021-04-14

代表取締役(社長)が亡くなったら

取締役が1名でかつ株主が1名しかいない会社の代表者が亡くなった場合、後継者もいないので会社を清算するというケースも出てくると思います。

もう代表者も株主も亡くなってしまっているので、何も手続きをしなくても会社は消滅するということはありません。

会社を清算するには、解散・清算結了の登記手続が必要となってきます。

会社を解散するには

株式会社を解散するときには、以下のような解散事由に該当する必要があります。

①定款で定めた存続期間の満了

②定款で定めた解散の事由の発生

③株主総会の決議

④合併による消滅、破産、解散命令

この中で④のケースを除き、解散手続きをするには清算人を選任する必要があります。定款に清算人が定められているときはその方が清算人となりますが、それ以外のケースでは株主総会の決議によって清算人を選任することになります。

ここで注意が必要なのは、株主総会の決議を開くときの株主は誰になるのか、ということです。

株主である代表者が亡くなられているので、その株式については相続手続きの対象となります。株式の相続の場合には、預貯金や不動産と違い、株式は単純に法定相続分に応じて分けられるものではありません。通常は、法定相続人の間で遺産分割協議をすることで株式を相続するものを決定することとなります。

そして、新たに株主となった者の決議により、解散及び清算人選任の承認をした上で、登記手続きをする運びとなります。

会社の清算についてご相談などがございましたら、当事務所に気軽にご連絡ください。

初回相談・費用見積は無料です。

このようなときには遺言作成を考えてほしい

2021-04-12

子どものいない夫婦の場合

子どものいない夫婦の一方が亡くなったときの相続人は誰になるでしょうか。一般的な感覚では、仮に夫が先に亡くなった場合には、妻に全て財産がいくと思うかもしれません。しかし、相続人が誰になるのかは法律で定められています(法定相続人)。

先のケースで夫の両親や兄弟姉妹が生きていれば、妻に全て相続はいかず、両親や兄弟姉妹にも相続分があります。
例①夫が亡くなり、相続人が妻と夫の父親の場合の相続分:妻2/3、父親1/3

 ②夫が亡くなり、相続人が妻と夫の弟の場合の相続分:妻3/4、弟1/4

相続財産が全て預貯金などであれば、相続分の割合で分けることもできるでしょうが、相続財産の大半が不動産の場合は大変です。不動産を共有で分けてしまうといざ売却しようとするときにも双方の意思の合致が必要となり、手続きもスムーズに進まなくなってくるでしょう。

もちろん妻以外の相続人全員の同意があれば、遺産分割協議や相続放棄をしてもらうことで、結果的に妻に全て財産を残すこともできるでしょう。しかしながら、自身に相続財産を手にする権利があると分かっていれば、遺産分割協議や相続放棄に協力してくれるとは限りませんし、亡くなった夫の兄弟姉妹と亡くなった夫の妻では親しくないこともあり得ますので、残された妻が代わって交渉するのは非常に心労と手間もかかるでしょう。

先だった夫が残された妻にこうした心労や手間をかけさせない為には、亡くなった夫が「全財産を妻に相続させる」旨の遺言を残しておくことで、義兄や義姉などの協力も要せずに全て妻が相続することができます。

通常遺言を残しても、法定相続人には亡くなった財産のうち最低限の財産を受取る権利(遺留分)があり、妻に全財産を相続させる旨の遺言があっても、亡くなった夫の両親が生きていれば、遺留分により自身の権利を主張することもできます。

しかし兄弟姉妹が相続人になる場合はこの遺留分がありません。つまり、遺言をのこしておけば義兄や義姉はなんら権利を主張することができなくなってしまうのです。

兄妹姉妹がいなくても遺言を残しておいた方がよい点

兄弟姉妹は既に亡くなっているから遺言を残さなくても、妻に全財産はいくので大丈夫だと思っていたら注意が必要です。兄弟姉妹が既に亡くなっていたとしても、その子どもである亡くなった夫の甥や姪がその兄弟姉妹分の相続する権利を承継することになります。兄弟姉妹ならまだ面識があったとしても、夫の甥や姪となると面識も少なく、相続について話し合うことはますます難しくなってくるでしょう。

自分には既に親や兄弟姉妹が亡くなっているから、遺言を残さなくても安心だとは決して思わないよう注意してください。

まとめ

以上のように子どものいない夫婦の場合には遺言を残しておくことは必要だと思います。ただし、遺言を書いたからといって、それが法律的に有効なものでないと意味はありませんし、逆に相続人間でのトラブルに繋がってしまうかもしれません。

当事務所では、ご依頼者さまのご要望や意見を聞きながら法律的に有効な遺言の作成をサポートさせて頂きます。もちろん報酬や費用がかかってきてしまいますが、残された妻に安心して財産を残せるのであれば、活用することをお勧めします。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

遺言書がある場合の名義変更登記手続き

2021-04-05

遺言書がある場合の名義変更登記に必要な書類

遺言書がありその中に不動産の記載がある場合には、遺言書にもとづいて被相続人(亡くなられた方)から相続財産を受取る方に名義変更登記を申請します。しかしながら、遺言書がある場合であっても、受け取る方が法定相続人であるか、第三者であるかによって登記申請に必要な書類などが変わってきますので、注意が必要です。

遺言にもとづき法定相続人に相続させる場合

遺言にもとづいて法定相続人に相続させる場合の登記申請に必要な書類は以下のとおりとなります。

遺言がある場合には、通常の相続登記と異なり、全ての相続人を確定する必要がないため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を全て集める必要はありません。

  • 遺言書(自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合には、家庭裁判所の検認手続きが必要です)
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 遺言により相続する方の現在戸籍謄本
  • 遺言により相続する方の住民票
  • 固定資産税評価証明書又は固定資産税課税明細書(登録免許税は固定資産税評価額の1000分の4)

遺言にもとづき第三者に遺贈する場合

遺言にもとづいて相続人以外の第三者に対して不動産の名義変更を行う場合には、「相続」ではなく「遺贈」を原因として名義変更登記を申請することとなります。

この場合には、法定相続人に相続させる場合と異なり、登記済証(登記識別情報)が追加で必要となってきたり、登録免許税も原因を「相続」とするものよりは高い税率となってきます。

また、遺言の中で「遺言執行者」を定めている場合とそうでない場合とで、必要書類も異なってきますので、下記をご参考ください。

遺言執行者を定めていない場合

  • 遺言書(自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合には、家庭裁判所の検認手続きが必要です)
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 対象不動産の登記済証(登記識別情報)
  • 遺言により受遺する方の住民票
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人全員の現在戸籍謄本
  • 固定資産税評価証明書又は固定資産税納税通知書(登録免許税は固定資産税評価額の1000分の20)

遺言執行者を定めている場合

  • 遺言書(自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合には、家庭裁判所の検認手続きが必要です)
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本(出生からの遡りは不要です)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 対象不動産の登記済証(登記識別情報)
  • 遺言により受遺する方の住民票
  • 遺言執行者の印鑑証明書
  • 固定資産税評価証明書又は固定資産税納税通知書(登録免許税は固定資産税評価額の1000分の20)

遺言がある場合の不動産名義変更登記のご依頼は当事務所にお任せください。遺言の検認手続き・戸籍謄本の収集から登記申請に必要な書類の作成までサポートいたします。

初回相談・費用見積は無料です。

未成年者の相続放棄は誰が手続きするのか?

2021-04-02

未成年者の相続放棄

両親が離婚した後に、母親が親権者となり、その後父親とは会うこともなく生活していたところ、ある日父親が亡くなったので子に対して役所や金融機関から通知が来た、というケースで考えてみます。

両親が離婚していても、その子どもはもちろん亡父の相続人にあたります。一方離婚した母は父(夫)の相続人とはなりませんので、仮に上記のように亡父に借金や税金の滞納などがあった際には相続人である子に対して請求が来ることはあり得ることです。

このようなケースで亡父の財産も調査の上ないことが分かり、借金が多額にあったような場合には一般的には相続放棄の手続きをとられることになるでしょう、。

では、未成年者の子どもの相続放棄手続きは誰が進めることになるのでしょうか。

未成年者の子は、法律上自身で相続放棄をすることはできません。よって、未成年者の子が相続放棄の手続きをする際には、法定代理人(母親など)が行うことになります。

法定代理人である母親が子に代わって相続放棄の手続きをすることは、利益相反には該当しませんので、特別代理人について考慮することなく、法定代理人が家庭裁判所へ相続放棄の申述手続きをすることができるのです。

 

相続放棄について、お困りのことや相続放棄をした方が良いのか悩んでいるなど、ご相談事があれば当事務所にお気軽にご連絡ください。

初回相談・費用見積は無料です。

相続放棄で注意する点

2021-03-30

相続放棄をすると

相続放棄とは「被相続人の財産に対する相続権の一切を放棄すること」です。

相続放棄をした人は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされます。

相続放棄の対象となるのは被相続人(亡くなった方)のすべての財産であり、預貯金や不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、負債(借金)などのマイナスの財産も含まれます。相続を放棄した場合、プラスの財産、マイナスの財産のいずれも相続人が承継することはありません。

よって、亡くなられた方に多くの借金があった場合や誰かの連帯保証人になっていた場合、他の相続人と関わり合いを持ちたくないようなケースでは相続放棄を検討するのも一つでしょう。

相続放棄の手続きをとると、上記のように相続人としての地位を失うことになりますが、実際に相続放棄をするときに注意する点もあります。

相続放棄をするときに注意する点

  • 既に相続財産に手を付けているとき

相続放棄をするということは、相続財産の全てを放棄するということです。既に相続財産を消費していたりすると、相続放棄はできなくなり、相続を承認したことになります。

  • 相続放棄をすると次順位の相続人に迷惑がかかることがある

相続人全員の話し合いにより、相続人全員が相続放棄をしてしまった場合など誰にも借金の請求はいかなくなると思われるかもしれません。しかしながら、相続人には法律で定められた順位があり、先順位の相続人が相続放棄をすることにより、次順位の相続人の請求が移ってしまいます。

例えば、相続人が配偶者と子の場合を考えてみます。

このケースで、子が相続放棄をすると配偶者のみが相続人となるように見えますが、亡くなられた方の親や兄弟姉妹が子に代わり、相続人となります。もちろん、その場合でも相続人となった親や兄弟姉妹も相続放棄の手続きをとることはできますが、本来相続関係のなかった親族にも事前に連絡をしておく必要なども出てきて、手間や費用の負担が増えることもでてきます。

相続放棄をすることで優先順位の高い相続人がいなくなった場合、子から親、親から兄弟姉妹、というように相続人の立場が変わっていくこととなります。

  • 撤回ができない

相続放棄を一度すると撤回することはできません。借金があるからといって、相続放棄をしてしまっても、その後調査をするとそれ以上の資産が出てきた、ということも考えられます。

相続放棄の手続きをする際に資産・負債関係が分からない場合でも相続財産の調査はしておいてから、最終判断されるのが良いでしょう。

  • 相続財産の管理責任を問われることもある

相続放棄をしたから後は全て関係なくなる、と思われるでしょうが、法律では以下の通り規定されていますので、注意が必要です。

民法第940条第1項「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」

相続放棄が終わったからといって、勝手に処分することは許されていません。また、被相続人が不動産(空き家)を所有していた場合などで、その不動産が倒壊や家事があって近隣の方に迷惑がかけてしまったときなどは、管理責任を問われる可能性もあります。

あくまで、上記の規定は相続人ではなく、財産管理人の立場としての責任となりますので、相続放棄をしても相続財産管理人が定められていないようなケースでは、責任から逃れることはできません。

相続放棄の手続きは以上のような注意点も考慮しながら、検討していくことも必要です。

相続放棄をするかどうか悩んでいたり、お困りのことがあれば当事務所へご相談ください。

初回相談・費用見積は無料です。

不動産の売却を視野に入れた家族信託設計について

2021-03-25

不動産を家族信託すると

不動産(自宅や収益アパート等)を家族信託契約において信託財産に組み入れることはもちろん出来ます。不動産を家族信託すると、信託不動産の名義は委託者(元の所有者)から受託者に変更されることになりますので、もし信託財産である不動産を売却するには受託者が売主となって手続きを進めていくことになります。

では、どういうケースで信託された不動産を売却することができるでしょうか。

信託不動産を売却するには

受託者名義に不動産の名義が変更されたからといって、受託者が売却を自由に行うことはできません。受託者が売却できるかの権限は信託契約の内容で決まります。具体的には、信託契約の中で受託者に不動産の管理・運用・処分などの権限を与えておくことが必要です。よって、受託者に不動産の処分権限が与えられていないときには、受託者の名義になっていても受託者は不動産を売却することができない、ということです。

そして、信託不動産を売却すると、信託財産は不動産から金銭(売却代金)に変換されることになります。

不動産の売却を視野に入れた家族信託設計

不動産の売却を視野に入れた家族信託で最も皆さんがご依頼される理由が、「親が認知症や判断能力が低下した後の不動産の処分に困るため」というものです。

今は親が元気でも将来的に高齢になり、判断能力が衰えてきてしまったときには、親が所有している不動産を売却することで病院・介護施設や有料老人ホームへの入所費・介護費用・医療費などの支払いに充てたいと考えることはあると思います。

このような場合には、不動産の所有者である親を委託者兼受益者、子を受託者とする信託契約を締結し、契約条項の中に受託者に不動産の処分の権限を与えておくことで、親が仮に認知症や判断能力が低下しても、受託者の権限で不動産を売却することが可能です。そして、不動産を売却すると売却代金が入りますが、その代金は金銭の信託財産として、親の施設費・医療費などとして利用することができます。

家族信託契約をしておかなくても、売却することは可能ですが、その場合には家庭裁判所への申立により成年後見人を就けた上で、更に自宅不動産の売却の場合には家庭裁判所の許可も必要となってきます。

せっかく買い手がいても時間や費用も相応にかかってしまい、売却自体も難しくなってしまうかもしれません。

不動産の売却を視野に入れた家族信託をご検討される際には、お気軽にご相談ください。

初回相談・費用見積は無料です。

 

一般社団法人の定款作成で注意する点

2021-03-22

一般社団法人の定款

一般社団法人の定款には、2名以上の設立時社員が共同して作成し、全員が署名または記名押印しなければなりません。設立時社員とは、株式会社でいう発起人に相当し、設立に関する事務を行うもので自然人(個人)・法人を問いません。定款の作成は一般社団法人設立の絶対要件であり、今後の法人の事業や組織体制などを決めていく骨格となるもので、後で変更しようと思っても社員総会の決議などが必要となってきますので、注意が必要です。

一般社団法人の定款記載事項について

定款には、その記載がなければ定款自体が無効とされる絶対的記載事項のほか、定款の定めがなければその効力を生じない相対的記載事項及び、その他の事項で一般法人法の規定に違反しないものとして任意的記載事項があります。

  • 絶対的記載事項

①名称

一般社団法人は、名称中に「一般社団法人」という文字を使用しなければなりません。また、他の法人が既に登記した名称と同一で、かつ、主たる事務所の所在場所が当該法人と同一である法人の登記をすることはできません。

②目的

一般社団法人は、営利を目的としない法人であり、その範囲内でのものとなります。基本的には当該法人の判断によりますが、公序良俗に反するような目的を定めることは勿論できません。

③主たる事務所の所在地

定款には、最小行政企画(市区町村)まで定めていれば足ります。

④設立時社員の氏名または名称及び住所

設立時社員とは、一般社団法人の社員になろうとする者をいい、設立に関する事務を行います。設立時社員は2名以上とされ、社員が欠けたことは解散事由とされています。また、自然人(個人)・法人問わず社員になることはできます。

⑤社員の資格の得喪に関する規定

社員となり得る資格についての定め、退社事由についての定め、入退社等の手続きについての定め等を規定します。具体的には、当該法人の自治に委ねられるものです。

⑥公告方法

一般社団法人は、次のいずれかの方法によって公告を行いますので、選択して定款に記載しなければなりません。

1、官報に掲載する方法

2、日刊新聞紙に掲載する方法

3、電子公告

4、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法

⑦事業年度

事業年度ごとに計算を行うため、事業年度は定款の絶対的記載事項とされています。

  • 相対的記載事項

定款の相対的記載事項は、多岐に亘っており、自治が広く認められています。以下、例として挙げるものなどが相対的記載事項に該当します。

①設立時役員の選任の場合における議決権の個数に関する別段の定め

②任意退社に関する別段の定め

③退社事由

④社員総会の招集請求の議決権数

⑤議決権の数

⑥社員総会定足数・決議要件の別段の定め

⑦理事会、監事、会計監査人を設置する旨の定め

⑧理事の任期の短縮(定款に記載がなくても、社員総会の決議により短縮することもできます)

⑨代表理事の互選

⑩存続期間または解散事由

⑪基金を引き受ける者の募集等に関する定め

  • 任意的記載事項

①社員総会の招集時期

②社員総会の議長

③従たる事務所の所在地

④役員の人数

⑤役員の報酬

⑥残余財産の帰属

尚、一般社団法人では定款で社員に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨を定めることは禁止されています。定款にこのような旨を記載することは、非営利性という一般社団法人の基本的性格に反するためです。

 

一般社団法人の設立を検討されている方、設立した後でもお困りのことがあれば、当事務所にご相談ください。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

 

 

 

遺言書の検認手続きは必要?

2021-03-18

遺言書が見つかったら

遺言には主に、次の3つの形式があります。
・自筆証書遺言※
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

公正証書遺言を除いて、遺言を保管していた人や発見した相続人は、家庭裁判所において検認の手続きをしなければなりません。

※自筆証書遺言でも、法務局により自筆証書遺言保管制度を利用された場合には、家庭裁判所の検認手続きが不要です。

詳しくは当ホームページ「遺言書の保管制度について」をご参照ください。

https://amagasaki-shiho.com/%e9%81%ba%e8%a8%80%e6%9b%b8%e3%81%ae%e4%bf%9d%e7%ae%a1%e5%88%b6%e5%ba%a6%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

民法第1004条(遺言書の検認)

1 .遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 .前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 .封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

 

以上のように、封印のある遺言書については家庭裁判所において開封することとされていて、その場で開封してはいけないということになっています。もし検認手続きを経ないで、開封したときには5万円以下の過料に処せられる可能性もあります。(民法第1005条)

検認手続きとは

検認とは、遺言書の偽造や変造を防ぐための証拠保全手続きです。他にも相続人に遺言の存在やその内容を知らせたり、検認の日における遺言書の内容を明確にする目的もあります。ただし、検認があくまで証拠保全手続きとなるので、検認の手続きを経なくても、遺言の効力自体に影響はありませんし、遺言書が有効になるものでもありません。

実際には、不動産の名義変更登記手続や、金融機関への預貯金の解約や払い戻し手続きをする際には、検認を行っておこないと手続きを進めることができません。

検認手続きをするには

一般的な検認手続きの流れは以下の通りとなります。

  • 検認の申立て

申立人:遺言書を保管している人(相続人に限りません)や遺言書を発見した相続人

申立先:死亡した方の、最後の住所地を管轄する家庭裁判所

必要書類:申立書、遺言者(死亡した方)の出生から死亡までの戸籍t謄本や相続人の戸籍謄本

手数料:収入印紙(800円)、郵便切手など

     ⇓

  • 家庭裁判所から相続人への期日の通知

家庭裁判所から相続人全員に対して、検認期日の通知がされます。申立てから大体1ヶ月前後で届きます。

     ⇓

  • 家庭裁判所での遺言書の開封及び検認

遺言保管者は指定された期日に遺言書を持って家庭裁判所に行き、当日家庭裁判所に来た相続人立会いのもと、遺言書が開封され、その内容の確認が行われます。その結果は検認調書に記載されます。(相続人の出席義務はありませんが、全員立会されなくても、手続きは行われます)。

     ⇓

  • 検認結果の通知

検認に立ち会わなかった申立人や相続人には検認の結果が通知されます。

     ⇓

  • 遺言を受領

申立人は検認手続きが終わった後に、検認済証明書の申請をし、その証明書が付いた遺言を受領します。検認済証明書の申請には、遺言書1通につき150円の収入印紙と、申立人の印鑑が必要となります。

 

家庭裁判所への検認手続きでお困りのことがあれば、当事務所へご相談ください。申立書の作成から必要書類の収集までサポートさせて頂きます。

初回相談・費用見積は無料で承っております。

法定相続人とは

2021-03-15

法定相続人とは

「法定相続人」とは、法律で定められた相続人のことを言い、被相続人の財産や負債を「誰が」「どの割合」で相続するかは法律で定められています。

法定相続分とその順位

  • 法定相続分

相続人が「どの割合」で相続分を持つのかは、以下のとおり法律で定められています。

相続人
法定相続分
配偶者と第1順位相続人(子)
配偶者   2分の1
第1順位相続人
2分の1
配偶者と第2順位相続人(両親など)
配偶者   3分の2
第2順位相続人 
 3分の1
配偶者と第3順位相続人(兄弟姉妹)
配偶者   4分の3
第3順位相続人  
4分の1

配偶者は必ず相続人になり、相続人が配偶者しかいなければ、配偶者が全て相続します。また、相続人が第2順位や第3順位の相続人しかいなければ、その順位の方が相続します。同一順位に複数の相続人がいあれば、均等に相続分を分けることになります。例えば、相続人が配偶者、子2名の場合には、配偶者が2分の1、子2名が各々4分の1づつ相続することとなります。

  • 法定相続人の順位

配偶者がいれば配偶者は必ず相続人となります。その他、配偶者とともに、子、両親、兄弟姉妹がその順位に応じて相続人となります。

順位
被相続人との関係
第1順位相続人(常に)
配偶者
第1順位相続人
第2順位相続人
直系尊属(両親など)
第3順位相続人
兄弟姉妹

第1順位相続人は、その時に存在していれば、必ず相続人となりますが、第2順位や第3順位の人は、自分より前の順位の相続人が全ていないときに初めて相続人となります。よって、被相続人に子がいれば、被相続人の両親や兄弟姉妹は相続人となりません。

その他法定相続人について注意する点

  • 相続人となる子は、実子・養子を問いませんし、複数いる場合にも実子と養子で相続分は異なりません。非嫡出子については、被相続人より認知を受けている必要があります。相続人が子の場合に、被相続人より先に子が死亡しているときには、被相続人の孫が相続人となり、これを「代襲相続」といいます。
  • 第2順位相続人である直系尊属(両親など)が相続人となる場合には、両親が先に死亡している場合には、祖父母が相続人となります。また、子と同様に、直系尊属には実親・養親は問わず、同じ相続分となります。
  • 第3順位相続人である兄妹姉妹が相続人となる場合には、父(または母)の異なる兄妹(異父・異母兄弟)については、両親が同じ兄弟姉妹の相続分の半分となります。また、子と同様に代襲相続の規定もありますが、子と違い、被相続人よりも先にその兄弟姉妹が死亡している場合には、その兄弟姉妹の子は相続人となりますが、兄弟姉妹の孫は相続人となることはありません。※代襲相続は相続人である兄弟姉妹の子までであり、孫までは代襲できないということです。

 

当事務所は、法定相続人の確定のための戸籍収集から遺産分割協議書の作成、相続手続きを全て任せたい!という方にも「相続手続きトータルサポートプラン」も設けております。

お困りのこと、ご質問に係わらず、お気軽にご相談ください。初回相談・見積は無料で承っております。

 

自己破産をお考えの方へ

2021-03-11

自己破産とは

「自己破産」とは、裁判所への申立てにより、生活必需品など最低限の財産を除いた財産を換価して返済にあて、残りの借金を免除してもらう手続きです。自己破産というと「他人に知られてしまうのではないか?」「会社を解雇されてしまうのではないか?」など不安ばかりが頭をよぎり、踏み出せないといったご相談もよく耳にします。

自己破産をしても、戸籍や住民票には記載されませんし、会社も自己破産の事実のみを理由に解雇することは認められていません。もちろん、借金について免除してもらう代わりに住宅や車などの資産も手放す必要がありますが、自己破産は国が定めた裁判上の手続きです。収入減でどうしても返済できない方や、多少減額されても支払っていけないくらい借金がある方などはこの制度を利用することでリスタートすることができます。

 

自己破産のメリット・デメリット

メリット

デメリット

・金融機関などからの督促・取立がとまる

・借金が全て免除される

・自己破産の手続き終了後に得た財産や収入は自分で管理できる

・住宅や車といった大きな財産は手放す必要があるが、生活に必要な財産は残せる

・自宅や車など20万円を超える財産は処分されてしまう。

また、現金や生命保険の解約金など一定の金額を超える財産も対象となる。

・警備業・建設業・保険募集人など自己破産手続き開始から終了まで一定期間就けない職業の制限がある

・借金の理由がギャンブル・投資などだった場合は自己破産を認められないケースがある

・信用情報機関に登録され、一定期間ローンやクレジットカードなどの利用ができなくなる可能性がある

・官報に住所・氏名が掲載される

昨今のコロナ禍もあり、余儀なく収入が減少されている方も多くおられると思います。借金問題でお悩みの方にとって、自己破産は最終手段と考えていて、一歩踏み出すことは難しいと感じれられているでしょう。相談することで気が楽になることもあるかもしれません。また、お客さまの状況により、自己破産ではなく、他の方法を検討することもできるかもしれません。

ご相談頂いた方には、今の生活状況や、お悩み、ご希望もお聞きしながら、解決できる方法を一緒に考えていきたいと思います。

まずは悩んだり、お困りのことがあれば、ご相談ください。初回相談は無料で承っております

 

« Older Entries Newer Entries »

トップへ戻る

0664239083電話番号リンク 問い合わせバナー